第28話 時は経ち
文化祭も終わり、時はあっという間に流れ僕らの学年は大学受験シーズンに入っていた。
高校の昼休み
僕らは勉強の休憩時間に話していた。
「なあ、凪〜大学決めた〜?」
「決めたぞ、陸は?」
「俺はもう少し考えたくてまだ決めてない」
そんなことを言いながら陸はスマホで大学を調べていた。
「小春はどうすんだ?大学?」
「私はもう決めていますよ」
そう言いながら小春はパンフレットを出す。
「えっ?!どこ?」
陸は驚きながらもパンフレットを覗き込む。
「聖凛大学なんですけど」
「ここから近いのか」
「ええ、近いし、意外に有名ですからね」
「よし!俺もそこにする!」
と言って、机の中から取り出した、進路希望シートに書き込む
「おいおい、そんなふうに決めていいのか?」
急いで書き込む陸を心配して僕は止めに入ろうとした。
「ああ、どうせ行きたいところもないから、どうせなら恋人が行くところに行きたいだろ」
そんな陸らしい理由を聞けて僕も納得した。
「陸らしいよ」
「それで凪はどうするんだ?」
「えっ!?何を」
「大学のこととあかりのことだよ、卒業して関係が終わっちゃうものあれだろ」
確かにそうだ、ここ最近勉強などであかりとは話せていなかったのだ。
「確かに、僕はここでは終わらせたくない」
「だよな、じゃあ今日話してこいよ!」
「ああ、そうする」
こうして俺は放課後にあかりを家に呼んだ。
「先輩?、珍しいですね、この時期に私を呼ぶなんて」
「ああ、ちょっと話したいことがあってな」
「そうですか」
あかりはいつもの机のところに座り僕が座るのを待った。
僕は飲み物を出して、あかりの前に座った。
「なあ、あかり?これからの関係、、どうしようか」
あかりは「えっ、」と言葉を漏らした。
「先輩、もしかして別れ話ですか、、嫌です!」
そう言ってあかりは急に立って抱きついてきた。
「先輩が別れるって言っても私聞きませんからね」
「まあまあ、落ち着いてくれ!」
そう言ってもあかりは離そうとしない。
「別れ話じゃないから、一回聞いてくれ」
そう言うとやっと解放してくれた。
「じゃあ何の話なんですか?」
あかりは恐る恐る聞いてきたが僕はそんな悲しくなるような話はしない。
「僕が大学をどこにするかっていう話だ」
「大学ですか?」
「そう、どこに行こうかなって思って」
「大学ですか、すみませんけど私はあんまりわからないんですが」
「だから、このまま、大学で僕とあかりが別の所に行って関係が終わらせたくないんだ」
「そうなんですね、なら先輩が行きたいところにしてください、
それに私がついて行きます!」
僕のために自分の大学まで委ねているあかりをちょっと心配した。
「いやいや、自分の意見があるなら別の自分が行きたい大学に行ってもいいんだよ」
説得しようとするがあかりは首を振って「嫌です!」と返してきた。
「私は先輩と一緒にいたいんですよ!」
「そうなのか、じゃあ、これからもよろしくな」
「はい!先輩!」
僕らはもう一度抱き合った。
卒業の日
こうして無事に僕らは卒業できた。
「先輩〜行かないでください〜」
あかりは泣きながら僕の服を掴んだ。
「あかり、一年の辛抱だぞ、頑張って」
「はっ、、はい!」
「凪〜あかりとのお別れは済んだか?」
「別に別れるわけじゃないだろ」
「でもあんまり会えなくなるね、それは僕も残念だな」
「先輩〜!」
「でも、暇な時は遊びにおいで」
「はい!」
そう言うと陸はカメラを持って僕らのところに来た。
「じゃあ、また写真撮るか」
「そうだね」
そうして僕らが並びカメラのシャッターが切られた。
一年と数ヶ月後
僕はある人と大学で待ち合わせをしていた。
すると急に頬をニュッと押されて驚かされた。
振り向くとそこにはあかりが立っていた。
「先輩!またよろしくお願いします!」
「ああ、こちらこそ!」
あとがき
やっと私がこんなふうに完結させたいと思うように完結させることができました。
これから陸達のサイドストーリーなどを思いついたら書いていく予定です。
これからもう少し私の作品を手に取っていただけると幸いです。
女子が苦手な僕が知らない後輩から告白された! クヨミ @kuyomitadasi
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