第20話
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「ねぇ グレゴリウスさん ??」
このまま、双子に 付いて行ったらヤバい。
そう、思って 1つの考えになる。
つまり、グレゴリウスと 一緒に
逃げようということだ。
「どうした ビビッたのか」
ニヤッと、笑う グレゴリウス
「いや・・・
ボクと 友達に なってよ」
双子から、逃れる時に 手助け
してくれそうな人物だと思って
頼ってみる。
「おっ
ふーんなるほどな
イイぜ」
言葉の意味を、察してくれたようで
了解する グレゴリウス
「やったぁ」
小さく、ガッツポーズをする。
「やぁ やぁ みなさん
お揃いで」
バーに、招かれざる客が 入って来る。
「お前 ジョーカー !!」
あい変わらず、顔に 包帯を巻いて
あらわれた ジョーカー
「ケンイチロウくん
覚えてくれていてくれて
実に光栄だよ」
顔を、こちらに向けたまま
右手を、胸にやり 会釈する
ジョーカー
「おい なんか 雰囲気が
変わったな」
なにかを、感じ取る グレゴリウス
特に、腰にある剣が 異様だ。
「そうかい ??
オ・レ・サ・マは 覇王から
奪えるだけ 奪った」
どうやら、覇王から 奪い尽くした
ジョーカー
「そんな
1勝負 1アイテムでしょ ??」
驚きを、隠せない ミテオナー
「オ・レ・サ・マを
誰だと 思ってる ??」
両手を、広げる ジョーカー
「グリード・・・」
悔しい表情の ミテオナー
「そう そのとおーり
何回も 勝負して
持ち物から ヤツの顔に
いたるまで スッカラカンに
してやった」
どうやら、包帯の下は
醜い状態から、覇王の顔になって
いるようだ。
「なんて 卑劣な・・・」
逆に、覇王は 醜い姿に 変えられて
しまっている。
「そうでしょー
もっと くれよ 称賛を」
ねじ曲がってしまっている性格の
ジョーカー
けなされているのが、褒め称えられて
いると、変換されているようだ。
「最低ね アンタ
次の 対戦相手は 鑑定士
だったわよね」
ため息まじりの ミテオナー
「あぁ たしかそうだったか」
虚空を、見る ジョーカー
「対戦相手が かわいそうだわ
こんな気持ち悪いのと
当たるなんて」
次の、対戦相手に 同情する
ミテオナー
「面白いな オマエ
今すぐ その 減らず口を
奪い取っても イイんだぜ」
素早く、ミテオナーの 頭を両手で
つかむ ジョーカー
「あッ」
覇王の舌使いで、からみ合う。
バシーン
「なっ・・・」
ジョーカーの、頬を ぶつつもりで
右手を振るった ミテオナーだったが
ジョーカーの腕で、防がれてしまった。
それどころか、素早く羽交い締めされ
耳を、なめられる。
「フフフ
おもしれえじゃねえか このアマ」
ニヤリと、笑う ジョーカー
ビックリして 声が出ない ミテオナー
「ジョーカー
そのくらいに しとけよ」
イスから、立ち上がる グレゴリウス
静かに、怒っている。
「あん?
関係ねえだろ 引っ込んでなよ」
グレゴリウスの、肩を 押す ジョーカー
しかし、ビクともしない。
「関係あるよ
こいつらと 友達になったからな
表へ 出な ジョーカー」
情に厚い、グレゴリウスが
いよいよ、我慢の限界を 迎える。
「わっ
ありがとう グレゴリウスさん」
ボクも、なにか 出来たらイイんだけど
感謝を、つたえることしか出来ない。
「礼は こいつを 倒してから
聞くよ」
ヘヘッと、笑う グレゴリウス
「おもしれぇ
お前に 倒されるほど
ヤワじゃねー」
見下すように、腰に 手を置き
冷めた視線を、送る ジョーカー
「アタシも 参戦するよ」
外に出ると、野次馬の中から
巨乳のエルフが、出て来る。
「エルフの ムアチャコさん !!」
胸に、ダメージがあったように
見えた、彼女だったが どうやら
無事だったようだ。
「あら アタシの 名前も
覚えてくれてたんだね
ケンイチロウくん」
ボクに、ギュッと 抱擁する
ムアチャコ
「はい あの試合は 目に
焼き付いてますから」
催眠術なみの、威力の攻撃を受けた
ムアチャコに驚愕した。
「いゃん
記憶から 消してよォー」
一心不乱に、自身の胸を揉む姿を
みんなに、見られて ちょっと
恥ずかしい ムアチャコ
「いえ しっかりと 覚えています」
あれだけ印象的な試合で、すぐ忘れる
なんて、出来るわけがない。
「イイわ
今から ジョーカーを消して
その記憶を オーバーライドして
あげるね」
構える ムアチャコ
「こいつら リーダーを決める
トーナメント やってる連中じゃねえか」
大柄な 男が、指を差して言う。
「よーし
どっちが 勝つか はったはった !!」
大通りには、人だかりが出来てきて
すでに、賭けになっているようだ。
「ククク
どっからでも かかって来なさい」
そう言いながら、ダークソードを抜く
ジョーカー
まがまがしいオーラを放つ剣を持ち
半笑いしている。
腰の、短剣を抜く グレゴリウス
「だぁーッ」
勢いよく、斬りかかる グレゴリウス
「ククク」
グレゴリウスの、突きを
ダークソードを、振り上げることで
弾く ジョーカー
次の瞬間には、素早く動き
ムアチャコの、腹へ 剣を刺す
ジョーカー
「なッ・・・」
流れ出る鮮血。
突然のことで、よけることも
出来ない。
「まずは 1匹」
ニヤリと、笑う ジョーカー
「おのれ・・・」
短剣を、ジョーカーの背中に
刺そうと グレゴリウスが 突進した時に
「そこまでよ」
偶然、通りかかった セシリアが
争いを、仲介する オーラを放ち
沈黙する両者。
「チッ 水を さされちまった」
それでも、悪態をつく ジョーカー
ムアチャコに、刺さった剣を
引き抜き、一振りして 鞘に
おさめ、ゆうぜんと立ち去る。
「待てッ」
叫ぶ、グレゴリウスを
一瞥することもなく、雑踏に
消えていく ジョーカー
「おい 大丈夫か
今 なおしてやる」
流血して、倒れている ムアチャコに
ヒーリング魔法をかける グレゴリウス
スーッと、傷が消える。
「あっ
ありがとう グレゴリウス」
頬を、赤らめる ムアチャコ
グレゴリウスに、一目惚れしたようだ。
「なんとか 助かったな」
起き上がった、ムアチャコを
そっと、抱き寄せる グレゴリウス
「はい・・・」
グレゴリウスを、ギュッと
抱きしめる ムアチャコ
周囲からは、拍手が沸き起こる。
「グレゴリウスさま
飲みなおしましょう」
グレゴリウスと、一緒にいる 女が言うと
恥ずかしそうに、グレゴリウスから
離れる ムアチャコ
「ああ
その前に セシリアさん だっけ ??」
振り返り、聖女セシリアに
声を、かける グレゴリウス
「はい
グレゴリウスさん
なんでしょう」
やさしく、ほほえむ セシリア
「なんか 助けてもらって
ありがとうね」
ウインクする グレゴリウス
「まぁっっ
と 当然のことをしたまでですわ」
積極的な、グレゴリウスに
のぼせる セシリア
「ハハッ
セシリアも 一緒に 飲もうよ」
一応、誘ってみる グレゴリウス
「わたしもですか?
でも お酒は ちょっと」
顔が、完全に ニヤケている
セシリア
「あぁ
ジュースも あるから 心配いらないよ」
セシリアの、まんざらでもない態度に
手招きする グレゴリウス
「そこまで 言われたら
飲ませて いただきますわ」
実は、グレゴリウスと 話しが
したかった セシリア
「よーし 決まり
飲んで飲んで 飲みまくろう」
サムアップする グレゴリウス
「はい」
1時間後
「あのー
お客さん・・・」
バーの、店主の顔色が あまり良くない。
「ん・・・
オレか 何だ どうした 店主 ??」
不思議そうな、顔をする グレゴリウス
「申し上げにくいのですが・・・」
モジモジする 店主。
「うん もったいつけずに
言いなって !!」
ニッコリ笑う グレゴリウス
「お酒が もう無いのです
すいませんッ」
空のタルを、担いで見せる 店主。
「えっ
ああ そうなの ?
だってよ セシリアちゃん ??」
セシリアの、顔を見る グレゴリウス
「ヒック
いいや まだ 酒が たんねーぞ」
お酒が、回って 口調が 荒い
セシリア
「聖女様って こんなに呑んでるのに
まだ 呑めるんだね」
ボクは、ビックリした。
最初、呑まないと言っていたのに
2杯目から、お酒に切り替えた 聖女。
「まるで うわばみのようだな」
苦笑いする グレゴリウス
「ですよね~」
ウンウンと、うなずくボク。
「エッ!
誰が うわばみだって ??」
小声で言ったのに、ちゃっかり
聞こえている セシリア
「ちょっと
本当に 酔ってるよ」
あきれる ボク。
「まだ じぇじぇーん・・・
ぇじぇじぇじえん 飲める」
少し、呂律が回っていない セシリア
「大丈夫かな?
急に 倒れたりしないよね」
多少、心配になるよ。
「ああ 大丈夫
オレと こいつで 面倒 見るから」
グレゴリウスと、一緒の女と
2人で、面倒を 見てくれるようだ。
「それじゃあ グレゴリウスさん
お願いしますね」
先に、バーを出ようと
席を、立つ ボク
「おう まかせとけって」
手を振る グレゴリウス
「ねぇ グレゴリウス
もう1回 キスして」
キスを、せがむ セシリア
「セシリアちゃん
今日 何回目だよ」
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