第17話
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「大人しく してりゃあ
命までは 取らねえ
さあ 持ってるモノ
出しな」
バンダナを着けた、盗賊たちが
ゾロゾロと、出て来る。
中には、剣士から 奪ったであろう
ロングソードを、持つ者もいる。
「ひぁーっ お助けを !!」
運転手が、悲鳴をあげて
今にも、逃げ出しそうだ。
「大丈夫だから
こんな ヤツらになんか 負けない」
すごく、強気な ミテオナー
「ハア~?
聞こえてんぞ このアマ !!」
馬車の、横にいる 男が
ロングソードを 抜く。
「ざっと 5~6人
ワタシたちを 襲うには
少ない人数ね」
立ち上がる ミテオナー
「うるせえ
抵抗するなら ヤるぜぇぇ」
身構える 盗賊たち。
剣を抜く。
「さぁ 出来るもんなら
やってみなさい」
アルパカが、地面に2回
タップすると、地面に 魔法陣が
あらわれて、ミテオナーが
輝きだす。
「うぉっ
まぶしいッ」
まばゆさで、目を 覆う 盗賊たち。
「ビームアロー」
ミテオナーの手に、光の弓矢が
出現して、弓を引く。
シューーン
一瞬の、フラッシュ。
「うぎゃあーーー」
あたりに、肉のコゲたニオイが
充満する。
「おい どうした
どうなってやがるッ」
どうなったか、なにが起きたか
よく見えない 盗賊たち。
「ぎょえーーい」
ただただ、悲鳴と 肉のコゲた
ニオイが、ただよう。
「なんだ まぶしすぎて
なにが 起きているんだ」
うろたえる 盗賊たち。
「ぎゃひーーム」
また、1人 やられたようだ。
「おい やっと 目がなれたぜ
おい お前ら 無事か・・・
えっ」
そこには、焼けた鉄の拳が
貫通したような、穴の空いた
死体が、転がっている。
「ひっ」
言葉を、失う 盗賊たち。
と、ケイコも ビックリして
クチを、あけたままだ。
「すごいや
ボクも やってやるぞー」
立ち上がって、ポケットから
ジュレルを、取り出すと
「えーっと なんだっけ
いでよ われのめいに 従え
放電竜 ライデン」
高らかに、宣言する。
「ちょっと待って」
アルパカが、制止するけど
遅いよね。
ゴロゴロゴロ
にわかに、空が黒く曇り
渦を巻くと
バシューン
中心の、空が晴れて ライデンが
飛来する。
グルルル・・・
ボクたちの、すぐ上を
羽ばたく ライデン
「ひえ
こいつが 目的の竜」
「あーっ
なんで 今 出しちゃうの!
もおーッ !!」
怒りだす、ミテオナーの
輝きが、消えていく。
「ひあ」
初めてライデンを見た、ケイコが
悲鳴を、あげる。
「うわ ごめんなさぃ」
もう、めちゃくちゃ。
「イイの
それより あんたたち
なんで この竜のことを
知ってたのよ ??」
それが、気になるよね。
「ジュレルを 持った少年が
通りかかるから 奪えと
そう 言われたんだ」
どうやら、誰かの指示らしい。
「そう
それは どこの どいつよ ??」
そんな命令を出した、元を
断たないと。
「それは 言えねえ」
うつむいて、隠す 盗賊たち。
「なんでよ
あなたも 焼かれたいの ??」
指差す ミテオナー
「クチにした時点で
オレたちの命は ねえのさ」
かなり、手強いヤツに
雇われているみたい。
「そう 残念だけど
あなたたちには 死んでもらう」
さらに、脅す ミテオナーだけど。
「ははは」
突然、笑いだす 盗賊。
「なにが おかしいの ??」
くやしい表情を、隠しきれない
ミテオナー
「どうやら さっきの攻撃
使えないみたいだな ??」
見抜いた 盗賊。
「・・・」
返事しない ミテオナー
「竜も 攻撃は してこねぇ
まだ 完全な コントロール下に
ねえってことさね」
首を、すくめる 盗賊。
「グッ・・・」
とても、重要な弱点を
さらしてしまう パーティー
「さあ
形勢は 逆転した !!
おとなしく ジュレルを わたせ」
さっきまで、うろたえていたのに
威勢を、取り戻す 盗賊たち。
「だめよ !!
渡したら・・・」
ミテオナーが、そう言うと
「うるせえ だまっとけ」
ミテオナーの、お腹を殴る 盗賊。
「クッ」
馬車の、荷台に うずくまる ミテオナー
「ワタシが 引き付ける
そのうちに ケンイチロウは
逃げて」
ジッとしていた、ケイコが
立ち上がって、言う。
「えっ ケイコちゃん ??」
すごい、かっこいいけど
大丈夫なのかな ??
「はーーっ」
跳躍する ケイコ
「大人しく
グヘッ」
盗賊に、めり込む拳。
「おい なにしや
グホッ」
目で、追うのが やっとの素早さ。
「こいつ
速いな」
剣を、振り上げる 盗賊の 男。
「オラッ」
ガシュ
ロングソードを振ったら、馬車の
荷台に、刺さって 抜けない 盗賊。
「しまっ・・・」
馬車に、足をかけ 抜こうとするが
抜けない。
「グフィーッ」
その間に、盗賊を殴り倒す ケイコ
「まだ やるの !?」
拳を、前に 突き出す ケイコ
「ヒィ
まだ 強いやついたぁーッ」
あきらかに、動揺する 盗賊たち。
「にっ
逃げろーッ」
一目散に、走って行く。
「あー 逃がしちゃうんだー」
片目を、つむる ミテオナー
「はい 被害は ないので」
ニコッと、笑う ケイコ
「ふーん」
自分の、腹を さする ミテオナー
「ハァハァハァ」
森の中へと、逃げ込んだ 盗賊だが
「お前たち」
木の陰から、女が出て来る。
顔は、暗くて まだ わからない。
「ハァ ウッグ・・・
マーブルさま・・・」
その女は、マーブルという名前
らしい。
「お前たち
ま・さ・か・手ぶらで
帰って 来てないわよね ??」
この女、マーブルが 盗賊に
指示していた。
「もーしわけ ございませんでしたー」
「もーしわけ ございませんでしたー」
「フフフ」
静かに、右手を かざす マーブル
「ギャアーー
お助けゥゥゥゥオオオ」
黒い炎が、出現して
生きたまま、焼かれる 盗賊たち。
ゴーーーッ
真っ黒になり、ピクリとも
動かない 盗賊たち。
「あーッ
早く あのドラゴン欲しいなー」
胸に、手を当てて 鼓動を静める
マーブル
「・・・ッ
なに ??」
まがまがしい気配に、硬直する
ミテオナー
「どうしたんですか
ミテオナーさん ??」
あきらかな変化に、ドキッとする。
「今 イヤな 予感がして・・・」
心臓の、拍動が 早くなる ミテオナー
「姉さんも ??」
アルパカも、同様に反応している。
「うん
早く ドラゴンを ポケットに
しまって ちょうだい」
羽ばたきながら、静止している
放電竜 ライデン
「・・・実はその」
なかなか、言えない。
「どうしたの?
モジモジしちゃって ??」
体に、異常があるのか
くまなく見る ミテオナー
「出すところは 見たんだけど
しまうところを
見てないっていうか・・・」
出ちゃってるのを、どうやって
しぼませるのか、教えて欲しいよ。
「あ゛ー
戻れ的なこと 言ってれば
どれか 当たるでしょ」
顔の横で、サムアップして
ウインクする ミテオナー
「そんな 宝くじみたいな」
そんな、何十回も 言ってたら
声が、出なくなっちゃうよ。
「ちゃんと テイムせずに
出す方が 悪いのよ」
苦笑いする ミテオナー
「そういうのって
早めに言うことって
出来ないの ??」
どうも、後手だよね。
「ワタシだって 一生懸命に・・・
もう イイから 呪文 !」
「うん・・・
戻れ ライデン」
プシッ
フォーーーー
「わっ
一発で 戻った・・・」
もう、なんのギャグだよ。
「やったじゃん!
次 そいつ 出す時には
一言 こっちに言ってからに
してね」
やんわりと、イヤミを言う ミテオナー
「うん そうするよ」
なんだか、自分の持ち物なのに
そうじゃないみたい。
「いゃあ
お客さん 強いんだねぇ」
運転手の 男が、感嘆の声をあげる。
「いえ それほどでも」
ほめられて、鼻高々の ミテオナー
「やっぱり 討伐隊に 入りたい人は
一味違うよねぇ」
ウンウンと、うなずく 運転手。
「アハッ
そうでしょ」
座ったまま、腰に手を置く
ミテオナー
「うん 乗せた時 最初は
試合の 見学ツアーかと思ったが」
ほほえむ 運転手。
「うーん
プレイヤーには 見えないかぁ」
ガクッとなる ミテオナー
みんなで、笑う。
「気分を 害したなら
ゴメンねぇ」
あやまる 運転手。
「あっ イイの 全然」
ニコッと、笑う ミテオナー
「ついでに言うと
村に着くのが 深夜になるかもね」
苦笑いする 運転手。
「ゲッ !
それは マズいわね」
とほほな表情の ミテオナー
「途中 どこか
食事の 出来るところは
ないですか ??」
そうボクが言うと
「そうよね」
同調する ミテオナー
「それなら 手前の 町に
一旦 寄るかい ??」
提案してくれる 運転手。
「うん そうさせてもらうわ」
手を、合わせる ミテオナー
「よーし
わかった」
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