#24 レースは熱波の砂漠から凍てつく氷山へ
ピュアウイッチ・ピンク●ライブ
「春花&PIRペア。まさかの転倒」
『転がった』
『転げ落ちた』
『春花視点の回転する映像すこ』
さくまどろっぷは、オアシスに到着した。オアシスの上には『↓』のアイコンが光っている。
「飛び込めってこと?」
さくまどろっぷのバギーは、緑に囲まれた泉へ飛び込んだ。
飛び込んだ先は、氷山の切り立つ、凍った道だった。バギーはスピンしてクルクルと回って操作不能になる。
「いいじゃない。そうこなくっちゃ」
「大変なことになりました。砂漠のオアシスに飛び込んだ先は、氷山の世界でした!」
『砂漠から氷山とか無理ゲー』
『急に冷えてきたな』
『砂漠も夜は寒いぞ』
「一方、砂丘の下に転がれ落ちた、春花&PIRペアを、虹色あさがおと可愛美鈴が追い抜いて行った」
最下位に転落した春花は、バギーを起こして砂丘を駆け上がる。
氷山の道でさくまどろっぷは苦戦していた。ハンドルが効かない。ブレーキが効かない。バギーは、グルグル回りながら道を走っている。
そこに、『スタッドレスタイヤ』のアイコンが目に入る。
「あれだ!」
滑るバギーを巧みに操作して、アイコンをゲットする。バギーは急に言うことを効くようになった。
「ふう」
砂漠地帯では、水色あさがおと可愛美麗が、次々とオアシスの泉へ飛び込んで行く。
「春花さん、だいぶ遅れてます」
「わかってるわよ」
遅れて春花バギーも、泉へ飛び込む。
「4台のバギーは、全て氷山地帯へ入りました。ピンクさん、レースの行方はどうなると思いますか?」
「速い人が勝つと思います」
「ごもっともなご意見、ありがとうございました」
『草』
『草w』
『ピンクさまごもっと』
氷山地帯に現れた可愛美鈴。
「さむーい!」
美麗より少し遅れて水色あさがお。
「JKだったんで運転免許持ってません。初めてアクセルとかブレーキとかハンドルとか操作してます。それより寒い! 凍える!」
砂漠地帯から一転。滑りまくる氷山地帯に入った、
「さむーい!」
「寒いですね」
「息が凍る」
一本の狭い道が上下左右に大きく振れて、道をそれると横転したり、スリップしたり。渓谷沿いの道で、とうとう谷底へ落ちた。
「あぁぁぁぁ~」
失敗すると、失敗した場所へリスポーンするが、大きくタイムロスする。
「クソ!」
「はしたないですよ」
「寒くて手足が動かない」
「大丈夫です。この世界に凍死という概念はありません」
「こんなことなら、死んだ方がマシよ!」
先頭を走っているさくまどろっぷに、氷山から雪崩が襲いかかる。
「なに!?」
加速して、雪崩に巻き込まれるより速く、走り抜けるしかない。さくまどろっぷはアクセルを踏み込むが、スピードが増すとバギーが滑る。
「くそ!」
春花もスタッドレスタイヤをゲットし、体勢を整える。その前で、美麗とあさがおのバギーが雪崩に巻き込まれ、谷底へ落ちて行った。
「あー!」
「きゃーーーー!」
美麗とあさがおがリスポーンする間に、春花が雪崩を回避して2位におどりでる。
氷山地帯の先に、洞窟がある。
「あれが次の地帯ね」
さくまどろっぷが、その洞窟に入る。
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