第37話  3P


「さて弁明はあるかな?葵君?」


「なんか言うことあるよねー? あーおー?」


 目の前には端正な顔をきっと、きつくした2人の顔。


「…………お、お綺麗ですねおふたりとも」


「「はぁ??」」


 なんか違った。

 いやまぁ違うとは思ったんですけどね?


 でもまずは謝る前におだてて機嫌よくしてから、と思っただけでですね。

 でもめっちゃ外したらしい。


「誠に申し訳ございませんでした!!!」


 潔く謝る。

 もう時刻は14時。

 集合時刻は13時。


 普通に1時間遅刻した。理由ではないけど起きれませんでした。



「「それで??」」



 やっぱ相性ピッタリなんじゃないですかね。

 お2人とも。



「つきましては、お2人にお詫びというかお気持ちというか、何かご馳走様させて頂ければと思うのですが……よろしいでしょうか」


「……どうする空ちゃん?」


「……どうしましょう夢先輩?」


 うーんと二人でひとしきり悩み、同時に、


 「「スタバで!」」


 二人してちゃんといいラインの高いところ選ぶじゃん。

 なんというか、俺が払えそうな絶妙なライン。


 …………これでバッグとか言われたら絶対に拒否するんあだけどなぁ。


 池袋のただでさえおしゃれな街でもっとお洒落な奴しか集まらないスタバに入る。

 いやだ。

 店はリラックスした印象のBGMがかかっていて、昼過ぎということもあり店はまばらに混んでいる。

 運よく、というか(俺が空いた席を指示されて全力で勝ち取ったわけだけど)。まぁ結果的に座れた。


 「何飲むかきめてるー?」


 「なやんでますね~、新作のサクラフラペもいいですし、いつも通りのやつを頼んでもいいですし!」


 「オッケー、じゃ私いつものやつにするから、空ちゃん新作たのみなよー、呑み合いっこしよ??」


 「「の、のみあいっこ……」」


 お互いにゴクリ。

 ってちょっと待って、なんで空もごくりとしてるの?

 おっさんいない?


 「い、いいんですか???」


 はぁはぁと荒い息を醸し出す空。

 あやしいあやしい、あともう少しでレジだからそのオッサン感隠してくれ。


 「私はぜんぜんいいよー?逆に私がいいの?って感じ! あ、勘違いしないでほしいけど誰にでもするわけじゃないから!軽い女じゃないよ?空ちゃんにだけだよ?そこだけ誤解なきよう!」


 「きゅん」


 「また一人マドンナの犠牲者が出た、と」


 あはは。と笑っていると一ノ瀬さんの番が来てすぐに魔法のような呪文を頼む。


 「ツーアイストリプルグランデエキストラソースキャラメルマキアートでお願いしまーす」


 ふっ、何言ってるかわからない。 

 続いて空が、

 

 「ノンクラシックバニラティーラテで」


 オマエもそっち側か。というか何言ってるか分かんない。

 でも俺も大学生。このぐらい余裕よ。


 「アイスコーヒーで」


 これも魔法のワード。

 コーヒーない店なんてないからね。知ってた?スタバってコーヒーの店なんだよ??


 「絶対あおわかんないからコーヒーにしたでしょ?」


 「葵君頼むから初めてあった時みたいにジョブスよーふってこい!とか、コーヒー飲みながら言わないでね?」


 一ノ瀬さんは一体俺をなんだと思っているのか。


 「おれそんな変人みたいなことしませんよ??」


 「あ、葵君テスト期間の事なかったことにしてる?!」


 「あぁ、あれはテスト期間中のこと何で。人が違いますよ?」


 当然だよね、とばかりに笑顔で返す。


 「こ、こわぁ。試合中のことを試合外で持ち出すのは反則、マナー違反だよ?みたいなかおしてるー」


 「夢先輩、あおはそういうこと平気でやってきますよ?都合の悪い事忘れますからこいつ」


 なんか空が夢先輩の舎弟みたいな立ち位置になってるんだけど?


 「だから忘れないようにい言い続けないといけないです!あいつの黒歴史を」


 「わかった!一生葵君の事、何もできないジョブスって、挨拶の時に呼ぶことにするね!」


 「すいません、それはちょっと勘弁してほしいっていうか……」


 何もできないジョブスってただの意地悪いおじさんじゃん。

 もう最悪だよ。


 「じゃ、そろそろ水族館いこっか?」

 

 「そうですねー、美味しいイワシの群れとかみたいですねー」


 「あー確かに!」


 「無視しないで……というか食べに行こうとしないで食べれないから!」


 もう色気の欠片もない回答じゃん、空。

 だから彼氏とか出来ないんじゃないかな??


 ……まぁそんなことは直接言えないんですけど、言ったら殺されそうなので。

 あとで何を要求されても嫌だし。


 いざ水族館に入館するとすごい、もう最初っからすごい。

 なんか知識がないからなんとも言えないけど、色とりどりの魚がいて色鮮やかできれい。沖縄の海っぽいっていうかなんというか。

 マンタとかもいて、めっちゃ綺麗で幻想的。


 「ちょっとあおーおそーい」


 って二人してもう先行ってる?! ちゃんと見てる?!


 「うわ、亀いるめっちゃいる!二人ともすごくない??」


 「え、葵君が意外にめっちゃ目キラキラしてるんだけど意外。こういうところ、何が楽しいかわからないって言いそうなタイプなのに」


 「そういえばあおこういうところ案外好きでしたね……実は」

 

 「うわこっちにも綺麗な魚いる、なにかわかんないけど!」


 やばい、水族館おもろい!!

 水槽の横には説明文も書いてあるし、結構豆知識あって面白いなこういうの。


 水槽の立地も全部海底っぽくなってるのか、魚にストレスかからないようにかな?


 「……あれ葵君私たちの事忘れて楽しんでない?なんか」


 「忘れてますね、なんかふらふらと進んだり止まったりしていますし」


 うわ、こっちには海月もいるじゃんめっちゃ幻想的。

 しかも水槽が天井にもあるから海に自分がいる感覚になる。


 「え、写真とか撮る?!というか撮った方いいよね、え、撮って大丈夫かな?こんなすごい景色100万ドルくらいするんじゃないかな?」


 「……いやそんなしないし、入館料2000円だし、大丈夫だとおもうよー、なんなら撮ってあげようか?」


 「えありがと!じゃよろしく!」


 ちょっと興奮しちゃうなぁー!


 「私と写真撮るより海月の方が興奮してるとかある?!」


 「夢先輩……なんかすいませんあおが」


 「ほんと少年みたいだね」


 なんか二人が苦笑してるけど、とりあえず写真撮ってほしいなぁ。


 「まだぁ??」


 「はいはい。あ、葵君私とも撮るよね?」


 え、先輩と?それより海月とか……


 「えー……もちろんですよ!」


 全力笑顔。

 あっぶねぇ……先輩となぜか空からぎろっとした目を向けられた。

 無事、写真も撮り。


 「……空ちゃんは葵君と写真とらなくていい?」


 なんで空が俺と取るんですか。


 「ッ……いえ大丈夫ですよ?……それより私は先輩と撮りたいな~」


 「ふーん……私でいいなら全然?じゃ葵君写真撮って~」


 「はーい」


 二人が並んで写真撮る。

 二人とも笑顔で顔を寄せ合うようにピース。


 絵になるねぇ……うんうん。

 にしても、顔ちっかいな?!


 何枚か写真撮って、あと海月ともとって。

 そのあとも、トドとかペンギンとかひとしきりみた。


 全部すごい。

 もう興奮しっぱなしだった。なんで俺は今までこんなに素晴らしいところに来なかったんだ。 

 

 「じゃちょっと休憩しない?ちょど良いトコロ知ってるんだぁ」


 きゅ、休憩?!

 なんですか一ノ瀬さんその心ひかれる言葉は。

 

 ……なんかエッチじゃないかな。

 まだ昼間なんですけど?!

 

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 出張とかで死んでた!また更新してくよん!


 そういえば誰かファンアートなんてくれたり、、、しないよね?笑


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