第4話

いきなりの衝撃に、呆然と立ち尽くしてしまった。 そんなの当たり前だ、いきなり抱きつかれる衝撃に 目の前にいる幼女からの『見つけましたわ御兄様』発言。俺は混乱する頭で状況を整理するので一杯だった。


そんな立ち尽くしている俺に、幼女が身だしなみを整えて何もなかったかの二歩さがり、俺を見つめながら口を開いた。


「いきなりの訪問失礼しました。私の名前は、有栖川咲希 有栖川財閥の当主の娘です。今日、あなたに会いに来たのは当主様からの依頼です。私の方から簡単に説明してもよろしいのですが、間違いなく混乱する内容なので、ぜひ当主様からお話を聞いていただければと。」


この幼女は、また俺を混乱させにきた。有栖川財閥はいくら世間知らずの俺でも、分かる日本屈指の大企業の名前だ。仕事は多岐にわたり、名前を目にしないほうが珍しいからだ。日本だけにとどまらず海外にも進出しており最近では、宇宙事業にも手を出したと聞いた記憶がある。


「クスッ、御兄様混乱しているところ申し訳ありません。少しずつですが、こちらを見る人も増えてきていますので移動出来ないでしょうか? いきなりで不安もあるとおもいますが、有栖川財閥の名において御兄様の安全を保証いたしますのでぜひご同行ねがいます。」


俺は混乱する頭の中で、言われた通りだんだん人が増えている気配を感じ諦めることにした。このままでは一人になった瞬間知り合いなどに問い詰められる可能性もあると感じたからだ。幸い大企業の名前を出しているので下手なことはしないだろう。それならついていって、事情を聞いてからでも遅くないと考えた。

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