第49話 最終戦争と追憶のコーニッシュ(8)

 私は猫神様と二匹で公園上空にいる。自分の身体が光り輝いていた。


「猫神様」「姫様」「猫神様が復活された!」「姫様も光っておられるぞ!」


 公園中の猫が上を見て、騒いでいる。

 そのうち一匹、また一匹とひざまずき、私たちを含む倒れている猫以外はひれ伏して仰ぎ見る格好となった。


「猫たちよ!すべての猫たちよ。我はここに復活した」


 オオオオオッと唸るような吠えるような鳴き声が公園中に響く。


 猫神様は次に杖を一閃する。


 ゴゴゴゴッと轟音がしたと思ったら、赤い光の粒が夜空から無数に振ってきた。


「?!」


 次の瞬間、赤い光は地面に激突し、ドン!ドン!と爆発して穴を開ける。


 猫神様、何やってんの?猫たちには当たっていないが、みんな腰を抜かすようにしゃがみ込んでいる。


 さらに猫神様はシッポをフワリフワリと振る。今度は白い光が湧き上がり、公園の大きさとなって地面に吸い込まれていく。地面が元に戻っていた。


「ふん。まあまあの調子じゃな」


 猫神様はつまり、復活のデモンストレーションをやったみたいだ。近所迷惑な。


「すべての猫よ。我に従うべし。異議あるものはここより去れ」


 その場を一匹も動かない。恐れと憧れの交じった目で私と猫神様を見上げている。


「新たな掟を託宣たくせんする。これより猫同士のいさかいを禁ず。家猫も野良猫も争うべからず、助け合うのだ。助け合ってこの街で生きていくのだ」


 猫神様はそう言うと私を見た。

「フールや。これでいいかね?」


 私は何も言えずに、とりあえず頷いた。


「姫様!」「猫の姫様!」「姫様、万歳!」


 猫の声が歌のように公園に響いた。


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