第4話 入院生活③

入院生活が長くなるにつれて、

だんだんと自分の病気について理解してきた。


・直射日光に当たってはいけない

・苦い薬を毎朝飲まなければいけない

・基本的に血液検査をしないと病状の良し悪しはわからない

・免疫力が人より低いため感染症にかかりやすく重篤化しやすい

・寛解はあるが完治させることは現代の医学ではできない…などなど


ステロイドを増やしてもあまり効果がなかったので、点滴で大量にステロイドを入れる治療も行った。

そのおかげで、少し体調は回復していった。


しかしステロイドを大量に体内に入れて、副作用がないわけがなく…


顔がパンパンになったり(ムーンフェイスと呼ばれている)、

増毛したり(脱毛の場合もあるが、私は増毛の方だった)、

過食になったりした。


しかし見た目が急激に変わっても、不思議と悲観的にはならなかった。

もともと身なりを気にするタイプではなかったのもあるが、多分、家族が私の見た目にマイナスな意見を言わなかったのが大きかったんだと思う。


大人になって世界が広がっても、家族が悲しいときに温かく包んでくれた記憶は今でも私を支えている。


少食だった私は薬の副作用で大食いになり、どんどん太っていった。

また、病気のせいでガザガサだった肌も、薬が効いてきたのがツヤツヤになった。

結果、見た目は健康そのものなプクプクのツヤツヤな少女が出来上がった。


その見た目で毎日せっせと院内学級に通い、運動不足解消のためリハビリにも通った。

看護師さんともできるだけ明るく話し、暇があったら院内をうろついたりして情報収集をしていた。

何も知らない人がこの姿を見て、

難病患者だとは思わないだろう。


そして夏休みの時期なので学校に行かずに家で様子を見れる、という理由で予定より1ヶ月早く退院できることになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る