#41 クリスマス・スペシャル!リスナー参加型ゲーム開催

 現世では、LEDの装飾が街に輝き、クリスマスソングが流れる。恋のある人は心を躍らせ、愛ある人は心を熱くする。残念ながら、恋も愛も持ち合わせていない人は、ただ呆然と去る時を見守る。


 サイバー空間に初めて訪れたクリスマス。恋する人や愛する人を、現世に置いてきた人達にとって、新しく出会ったニュースピリチュアルの人達と、楽しく過ごす。そんな気分で浮き足立っていた。もっとも、重力を無視して飛ぶことのできる彼女たちにとって、足は最初か地に着いていないのかも知れない。




ニュースピリチュアル●ライブ


☆ラリィ=ル・レロ「クリパだー!」

☆ちゃとら千尋「メリークリスマス!」

春花はるか夏海なつみ秋月あきつき冬雪ふゆみ「メリークリスマス」

☆可愛美鈴「メリクリで~す」

☆水色あさがお「メリークリスマス」

☆さくまどろっぷ「クリスマスなんて久しぶりね」

☆ピュアウイッチ・ピンク「メリークリスマス」

PIRピア「メリークリスマス」

☆タコさんウインナー「みんなメリークリスマス! 今日はリスナー参加型ステージを用意したぞ」


☆ラリィ=ル・レロ「今回は、リスナーにも参加してもらうよ♪」

☆タコさんウインナー「今まで創ったステージをクリスマス仕様に改変して、視聴者が参加しやすいゲームバランスしたよん」

☆春花「どうやって参加するの?」

☆タコさんウインナー「ゴーグル装着して、指定のサーバーにアクセスしてください。ステージは三つ。『バギーレース・クリスマスVer』、『魔王側と勇者側に別れてバトル』、『離島で宝探しゲーム対決』」

☆ちゃとら千尋「すっごーい! 今まで造ったステージをリスナーが体感できるんですね!」

☆春花「ちゃとらちゃんは初めてだよね」

☆ちゃとら千尋「はい! 楽しみです」


☆タコさんウインナー「このゲームはリスナー参加型です。ゴーグルを装着してログインすれば、俺たちと同じ視線でゲームを体感できます」

☆ちゃとら千尋「みんな参加してね~」




ちゃとら千尋●ライブ


「…」


 『きた』

 『ちゃとらー』

 『ちゃとら』

 『ちょとら』


「…」


 『お』

 『はじまらない』

 『待機』


「ごめんなさい。はじめての共同配信で設定にてまどりました。みんなー! ちゃとら!」


 『ちゃとらー』

 『ちゃとら』

 『ちゃとら』


「私が挑戦するのは、『魔王VS勇者 異世界VTuber対決!』です。ところでみなさん、この部屋、見覚えありませんか?」


 『異世界?』

 『異世界の部屋』


「そうです! 異世界に私専用の部屋を造りました。やっぱり転生といえば異世界ですから」


 『おう』

 『ですね』

 『異世界ばっかりです』


「『魔王VS勇者 異世界VTuber対決!』は、タコさんウインナーさんとラリィ=ル・レロさんが魔王側。私とみなさんが勇者側です。もちろん、魔王側についてもOK。今から参加者を募ります。みなさん、ヘッドセットは付けましたか? このゲームは360度フルCGメタバースで行われます。サーバーのURLは概要欄からゲームに入って、今から、パスワードを発表するので、ログイン、よろしく!」




さくまどろっぷ●ライブ


「こちらは春花ちゃん、PIRと一緒に『バギーレース』です。参加にはヘッドセット必須になります。URLは概要欄をご覧下さい。360度フルCGメタバースで繰り広げられる、バギーレース。血湧き肉躍りますね? 春花ちゃん」

「まあ、血湧き肉躍るかどうかはわかりませんが、がんばります」

「私も車の運転を学習しました」


 『さっそくログインしました』

 『バギーがカスタマイズできるのか?』

 『おら早く走りてーぞ』


「続々と参加者が集まってますね」

「良いわね。私のドライビングテクニックで翻弄してあげる」




ピュアウイッチ・ピンク●ライブ


「こっちは『宝探しゲーム』をします」

「可愛美鈴と」

「水色あさがおが一緒だよ」

「ヘッドセットは付けてください。メタバースに人が集まったら、ゲームを始めます」




 三つの世界に、参加者が集まる。


☆ちゃとら「良いですね」

☆さくまどろっぷ「そろそろやりますか」

☆ピュアウイッチ・ピンク「ゲームスタートです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る