第18話
まったく裸じゃなくて本当に良かった。バスタオルがめくれた時は本当に焦った。しかし、なぜ咲希はこんなに俺に懐いてるんだろ?
「御兄様ごめんなさい。急に甘えてしまって御兄様も困りますよね。」
いや、甘えられるのは悪い気はしないからいいんだがわけもわからないから困惑しちゃうんだよな。
「御兄様、ちょっと私のことを話してもよろしいですか?あまり面白い話ではないですが」
咲希が自分の事を話してくれるみたいだ。俺は咲希のこと知らないし、教えてくれるのは助かる。
「私、今のお父様のとこに来る前は虐待を受けていたんです。本当の父に自我が芽生えた頃からわけもわからず殴られ蹴られ、どうしたらこんな目に合わずすむのだろうかと考え、人を見るクセがつきました。そうしているうちに自然と相手の考えることがわかる読心術というのでしょうか?それが身につき虐待から少しでも逃れるように考えて行動できるようになりました」
なんか凄い話だな。読心術が身につくまで極限まで追い込まれてしまっていたのだろう。子供の防衛反応が極限まで使われた結果なんだろうな。
「そんなある日事態が急変します。その日、父の機嫌が非常に悪く、今まで以上の暴力を振るわれていました、私は声を我慢出来ず助けを求めていました。その声が届いたのでしょう。警察の方が駆けつけてくれて私は、助かりました。外に待機していた救急車に乗る時に声をかけてくれた人がいました。その人は、助けるの遅れてごめんね、無事で良かった、早く元気になってねと言って去っていかれました。」
なんか、聞いたことのある話のような気がするな
「その後私は、入院して治療することになりました。その間に色々話が進みました。まず、父は虐待の罪で捕まり、そこから色々余罪が出るわ出るわで、もう出てくることはないと。母は、父が捕まったことと今までの心労が重なり倒れてしまいましたが、今のお父様との縁が以前あり、お父様の元で働けることになりました。その後、たまたまお母さんの仕事に付いていくことがあった時に悪い人がたまたまいて、何をしようとしているか話したことで今のお父様に気に入られました。その後わたしは、この読心術を、使ってお父様の手助けをして今に至ります」
は〜なんか凄い話だな。だけどとりあえず今は、お風呂を出ようかな。話に夢中で、のぼせてきちゃったし。まだ話の続きはありそうだし、上がって落ち着いてからきかせてもらおうかな
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