第35話

咲希は手に入れたぬいぐるみを大事に抱えながら、帰るために駐車場に向かう。今日は色々あったが、最終的にこの笑顔を見れたなら満足と言っていいだろう。


「御兄様ありがとうございます。私この子を大事にしますね」


「うん。そうしてくれると嬉しいな。今日の記念に買ったものだし、咲希が可愛がってくれたら俺も嬉しいな。」咲希はとびっきりの笑顔で。


「はい、御兄様、私今日のことは絶対に忘れません、もちろんトラブルも起きてしまいましたが、それ以上に、御兄様の優しさを感じることが出来ました。今日は、1日ありがとうございます。帰ったらご飯作りますので、御兄様は出来るまでゆっくりしてください」


咲希も、今日は疲れているだろうに、でも俺がやると言っても納得はしないだろう。だとしたら

「咲希も今日は、疲れただろう?俺だけ休むのは、気持ち的に落ち着かないから一緒に料理をしていいかな?邪魔にならないようにするからさ」


「邪魔だなんてそんなことは決してありません。御兄様と一緒に料理出来るなんて夢のようです。家に帰ったら食材の確認をしてメニューは決めますのでそこまでは、待ってくださいね。御兄様には、頼りにしていますので」


あまり、頼られるのは怖いな、実際料理なんて、本当に素人だし、とにかく俺は、咲希に言われたことをしっかり聞いて怪我をしないように晩御飯を作ってみせよう。


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