#18 メタリック・ボディの新人登場

春花はるか夏海なつみ秋月あきつき冬雪ふゆき●ライブ


「というわけで、バグだらけのクソゲーでした」


 『笑』

 『wwww』

 『ワロタ』


「デバッグはちゃんとしないとダメだね」


 『せやな』

 『それなりに楽しめた』

 『閉じ込められているときの春花最高』

 『ハアハア』


「楽しんでいただけたのなら幸いです。あの動画を配信したかいがありました」


 『普通配信しないよな』

 『裏側だからな』


「あたしたちはサイバー空間の中から出られないので、他のライバーさんみたいに、現実世界の体験を披露できないから、ネタは全力で放り投げないと」


 『ネタは投げ捨てるモノ』

 『とかいって、ホントは現実の世界で動いているんでしょう』


「リアルでVTuberに転生したんだよなあ。信じてもらえないかもだけど」


 『生前は同人作家だもんな』

 『しかも壁』

 『サークル名だけ教えて欲しい』


「それはできません」


 『チッ』


「これからデバッグなんですよ」


 『あのゲームの』

 『タコさんウインナーに丸投げで』


「プログラマーはバグに気がつかないんだって。やっぱりテストプレイって大事らしい」


 『そりゃな』

 『あとからバージョンアップすればいい』


「デバッグ済んだら、生配信するよ」


 『マジか!?』

 『それは楽しみ』




ピュアウイッチ・ピンク●ライブ


「神器、取った」


 『おめ』

 『おめでとう』

 『がんばった』


「がんばりました」


 『よくやった』

 『海のアレは見付けづらい』


「でも、パスワードはわからなかった」


 『ゆうれい』

 『ゆうれい』

 『ゆうれいだよ』


「なんで?」


 『ヒントの、木と水と砂と岩は、森にあったパネルの文字』

 『水はピンクちゃんが行った孤島にあった文字』

 『砂は、砂浜にあった文字』

 『岩は、岩山にあった文字』

 『その文字を並べると、ゆうれい』


「お~。そうだったのか」


 『あのヒント、全部見つけるのは、たいへんだよ』

 『マップをくまなく探さないと無理』

 『もっとゲームバランスを整えた方が良いな』


「そうだ。あの後、みんなでデバッグしたんだけど、その時に、新人さんが来た」


 『新人?』

 『ニュースピリチュアルの?』


「そう」


 『どんな人?』


「人、というか、ロボット」


 『ロボット?』




 あの後、みんなでテストプレイをしていた時、空を飛んで来る人影が見えた。

「なんだろう? あれ」


 その娘は飛んで来ると、春花の前に立った。

「はじめまして、春花はるか夏海なつみ秋月あきつき冬雪ふゆきさん」


 全身、色鮮やかで光沢のある、メタリックなパーツで出来ていて、背中には翼がある。


「は、はじめまして」

「VTuberに転生した、ロボットです」

「ロボット!?」

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