第41話 民衆の解放とラムキンの陰謀(6)

EXTRA 「世界の中心はボッツ様が中心であるのである」


 私はモネという名前のこの世で2番目に高貴な猫である。

 一番は当然、「新しい猫神様」であるところのボッツ様であるのだ。


 ボッツ様の最側近としてボッツ様外出の際には常に近くにはべるようにしておるが、最近はボッツ様の様子がおかしい。いや、神であるところのボッツ様であるから、おかしいのではなく今も進化されているに違いない。先日の南の森では何故かボッツ様に裏拳を当てられて鼻血をブワッと出した私だが、これもボッツ様の思し召し、むしろありがたいことだと思わなくてはだ。



「モネ」


「はいいいいいいっ!」


「フールを連れてこい」


「はっ!今度こそ!」


「…」


「あのようなチビ猫、一度袋だたきにして、それからボッツ様の御前にお供えしますので!」


 ガシッ!


「ギャアア!す、すみません。あ、また鼻血が」


「フールに指一本触れるな」


「しかし、指一本触れずに、連れてくるというのは…」


 ベシッ!


「ウギャアアアッ!おおおお、口から血が。口の中を切りましたぁ」




 致し方あるまい。フールをだましてどこかへ呼び出す。そしてそこへボッツ様をご案内申し上げると…そういう作戦を立てることにしよう。


 それにしても他の猫たち、ちょっと前までは「三本柱」などと言われていい気になっていた猫たちがまったく姿を見せないのには腹が立つ。


 ルノーもミケも引きこもり、いや、あの馬鹿力のレオはホゴセンター行きだったっけな。飼い主のいうことあんまり聞かないから迎えがないらしい…ワハハハハ、愉快愉快。



 うん?何だ?そういえばホゴセンターの方が騒がしいな。何の騒ぎだ?


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