第5話

ドアを運転手が開き、まるでドラマや映画で見るような優雅な佇まいで車内に案内する。

 車内に入りまず広さに驚き 座ると今まで経験したことのない座り心地の座席に緊張していると、幼女が、向かい側に座り、どこから出したのか分からないが、グラスに入った水を差し出された。 程よく冷えた水は火照った体を冷ましてくれて混乱していた頭も、ゆっくりだが落ち着いてきた。


お互い落ち着いたところで車が静かに動き出し、なんともいえない緊張が走る密室の空間が出来上がってしまった。俺は、なにするわけでもなく外を眺めていた。すると、幼女のほうから


「改めまして自己紹介といきましょう 私の名前は有栖川咲希 有栖川財閥の当主の娘です 血のつながりは、実際のところありませんが詳しくは後で」


血のつながりがないが、娘という言葉に思いついたのはまずは養女だ。

 大企業の家柄だ、なにかの理由で跡継ぎが出来なければ優秀な子供を引き取り一から教育する。

 もう一つは結婚するさいに奥さんにすでにいた娘 連れ子だ。多分だがこのどちらかだろう だがなぜこの説明をしてきたんだ?とりあえず、大人しく幼女の話を聞いてみよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る