第18話

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「よーし

サタの町に ついたぞ」


コロシアムのある、コロッセ街から

ようやく、2つ 手前の サタの町まで

やって来た、パーティーだが


「もうすぐ 日が暮れるわ」


予定していた、ロングキャニオン村は

ここから、長い グネグネの

山道を、延々と登り

ガケ沿いに、ようやく

馬車1台が、通れる道を

進まなくてはならない。


「今日じゅうに ロングキャニオン村

まで行くのは ちょっと

やめた方が イイかも」


ロングキャニオン村自体が

ジャングルの、中にあり

その村に、たくさん 宿泊者が

いると思われ、今からでは

宿屋が、空いていないだろう。


「この町で 一泊しましょ

ウワサでは ロングキャニオン村に

モンスターが出るって 話しだし」


外から、魔物が入って来れない

結界を、張っている 小国だが

少し、薄くなってきているという

ウワサだ。


「そんなに

あぶないところなんですね」


国境までの、ジャングルがあぶないって

話しじゃあ、なかったですか ?

それ以前が、もう危険性ありでしょ。


「今の ワタシ達なら 全然

問題に ならない モンスターよ」


そりゃあ あれだけの ワザが

出せれば、そうでしょ。


「うーん それなら イイんですが」


ボクも、ドラゴンを使って

勝負したいなぁ。

でも、勝手に出すなって 言われてるし。

そう思って、ポケットから

ジュレルを、取り出して見ていると


「心配しなくても そのうち

ドラゴンを 使いこなすように

なるわよ」


と、なぐさめてくれる ミテオナー


「うん 早く 使いこなしたいな !!」


手のひらで、ジュレルを 転がす。


「それに アンチマジックが

消せるのか 確認が出来ないと

出すタイミングで 困ると思う」


そこだよね、使いたくても

難しい。


「なんだか 勇者みたく

体力に 余裕があってみたいな

人用だと 困るから

アンチマジック消せたら

イイよね」


そう、オンオフ出来るのが

理想だよね。


「うん おいおい調べてみないと

なんともね」


アンチマジックを持った

ドラゴン自体が、超レアらしい。


「おお キミは 転生者の

たしか・・・」


通りを、歩いていると

シュッとした、青年が 話しかけて来た。


「ケンイチロウです

あなたは 聖弓使いの

グレゴリウスさんですよね ??」


一応、選手の名前を 覚えていたよ。


「おお ちゃんと 覚えていて

くれたなんて ウレシイじゃーん」


テンションが、高いグレゴリウス


「オークの頭に 矢が当たると

黒い霧になって 首から上が消えるの

すごかったです」


あんなのを、見るのが

初めてで、妙に興奮する。


「そうだろう~」


人差し指と、親指を アゴに当て

ニヤリとする グレゴリウス


「だ~れ

このガキんちょ

また あなたの 隠し子 ??」


半裸の女が、いぶかしげに

ボクを、見てくる。


「あぁ 討伐隊の リーダーを

決める トーナメントで

この子も 出てるんだ」


女に、紹介して くれるけど


「こんな 小さな子が

リーダーって

よほど 人材難なのね」


残念そうな顔をする、女。


「いや すごい メンツと

戦って いるんだよ

中には こういう子もいるがな !!」


どうやら、この女は

試合を、見ていないようだ

まぁ、テレビとか無いから

無理無いんだけど。


「はぁ」


気が、抜けてしまう。


「でも この少年には

見込みがある」


強めに、肩を叩く グレゴリウス


「そうなのかい ??」


興味なさげに、左右に揺れる 女。

胸も、揺れる。


「目だよ」


説明する グレゴリウス


「目 ??」


そう言われて、ボクの顔に

鼻が、ふれそうなほど 顔を

寄せる 女。


「あの頃の オレの目に

似てるんだよ・・・

なんてな」


どうやら、シリアスなのは

苦手な人みたい。


「アハハ」


大笑いする 女。

香水の、イイ香りがする。


「おう ケンイチロウ

この町に 泊まりか ??」


そう、グレゴリウスが 聞いて来るので


「はい 予定では

ロングキャニオン村まで

行く 予定でしたが・・・」


困ったなーと、顔に出てしまう。


「おう」


ニヤリと、笑う グレゴリウス


「それで グレゴリウスさんは

ロングキャニオン村まで

今日 行くのですか ??」


先に、行ってしまうのか、気になる。


「オレか?

オレはな 花街のない村とか

泊まりたくない主義なのよ」


いきなり、そんなことを言う

グレゴリウスに、面食らってしまう。


「えっ ??」


思わず、目が点だよ。


「あの村には 女の知り合いも

いねえしなー」


腕組みする グレゴリウス


「はぁ」


また、気が抜けてしまう。


「それより

イイ女たちが いるじゃねえか

紹介しろよ」


ボクの、背後を 指差す グレゴリウス


「はい グレゴリウスさん

この人は ミテオナー」


ミテオナーを、紹介する。


「近くで見ると

イイ男ね

よろしく」


まんざらでもない ミテオナー


「よろしく

美しいな」


ミテオナーを、じっくり見る グレゴリウス


「あーら」


ほめられて、うれしそうな ミテオナー


「この アルパカが

ミテオナーの双子の妹ミネルアー」


アルパカの、頭を なでながら

紹介すると


「毛並みの イイ アルパカだね」


ビックリするかと、期待したが

グレゴリウスは、平然としている。


「うれしいわ

よろしくね」


あからさまに、ニコニコしている

アルパカ。


「よろしく」


爽やかな グレゴリウス


「そして こいつは

同い年の ケイコ」


あえて、転生者とは 言わないでおく。


「よろしく

イケメンね あなた」


ケイコも、イケメンが好きらしい。


「ありがとう

よろしくー」


ウインクする グレゴリウス


「試合してる時

棒のように 細いなって見てたけど

けっこう 筋肉あるのね」


ミテオナーが、グレゴリウスの腕を

ペタペタさわる。


「そりゃあ そうさ

聖弓は 軽量設計だけど

マスタークラスじゃあないと

まともに 引くことも出来やしない」


ユニコーンの角の弓って

引きにくいみたい。


「そうなのね

すごく 鍛えているから

あんな芸当が 出来るのね」


あの、弓矢の効力は 絶大だ。


「そうだよ 日々の鍛錬の

たまものさ

夜の運動もね」


チカラこぶを、見せる グレゴリウス


「すごーい」


目が、ハートになる 双子。


「グレゴリウスさんって

なんだか話しやすいですね」


めっちゃイイ人だ。


「そうだろう

アニキって 呼んでイイんだぜ」


右手を、ヒラッと上げる グレゴリウス


「グレゴリウス兄さん !!」


思わず、言ってしまう。


「おう

一緒に 花街へ 行こうぜ」


サムアップする グレゴリウス


「はいっ」


グレゴリウスの手を、思わず

握ってしまう。


「グレゴリウスさんは

もう 夕食は 食べたのですか ??」


お腹が減った ミテオナー


「おう これから 食べるところだよ

一緒に どうだい ??」


さっそく、誘ってくれる グレゴリウス


「ちょっと この町は

不案内だから 助かります」


毎年、一気に村まで行く 双子。


「うんうん

あそこに うまい肉料理の 店があって

時々 食べに来るんだ」


店が、軒を並べているところを

指差す グレゴリウス


「そうなの ??」


うれしそうな アルパカ


「ああ

そこに 行こうぜ」


手招きして、歩きだす グレゴリウス


「どう?みんな 行こう !

行くでしょ ??」


ノリノリな ミテオナー


「もちろん 行きたいですけど

あのー」


気になることが、あるんだ。


「どうした ケンイチロウ少年 ??」


振り返る グレゴリウス


「虫の 料理とか

出ないところですか ??」


それは、絶対に確認しなくては

いけない。


「あっ ワタシも 気になる」


ミテオナーも、聞く。


「ウチも」


ミネルアーも、気になっていた。


「大丈夫

オレ 虫料理とか 大っキライだから」


ヘラヘラしながら言う グレゴリウス


「それなら 安心したわ」


ホッとする、パーティーのメンバー。


「早く 行きましょ」


グレゴリウスの側の女が

せかすように、言う。


「おう こっちだ」


グレゴリウスを 先頭に

ゾロゾロと、歩いて行く。


「楽しみだなぁ」


グレゴリウスと、一緒にいる女の

お尻が、プリッとしているので

ぼんやり見る。


「どんな お肉なんですか ??」


グレゴリウスに、メニューを

簡単に聞く ミテオナー


「牛が メインで

渓谷で捕れる鳥とかだよ」


ここには、広い放牧地が あって

おいしい お肉が自慢らしい。


「それは 楽しみです」

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