第3話「ゲーム依存症」


 皆さんゲーム好きですか?


 私はあまりやったことがありません。なにせ私のお母さんはゲームを子供にやらせるのが悪影響だと思っているタイプの母親でして、私はゲーム機を取り上げられなかなかゲームをやらせて貰えませんでした。


 ですが私はゲームをしなくても他に面白いことを見つけて、子供時代はそれに夢中だったのでゲームが無くとも楽しく過ごせていました。


 最近の子供達はどの家に行ってもゲームばかりやっていますが、そんなにゲームって面白いのでしょうか?

 今回はそんなゲームに依存してしまっている子供のお話です。


  ◯


 私はいつものように托卵の家族の家庭にお邪魔しました。


「おかえり。」


 玄関に入って私のことを迎えてくれたお母さん。


「ちょっと悪いんだけどさ。この晩ごはんをカズヤの部屋に持って行ってくれない?」


 私はおぼんに載っけられた晩ごはんを手渡されました。はて、今回のお子さんは引きこもりかなにかですか?


「あの子最近ずっとゲームに夢中で全く部屋から出てこないのよ。ねえククース、妹として貴方からもなにか言ってあげてちょうだい。」


「…はあ。」そう言われましても、私は赤の他人ですし何を言っても響かないと思いますけど。



 私はお盆を持って例のカズヤさんの部屋まで行きました。


「死ねぇっ!!!」


 部屋の中から汚い言葉遣いで暴言を吐く声が聞こえてきました。たかがゲームですよ?どうしてそんなに感情的になってるんですか。


 私が部屋の扉を開くと、そこにはゲーミングマウスを振り回しながら、ゲーミングチェアーに座り、暗い部屋でパソコンと向き合っている二十代後半の男性がいました。


「あーもう!やってらんねー。馬鹿じゃねえのかコイツら。」


 カズヤさんは台を思い切り叩き、頭を掻きむしりながら発狂します。もう一度言いますが、たかがゲームですよ?


「ご飯ここに置いときますね。」


「あ?いらねーよそんなもん。」


「食べないと体に悪いですよ。それにこんな暗い部屋でゲームばかりしてたら目も悪くなりますし…」


「うるせえな。そんなの知ったこっちゃねーよ。さっさと出ていけ。」


 知ったこっちゃねーよはこっちのセリフですよ。呆れました。こんなゲーム廃人には何を言っても馬に念仏でしょう。私はどうでも良くなって彼の部屋から退出しました。


「どうだった?」部屋の外では心配そうな顔をしているお母さんがいました。


「ありゃダメですね。付ける薬がありません。」


「クッソーーー!!ふざけんじゃねえよ!!」


「…はあ。困ったわねぇ。」


「困りましたねぇ。」


 ゲーム依存症の子供を持つと、大変だというのがよく分かりました。


  ◯


 私は子供の頃、工作や読書をよくしていました。


 周りの子達がゲームの話をしている中、私は少し疎外感を感じましたが、そもそも私はいつも一人ぼっちだったのでそんなに羨ましいとも思ったことがありません。


 ゲームをすることはとても面白いのだとは思います。

 しかしハマりすぎて、周りが見えなくなるぐらいのめり込んでしまっては良くないですね。


 何事も程々なくらいがちょうどいいのです。生活に悪影響を及ぼすぐらい依存してしまっては、今回のお子さんのようになってしまいます。今後、彼がゲーム依存症から脱し、お母さんに迷惑をかけなくなれれば一番良いですね。


 まあ私の知ったこっちゃありませんが。




【あとがき】

 友人から聞いたゲームに依存しているお兄さんの話を元にしたので、結構リアルな仕上がりになったかなと思います。

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