まもののさけび

「エミリアの安寧を約束してやろう。

おまえから旅立つもの、おまえに宿るものを加護してやろう。


だが供物を寄越せ。

一等高い酒を、一等高い食い物を。

供物を捧げるのであれば、永遠に約束するのであれば。

エミリアの安寧を約束してやろう。

永遠に永遠に、約束してやろう。」


朗々と魔物が歌う。

そして人々はこうべを垂れる。


感謝か畏怖か、恐れか親愛か

それぞれの心を隠し。

決して、それを見ないように。


人々はこうべをたれる。


不幸せを見つめなければ、幸せでいられるはずなのだ。

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