第27話文化祭3
ついに文化祭も終盤に差し掛かり僕たちは演奏の準備をしていた。
みんなを見てみると自分もだったが動きが硬かった。
「おいおい!みんな、あれだけ準備しただろ!そんな緊張することないって!」
「いやいや、陸も動き固いぞ」
と言った笑い話で僕らの緊張をほぐしてくれた。
「じゃあ、ギターの凪はいつものようにな、鍵盤の森山さんはちょっと早くなりそうだから普段通り落ち着いてな、小春は俺のドラムに合わせて歌ってくれ、
鶴見はもう全力でソロパート頑張れ!」
と言ってみんなに最後のアドバイスをした。
「じゃあ、行くぞ!」
「「「「うん!」」」」
陸が司会をしている生徒に合図され、僕らはステージに立った。
ステージの上から見ると学校のほとんどの生徒が見にきていた。
僕はそれを見てまた緊張してしまったが陸が小声で「大丈夫だ」と安心させてくれた。
そうして陸にマイクが回り、話を始める
「さあ、俺らのバンドを見にきてくれてありがと〜!」
「さあ、俺らが歌うのは三曲だ〜!盛り上がって行こうぜ〜」
さすが陸、どんどん会場の雰囲気を盛り上げてきた。
そう言って一曲目を歌い始めた。
最初はみんなが知っていそうな曲を弾くとやはり、沢山の人が手拍子しなどで合わせてきてとても盛り上がった。
その中でも一番盛り上がったところは、曲の中にある間奏の鶴見のギターソロだった。
一人でプロ並みの演奏をする鶴見に会場の全員の視線が釘付けになった。
他にも、陸と小春のデュエットなどで多いに盛り上がった。
その他にも自作の曲を弾いたりして、五人のバンドは大成功で終わった。
その舞台裏では五人はクタクタになっていた。
「めっちゃ緊張した〜」
「そうだよな」
「私も鍵盤一瞬間違えたけど、なんとかカバーできたよ」
「僕もギターソロは怖かったけど、めっちゃ楽しかったです」
「ならよかった!」
五人はステージ裏から出て教室に戻るとクラスメイトなどに囲まれた。
「みんな良かったよ〜」
「特に二人の歌良かったな〜」
「後、誰?あのギターソロの子めっちゃカッコ良かったんだけど!」
「まあまあ、落ち着いて」
今日の文化祭の締めはバンドの話が学校全体で一番盛り上がった。
一年教室
「森山さん!すごかったね〜」
「そうそう、鍵盤よく弾けてたよ〜」
「そんなことないよ、これもみんな先輩たちのおかげだから」
「またまた、謙遜しちゃって!」
「それと、鶴見君知らない?」
「鶴見君って、あのギターの子?」
「そうそう」
「多分、クラスの人に取り囲まれてるんじゃないかな」
そう言われて、行ってみると鶴見君が座っている席の周りにはほとんどのクラスメイトが集まっていた。
ちょっとだけ話の内容を聞いてみると、
「あんな趣味あったんだ〜」
「今度ギターもう一回弾いてみてよ」
「誰がバンドに誘ってくれたの」などと沢山の質問が飛び交っていた。
でも、鶴見君は嬉しそうにひとつひとつ返していく。
質問を返し終えても、まだ話は続いていた。
遠目から見てもクラスに馴染む目標は達成できたようだ。
教室の前で見ていると、トントンと肩を叩かれた。
振り向くと、凪先輩がいた。
「先輩、どうしたんですか?」
「いや、もう、帰りの時間だろ、
最後にみんなで写真が撮りたいなって思って呼びにきたんよだよ」
「そうですね、私が鶴見君は連れてきます」
そう言って教室の中に入っていた。
校門
「お〜い凪遅いぞ!」
「ごめんごめん、ちょっと呼ぶのに時間がかかって」
「なら全員揃ったし写真撮ろうか」
「だな!」
そういう時僕らは五人で記念撮影をした。
この写真は、また数年後飾られるのであろう。
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