第36話

無事ふたりで帰宅し、咲希は荷物をまず部屋に置きにいき、俺はリビングのソファーで一休みする。


「は〜御兄様と初めての共同作業しちゃいました。それに、今日からはこの子も一緒です。名前つけてあげなきゃですね。とても、楽しい時間でした。しかし、雪ちゃんの件も解決しなければいけませんね。近いうちに、呼ぶと言った手前早めに行動したほうがいいでしょうね。

 雪ちゃんの件は明日また、考えるとして、次は御兄様と一緒に料理ですね。御兄様は、料理をほとんどしたことないみたいですからなるべく簡単にした方が、いいでしょう。私が、御兄様の手取り足取り教えるなんて、こんな幸せあってもいいのでしょうか?もう御兄様が来てから、幸せ過ぎます。これからは、私がもっと御兄様を幸せにしてあげないといけません、私だけ幸せになっても意味がないですから。

 御兄様には、多少私を意識してもらえましたが、あくまで妹としての反応でした。これを、妹ではなくいずれ異性としても見てもらいたいものですね。考え後してるといくら時間があっても足りませんね。早く戻って御兄様と料理しないと」


咲希が部屋から戻り、冷蔵庫などを見てメニューを考えている。しばらくすると、メニューが決まったのか俺のとこにきて

「御兄様今日のメニューが決まりました。今日はカレーにしようと思います。これでしたら野菜を軽く切って炒めて煮込めば出来上がりますから、料理初心者にもオススメ出来る料理だと思うんですが、いかがでしょうか?」


カレーか、いいなカレーなら俺にも無理なく出来そうな気がする。


「カレーだけだと寂しいのであとは、サラダをつけてそれを晩御飯に、しましょう。今エプロンを用意して来ますのでちょっとお待ち下さいね。」

 咲希はそういうと小走りでエプロンを取りに行った


「お待たせしました、御兄様には、ちょっとかわいすぎるかもしれませんが私と、お揃いなんです。付けてくれますか?嫌なら無しでも大丈夫ですけど」


咲希から、渡されたのは確かにかわいいエプロンだった。トレードマークに猫のマークが付いたやつだ。咲希は猫が好きなんだろうな。

 咲希が不安そうな顔でこちらを見上げる、そんな顔で見られたら断れる訳ないじゃないか。

「可愛くていいんじゃないかな?料理するんだし貸してもらっていいかな?」


「はい、もちろんです。一緒に美味しいカレーを作りましょう。まずは、材料出しますね。カレーですので、玉ねぎ、人参、じゃがいもを使います。御兄様は、じゃがいもを洗ってもらっていいですか?」


俺は、言われた通りじゃがいもを受け取り洗った。そのあと、咲希からピーラーをもらい、じゃがいもと人参の皮を向く。


「次は、洗ったじゃがいもを切ります。御兄様切るときは猫の手です。こう、ニャンっと手を握り猫の手にしてください、これで手を切らずに済みますので」


ニャンってなんだこれ?料理して真面目に教えてるはずなのに咲希が、可愛すぎるやばいな、いやいや咲希は真面目にやってるんだから真剣にやろう。


「はい。そうです、手は、ちゃんとニャンの形にして、そうですさすが御兄様、料理もばっちりですぬ。人参も同じように、お願いします」俺は、咲希に従いどんどんすすめていく。


「御兄様次は、料理する上で一番の難関の玉ねぎです、何度この玉ねぎに泣かされたことか」


確か玉ねぎは繊維に沿ってやると泣かなくて済むって聞いたことあるな


「咲希ちょっと玉ねぎを貸してみて」おれは、玉ねぎの皮を向き半分に切ったら、繊維に沿って斜めに切った。カレーだし、少し大きく切っても大丈夫だろう。


「御兄様凄いです、あの玉ねぎで泣かないで済むなんて私は、いつも泣かされてしまって、御兄様のお陰で野菜は準備オッケーです。後は、やるのでゆっくりしてください。サラダの時にまたお呼びしますね」咲希は、後は炒めて味付けしたら出来上がるから任せてほしいと俺をリビングにもどした。


「あの憎い玉ねぎがあっさり片付いてしまいました。さすが御兄様です。それにしても、御兄様ならの、エプロン姿可愛かったです。お揃いですし、後で写真撮らせてもらいましょう。初めての共同作業記念ですねこれは。さて、御兄様に手伝ってもらった分私も、頑張ります。待っていてください、愛情たっぷりのカレーに、仕上げますから。」


咲希が作業を、はじめてしばらくすると、カレーの美味そうな匂いが漂ってきた。やばい、この匂いを嗅ぐとお腹が空いてくるな。ぐ〜 あっお腹が反応して鳴ってしまった。恥ずかしい


「もう少しですから、待ってくださいね。音がなるくらい楽しみにしてもらえるのは凄く嬉しいです。カレーもほぼ仕上がったので、最後にレタスをちぎって盛り付けしたら完成です。」


最後の手伝いをして、俺はいまかいまかと待機する。


「お待たせしました。カレーとサラダです。カレーですが、今回お肉を使わなかった代わりにカニクリームコロッケと海老フライをつけてます。さっ御兄様食べましょっ」


カニクリームコロッケと海老フライなんて、なんか豪華になってるな。こりゃ美味そうだ。さっそくいただきます。うっまー、このカレーメッチャ美味いぞ、手が止まらないわ。


「御兄様カレーはおかわりもありますから大丈夫ですよ。たくさん食べてくださいね。それにほらサラダもバランスよく食べないと」


俺は、咲希に注意されながらも夢中で食べた。だって本当に美味かったんだよ

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