#11 だから夏祭りも自作した
可愛美麗●ライブ
「みなさんこんにちは。ニュースピリチュアル所属。可愛美麗です」
「こんにちは~。同じく、ニュースピリチュアル所属。
『こんばんは』
『こんばんは~』
「きょうは、春花ちゃんと一緒です」
「おじゃましてま~す」
「一緒に配信するには理由がありまして」
「ですね」
「実はつい先日。ニュースピリチュアルのメンバー全員で、海水浴へ行ってきました」
「行ってきました~」
『サイバー空間に海あるの?』
「海は造りました」
『造った?』
『海って作れるものなのか』
『草』
「海、超綺麗だったんですよ」
『おお綺麗だ』
『沖縄?』
『ハワイ?』
「さっそく泳ぎました」
『水着』
『水着キタ――(゚∀゚)――!!』
『水着良いね』
「見てください、水の透明度」
『きれいだ』
『透明だ』
『たこさんウィンナーいなかった』
『たこさんがいた』
「たこさんいた?」
「水を得たタコだね」
ビーチボールを、パスしあう。
『でかい』
『でかい』
『ゆれ』
『揺れ』
さくまどろっぷさんと、ピュアウイッチ・ピンクのふたりも、砂で城を造る映像を配信した。
『親子だな』
『親子だ』
『祖母と孫じゃね』
『ロリババア水着可愛いを』
『ピンクちゃんの方が可愛い』
『なんでやロリババアかわいいやろ』
その時、海で暴れる海坊主が現れる。
『なんだあれ』
『海坊主か』
「たこさん?」
「怪獣みたい」
ふたり、砂まみれになって、海水浴を満喫している。
『てえてえ』
『てぇてぇ』
海水浴から帰って、さくまどろっぷは言った。
「夏祭りと、花火が観たいわ」
さすがにこのオーダーには、春花だけでは手の負えない。さくまどろっぷ、たこ、美麗の力を借りて、造り上げた。
「屋台はとりあえず、たこ焼き、焼きそば、綿菓子の3台は造れたわね」
「誰が作るんですか?」
美麗が手をあげる。
「焼きそばなら作れます」
「綿菓子の作り方、教えてあげる」
「作ったことあるんですか?」
「友達の家にね、家庭用綿あめ機があって、要は、穴の開いた小さな鉄の鍋に、砂糖を入れて溶かす。鍋を回転させると、穴から糸状に砂糖が飛び出すの。それを割りばしで絡め取るだけ。わかれば簡単でしょ」
「それじゃ、みんなでやりましょう」
「たこさん、たこ焼き作ってください」
「タコがたこ焼き作るってか。やってやるわ」
たった3件しか屋台のない道に提灯が灯る。お囃子が流れる。
たこさんウィンナー以外の四人は浴衣姿で、祭りを満喫する。
たこさんウィンナーがたこ焼きを作り、美麗が焼きそばを作る。
綿菓子は、割りばしを巧みに回しながら、綿を大きくしてゆく。ピュアウイッチ・ピンクは、夢中になって割りばしを回すが、いびつな形にしかできない。何度もトライして、何個も綿菓子ができる。をれをみんなで食べる。
みんなでたこ焼きや、焼きそばを食べながら、打ち上げ花火を見る。
夜風が、彼女たちの髪をなびかせる。
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