第15話「言葉遣い」


 最近の子供達は言葉遣いが悪い子が多いと思いませんか?


 私は今まで色々な托卵の家族と一緒になって、少しの間生活を共にしてきましたが、大抵の小さい子達は口が悪く親もその事を咎めないといった家庭が多いように感じます。


 今回はそんな言葉遣いの悪い弟くんのお話です。


   ◯


「お姉ちゃん、ゲームしようよ。」


 私は托卵の家族の弟くんからそのように言われました。


 弟くんはテレビの前に座っていて、手にはゲームのコントローラーを持っていました。彼の隣にはもう一つコントローラーが置いてあります。

 私は彼の隣に座って、そのコントローラーを手に取りました。


 どうせ暇ですし相手してあげることにしましょう。


「よし。じゃあ始めるよ。」


 彼が遊んでいたのはレースゲームでした。

 どうやら弟くんはさっきまでCPUと戦っていたみたいですね。なるほど。確かにコンピューター相手だと少し張り合いがありませんよね。


 私は集中し、多少張り合いがあるぐらいに付き合ってあげることにしました。


 一回目__私の勝ち。 二回目__私の勝ち。 三回目__私の勝ち。


 …むむむ?

 ちょっと待ってください。弱すぎません?


「…クソッ……死ねっ……あーもう馬鹿~。」


 あらあら。弟くんの口調がだんだん悪くなってきました。これは良くないですね。

 ここは一旦私が大人になって、弟くんに勝ちを譲ってあげることにしましょう。

 四回目、私と弟くんは一位と二位で接戦です。私はここであえて分からない程度にスピードを緩め、彼を先頭に行かせてあげました。


「よしっ!勝てる!」


 そうそう。その調子です。

 私がほっとしたその時でした。


「ああーーっ!?」


 弟くんのことをコンピューターが攻撃。弟くんは思いっきりスリップし、コンピューターに抜かされていきました。

 私はとっさのことに瞬時に反応できず、弟くんを抜かしてゴールしてしまいました。


 これには弟くんもご立腹です。次はどんな暴言を吐くのだろうかと私が思ったときでした。


「おんどりゃ!!なんやこのクソゲー!どつきまわすぞ!!」


 弟くんはまるでチンピラみたいな言葉を発し、コントローラーを叩きつけました。


 彼はまだ小学三年生ぐらいの小さな子どもです。それなのに彼は声変わりもまだしてない幼い声でそのような荒い言葉を使っていました。言葉遣いが悪いにもほどがあります。


 それに何なんですか?おんどりゃーって。


「おいテメー。何してんじゃ。それはわりゃが買ってやったコントローラーやろが。」


 私が彼の隣で呆れたため息をついていると、彼の背後でまるでヤクザのような格好をしたお父さんが弟くんの頭を掴んでご立腹の様子でした。彼はどこの方言かも分からない言葉遣いで弟くんのことを睨みつけます。


「あ?なんか文句あっけか?」


「んだとゴラァ。物も大切に出来ないやっちゃ出てけコンニャロー。」


「五月蝿えよアンゴウが!なめとんかゴラァ!」


「あ?」「あー?」


 あらあら。二人はいがみ合いを始めてしまいました。

 二人はお互いに汚い言葉を使いながらしばらくの間言い争っていました。

 その様子を見ながら私は思いました。

 子供は親の言うことをよく聞いているんだな、と。


   ◯


 これは子は親に似るということを体現したいい例ですね。


 子供は親が思っている以上に、親のことをよく見ています。幼い子供は物の善し悪しが分かりません。ですから親が悪いと子供も同じ用に成長し、やがて取り返しのつかないことになります。


 だから世の中のお母さんやお父さんの皆さん。子供のためにも親は子供の手本になって、良い方向へ導いてあげないとダメですよ?せめて言葉遣いは正してあげてくださいね。そうしないと世の中口の悪い子供で溢れてしまいますから。


 まあ、私の知ったこっちゃありませんけどね。





【あとがき】

 地元の学童の先生と話したことををSSにしました。最近は汚い言葉遣いをする子が多いですよね。やっぱりYou TubeやTikTokの影響が強いんだろうと思いますが、個人的にはそういった言葉遣いは親の言葉遣いに似ると思っています。

 最近の子供達には小説を読んで、上品な言葉遣いを身に着けてほしいですね。

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