研究所への道・すぐそこなんかい

「なあSTAR『T』、研究所ってどんぐらいここから離れてるの?」

「え? ああ、すぐそこだよ。ここから100mもないね」

「近すぎだろ。なんで今まで行ったことなかったんだろう」


 戦った(?)場所から少し歩きながら僕は話していた。あたりを見回しても森があるだけで、研究所がそんなに近くにあるなんて信じられないな。

 そんなことを思っていると、急に目の前に何かが構築されていくような錯覚が見え、研究所が目の前に現れた。


「うわ! びっくりした。なんだよこれ」

「この研究所は最先端の技術を使っててね、近くに来ないと見えないようになってるんだ」

「すげえ技術だな」


 僕たちは研究所の中に入った。


 ***


 中に入ると特に人気は感じられず、資料が色々床に落ちていた。あたりには僕たちの足音だけが響き、世界と切り離されているように感じた。


「なあSTAR『T』、何もいないな」

「いや? いるぞ。よく耳を澄ませ」

「いないって。……なんも聞こえないし」

「そうか。俺は耳がいいから聞こえるんだ。奥に何者かがいる」

「進むか」

「おう」


 僕たちは奥に足を進めた。壁を一枚、二枚、三枚とくぐり抜けて、最後の部屋へとたどり着いた。そこにはSTAR「T」が言った通り、何者かがいた。そこには二足歩行の靴を履いた鳥のような、なんというか……そんな奴がいた。そいつはこっちを見ると同時に向かってきて、襲ってきた。STAR「T」との対戦の経験があったからうまくよけることに成功した。


「おい! お前何をする!」

「この部外者が! かってにはいってくるんじゃねえよ」

「ごめんそれは謝るから」


 彼はそれでも襲ってくる。僕は火の神と戦う時のシュミレーションがてら、対抗することにした――。

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