第7話

咲希が再びこちらを見つめ口を開く


「もう一つお聞きしていいですか?」


俺は咲希を見つめながら静かに頷く。今回の目的地であり当主の元に着くまでどのくらいかかるかわからないし、先程一瞬だったが高速道路に入るのが見えたのですぐに着くということはないだろう。


俺自身、混乱した頭も徐々にだが整理できてきたので今は当主の前に着くまでに知っておける情報は増やしておきたい。詳しくは当主に会った時に聞けるだろうしな。


「私がなぜ会った瞬間、御兄様と言ったのか疑問になりませんでしたか?」


そう言われ考えると、俺自身はあまり違和感なく御兄様呼びを受けいれていた節がある。

 まずどう考えても咲希は年下にしか見えないし、 それに、咲希が持っている空気感が、お嬢様という言葉に相応しい雰囲気をもっていたから、御兄様呼びも違和感なく受け入れられたのだろう。


「俺自身は咲希ちゃんがあまりにもお嬢様に見えたから御兄様呼びに違和感感じなかったよ。実際年上だからお兄さんだしね」


お嬢様に見えただなんて、御兄様はなんて優しいんでしょう。はじめて会った時は、つい興奮を抑えきれず飛び出してしまいぶつかってしまったのに本当に御兄様は、優しすぎます。きっと今までにも何人もの女の子が御兄様にぶつかってしまう度に優しくされたのでしょう



「なるほど、そうですか、まー違和感なく受け入れられたのなら、今後のことを考えると良かったと言えるかもしれません」


咲希ちゃん的には都合が良かったのか納得してくれたのは良かった。さっきから顔が色々変わって見飽きない。

 でもこんな話をするということはまた咲希ちゃんは俺を混乱させるびっくり情報を出してくるのだろうか?今後のことってなんだろう、まだまだこちらを驚かせるネタを持ってそうなんだよな〜

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