第22話「距離が近い兄妹」

「ちょっとお兄ちゃん。そんなにくっついちゃ嫌ぁ……。」


「良いじゃないか。だって俺たち兄妹だぜ?」


「……んっ。で、でもぉ……」


「……。」


 私の目の前で、まるで彼氏彼女の如くイチャイチャしている兄妹がいます。そう、彼らは今回の托卵の家族。2人はリビングのソファの上でべったりとくっついていました。


「あらあら、2人とも仲良しねぇ。」


「お兄ちゃん……。」「妹よ……。」


「……。」仲良しってレベルじゃないでしょこれ。


 2人のビジュアルがそこそこ良いので、なんだかいい感じの雰囲気を醸し出していますが、一歩間違えたら気持ち悪い絵面になってしまっていたでしょう。


 こんなに仲良……いや、距離の近い兄妹は初めて見ました。


 私が今まで出会ってきた兄妹はだいたい妹の方が距離をとっていました。中には兄が冷たい態度をとっていたり、2人きりなのに一切喋らなかったり、はたまた喧嘩ばかりしていたり、様々です。故に私のなかでは勝手に兄妹は仲が悪いものとして定着してしまっていました。


 彼らは一体何故にここまで距離を近づけていられるのでしょうね。

 まあ、私には知ったこっちゃありませんけど。


 




【あとがき】

妹が欲しい。

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