第13話 社会人1年目④

辞めることを決めたが、なかなかすぐに行動にはうつせないのが私のだめなところで…


土下座事件の後、私はめちゃくちゃ体調を崩した。

でも実家に住んでいたため、会社を休むと親に今の状態がバレるのが嫌で、休まず会社に行っていた。

(この頃の私は会社を辞めようとしてるのに、親にバレるのを恐れているという矛盾に気がついていない…)


泣きながら出勤して、業務中は手に力が入らず何度も何度もペンを落とした。

誰も話しかけて来ないが、私に対する陰口は止まらなかった。


ついには駅のベンチから動けなくなり、

「ベンチから立てないので休みます」

と上司に電話すると

「あ〜…(察し)」

という返しがくるくらいには見た目にも精神的ストレスが滲み出ていたのだろう。


そして親に泣きながら仕事を辞めたい旨を伝え、やっと辞表を書き、上司に提出した。

その時、上司から言われた言葉が今でも忘れられない。


「俺も娘がいるんだけどね。

君みたいな扱い会社で受けてたら即刻辞めさせるわ。」


は?????

いや、そう思ってたならちょっとは助けてくれよ……

慰めの言葉のつもりで言ってるなら頭がおかしすぎる…


と頭フル回転で上司の悪口を心の中で叫びまくったのも含めて、忘れられない辞表提出イベントとなった。


そんなこんなで、4月に入社して12月末で退職。

大抵の人は一生に一度しかない新卒、せっかくの正社員、せめて1年は頑張れと思うだろう。

私と同じ状況でも我慢できる人はたくさんいる。

でも私の精神は崩壊寸前だった。

心は壊れたら元も子もない。


たまにこの時のことは寝る前やふとした時にフラッシュバックする。

しかし「嫌な思い出」くらいのレベルで終わってるので、本当にこの時辞めてよかったと思っている。


持病があって新卒で入社した会社を1年未満で退職した時は、

さすがに人生詰んだと思った。

しかし私は今でも元気に生きている。(持病は治らないけど…)


身体も、心も、

守れるのは自分だけ。


このことを実感できたので、

あの会社に入社してよかったと思うことにしている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る