第21話
今日は、色々あって疲れたし、早く寝よう。俺の部屋とかどうなってるんだろう。
「咲希、今日はお互い疲れたことだしそろそろ寝ようか?部屋を、教えてもらっていいかな」
「はい、ですが、ごめんなさい御兄様、まだ御兄様の部屋には、ベッドが用意できていなくて、明日一緒に見に行く予定ですので、今日はですね、そのですね」
なんか咲希の言葉が詰まって顔も赤くなっている。なんか言いにくいことでもあるんだろうか?しかし、そうかまだ寝床がないのか。あっでもあのソファーで寝るのはありだな。大きいし、柔らかさもあったから、後は羽織るのを貸してもらえたら、いやもしかして咲希はソファーで寝てもらうのが言いづらいんじゃないだろうか?ここまで色々用意してるのにベッドは用意していないとか恥ずかしくて言えないのかもしれない。きっとそうだ。
「咲希大丈夫だよ。僕ならソファーと羽織るのを貸してもらえたら」
「今日は、私のベッドで、一緒に寝ましょう。広いし兄妹なんですから大丈夫ですよ」
んっんーーなんかタイミング重なってしまって上手く聞き取れなかったな。もう一回確かめよう。
「ごめん咲希タイミング重なってしまって、それで何だけど僕は、ソファーで寝るから羽織るのを貸してもらえないかな?」
「御兄様をソファーで寝かせるなんて出来ません。つい寝てしまうことはあってもあのソファーは寝るとこではありません。今日、御兄様は私のベッドで一緒に寝てもらいます。拒否権はもちろんありません・・・さっ部屋に行きますよ」
俺は背中を押され、拒否権を発動することも出来ず部屋に案内された。
咲希の部屋は、女の子らしく可愛いんだが、角にある本棚には、絶対この年代の子は読まないでビジネス書や実用書、英語で書かれた分厚い本がぎっしり詰まっていた。
きっとこの子は、辛い経験で得た読心術だけでなく、あの本棚にある本を読んだり努力してきたんだろう。こんな小さな体のどこにそんな力が詰まっているんだろう?
俺は、言葉には出来ないが努力を褒めてあげたくて頭をつい撫でてしまう。
「はぅ、御兄様どうしたんですか?急に頭を撫でて、いえ、撫でられるのが嫌とかじゃないんですよ。むしろ御兄様なら、いつでもカモンというか、歓迎というか、とにかく、いつ撫でてもらっても構わないのですが」
「ごめん、つい咲希がかわいいなと思ってしまって。それに咲希は努力家なんだとわかったから」
俺の視線は本棚に向かう
「努力家?私は別にそんな。あっあの本は別にその、退屈な時に読む時用のやつです」
「そうか、そういうことにしておくよ。それで、本当に一緒に寝る気なの?」
「もちろんです、一緒に寝るのになにか問題があるんですか?御兄様はなんかいけないことしてしまう悪い人なんですか?」咲希は、少し子悪魔的な顔でこちらを見て笑いながら見つめる。
「そんなことしないよ。安心してもらって大丈夫だからね」
「御兄様ならちょっとくらいイタズラされても構わないですけどね。むしろしてほしいんですが」
咲希が小言でなにか言ったが小さな声過ぎて聞こえなかった。
「では、御兄様どちら側で寝ますか?広いですから右でも左でも構いませんよ。なんなら真ん中でもいいですよ、にひ」
「それじゃ、壁側の方に寝るよ。さっ早く寝よう。すー」布団に入り深呼吸すると、フワッといい香りがする。あっこれ咲希の使ってるシャンプーの匂いだ。なんかいい匂いだな。落ち着く
「御、御兄様そんなに匂いを確認されるのは、女の子なんですからはっ恥ずかしいです。」
つい、いい匂いで落ち着くから嗅いでしまった。これじゃまるで変態だー いくら義妹でも、女の子なんだから気をつけないと
「もー女の子のベッドなんですから気をつけてくださいね。私が毎日使ってるんですからわたしの匂いがついていて当たり前なんですから」
これからは、気をつけよう。いくら幼女の姿していても立派な女の子なんだから、なにがきっかけで怒らせてしまうかわからないから
「ふぁーやっぱりベッドに入ると気持ちいいですね。二人で入るとベッドも温かいです。御兄様、今日は、手を握って寝てもらってもいいですか?御兄様の手、あたたっかく、て・・・スゥ~」
はやっ速攻寝落ちしてるじゃん。やっぱり疲れてたんだな。お疲れ様、じゃ頼まれたしぎゅっ 手を握る。咲希の手は小さくて握ると可愛く握り返してきてヌフっと小さく笑っていた
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