第10話
案内された先にあったのは役員専用エレベーターだった。咲希はポッケからカードを取り出しカードを差し込み暗証番号を打っている。役員専用のカードなんか持っていて、いくら当主の娘とはいえ一体咲希は何者なんだよ。
エレベーターが開き、乗り込むと行き先は50階となっていた 登り始めると外側はガラス張りになっており外の世界がどんどん小さくなっていた。ここまで高くなってくるとどうしても、人がまるでゴミのようだと言いたくなる。景色はかなりいい、こんな景色を見ながらする仕事は気持ちがいいだろうな。
トントン「当主様 お連れいたしました 入ってよろしいですか?」
声が聞こえるまで数秒のはずなんだがこの数秒が異様に長く感じた
「咲希か、入りなさい」静かな低い声だが威圧感とは全く感じさせず落ち着いたの声だった。
ガチャッ 「失礼いたします 当主様ただいま頼まれていた方をお連れいたしました」
「他の者はとくにいないんだ 仕事モードを切っていいんだぞ」
「いえ、誰にいつ見られるかわかりませんし。仕事中は割り切った方が最終的に楽になるので大丈夫です 当主様」
「は〜〜 寂しいな たまにはお父様やパパっていってくれないか?」
「そんな言い方今までもしたことありませんし する予定もありません たまに帰ってきた家の中ではお父さんと呼んでるではありませんか」
俺はなにを見せられてるんだろうか 呼ばれて来てみたら大企業の当主と幼女の痴話喧嘩 帰っていいだろうか?なんか面倒くさくなってきたな
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