第2話 楓 視点

友達は一生もの恋人は一時的なもの、そんなことがあるから人は告白しようとしても躊躇ってしまう。

私もそのうちの一人だった。

私、楓は今、幼馴染の創太に恋してる。


私はよく放課後の教室で友人に創太のことを話して、私の恋愛事情に付き合ってもらってる。


「ねえ、どうしたら、創太に告白してもらえるかな?」

「そんな、さあ待つんじゃなくて自分から言ったらどう?」

「でも、振られたら、関係が終わるんだよ」

「だからまだ創太が恋人になるのはないかな」

「へ〜意外!」

「そんなこと考えてるんだね〜」

「でも、やっぱり、付き合えたらな〜」

「なら、本当に言っちゃえばいいじゃん!そんなに考えなくても」

「そうだよ、創太君だったら、受け止めてくれるよ」


友達に相談しても告白の一択で全然いい考えが上がらない。

(気持ちってどうやったら伝わるんだろう)

「まあいつもべったりだけど、もっとアピールしたりすればいいんじゃない?」

「アピールって?」

「例えば、そうだね〜いつも一緒に歩いてみたり」

「もう、やってる気がする」

「じゃあ、思い切って家に行ってみたら…」

「よく、漫画とか読みに行ってるから、そんなに」

「じゃあ他に何があるんだよ!」

友達は出すアピールの方法をことごとく楓がしていることに気づき、少し萎えていた。

「もう…これだから幼馴染は!、それだから、告白だってされないんだよ」

「まあ、確かにそれもあるかもね、ずっと一緒にいるから、それが当たり前になってる〜みたいな」

「そうなのかな〜」

確かに、幼馴染ということもあり私は創太とよく話したり、遊びに行ったりもする、だからアピールできないのかな?


そうしてアピールをしようとしたが何をどうしていいかがわからない

ベットの上でゴロゴロと作戦を練って見るが身を合わせて見る、毎日話すのも

ほぼいつもの日常になっており何もアピールにならなかった。

(私っていつもアピールみたいなこと無自覚でしてたんだ)

改めて考えるが結局何もいい案は出てこなかった

「あっ創太おはよう!」

「おはよう」

挨拶をしたのは良かったが昨日のこともあり何も会話が出てこなかった。

すると創太が

「あっごめん、今日朝から委員会の仕事があって、じゃあ先行くね」

「えっああ、うん、頑張って」

(ああ、行っちゃった。また後で話せばいいかな)

しかし、時間はたっているがなかなか話すことができない。

(まあ一日くらいそんなにもあるよね、

友達から聞いたら普通は一日一緒ってことはないし考えすぎだよね)

昼休み、私はお昼を一緒に食べようと創太の元に向かった。

「創太!一緒にお昼どう?」

「あっごめん、今日は友達と食べる約束をしてるんだ」

「あ〜そんなんだ、じゃあまた今度誘うよ」

(まあ、、これも普通のことだよね)

今の所アピールしようとしているがいつものようなこともできない楓は悩んでいた


(なんか今日は授業前はいつも本を読んでるのに今日は読まずに席にもいなかったし

お昼も友達と食べてたし、話しかけようとすると委員の仕事でって言われて話せなかったり

なんか噛み合わないんだよね)

悩んだことが普通なのか友達に心配なので話して見ることにした。

「それで、今日はなかなか話せていないと」

「うん」

友達は少し悩んで

「まあ、一部は普通だろうけど、委員の仕事は違うかな、創太くんと同じ委員だけど仕事なんてないはずだよ」

「えっ!」

「まあ、少し避けられてるのかもね」

「そっ!そんな!」

少し涙が落ちそうな私を友達は宥める。

「まあ、避けてるってのはあたしの推測だからね!

 そう決まったわけじゃないんだしさ!」

「そうだね」

「もう最後の授業の後とっ捕まえて体調大丈夫なんか聞いて話せばいいじゃん」

「わかった、聞いてみるね」

そう言って目を拭いて教室に戻った

授業が終わり創太は早くも片付けて席を立とうとしていた

「ねえ、、創太」

創太はちょっと驚いたような表情をして楓を見た。

「どうしたんだ。楓?」

「創太、私、最近何かしちゃったのかな?」

「いや、ちょっと体調がすぐれないだけで心配かけると悪いから少し避けてたんだ。

 心配かけちゃったみたいだね、ごめん」

「な〜んだ、嫌われちゃったのかと思ったよ。でも体調早く治るといいね!」

「そうだね、早く治るように体調管理をするよ」

「じゃあね」

(良かった〜私嫌われてなかったんだ。

創太は私に心配かけないように気遣ってくれてたんだ。

本当に優しんだから)

そんなことを思いながら自分の席に戻ろうとすると創太から呼び止められた

「なあ、楓!」


「なに?創太、急に呼び止めて」

創太は楓の目をまっすぐ見て問いかけた。

「楓にとって僕はどんな存在なんだ」

「えっ!」

(私にとって創太はどんな存在か〜〜?)

「ごめん!変なこと聞いたよね」

「ううん、大丈夫、私にとって創太はどんな存在かね〜」

(なんて答えればいいんだろう〜ここで好きな人って答えて振られるのも嫌だしも〜

どう返せば。あっ、いつも一緒にいてくれる友人、こう返せばいいはず)

「創太はいつも一緒にいてくれる大切な友達だよ」

少し間を置いて創太は

「ありがとう、楓」

伝えたいけど伝えたくない

私はこんな気持ちだけどずっと君の隣にいたい




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