第25話 文化祭
「さあ、今日は文化祭です。皆さん、全力楽しみましょう!」
そんな掛け声で僕らの文化は始まった。
「よっ!凪!」
クラスでの活動も始まり陸から声をかけられた。
もちろん、隣には小春さんもいる。
「どうした?陸」
「いや〜クラスの活動があって一年生の教室に行けない、凪君を助けようと思いまして」
そう言うと、陸はピラっと紙を僕に差し出した。
そこにはうちのクラスで行う迷路のことが載っていた。
「そういえば、これ、クラスでするんだったよな」
「そうだぞ、まあ俺たちはその時間をバンドに回してもらってたけど、それでだ」
そう言うと陸は僕の背中をぐいぐいと押して、
「なあ、説明役が一人足りないなら凪が頼まれるってさ!」
「おい!勝手に、、」
陸がそう言うと僕の周りの人がゾロゾロと集まってきて、じっと見られた。
「えっ?!江頭君やってくれるの!助かるよ」
「いや、これは陸が、、」
しかし振り向くとそこには陸と小春の姿はなかった。
(あいつら〜僕を餌にして逃げたな〜)
そんなことを思いながらも、僕は断ろうとしたが、余りにもたくさんの人から頼まれたので
受けるしかなかった。
「はい、僕が代役やりましょう」
そう言うと後ろの方から何やら衣装を持てってきた。
「じゃあ、江頭君、これに着替えて、しゃべるにはここに書いてあることでいいから」
そう言われて、ファンタジーの魔法使いが来てそうな衣装とメモ紙が渡された。
俺はそれに着替え、クラスの人に見せてみた。
「どうかな、あんまり似合っている自信はないんだけど」
クラスの人に見せたりすると、少し驚かれたような反応をされた。
「いや〜こんなに似合うとは思ってなかったな」
「本当にね〜!」
意外にも褒められ、時間だからと定位置に送られた。
僕らの迷路は学校全体を使ったものでとても大掛かりになっている。
そのため僕は教室ではなく別の場所に配置された。
拘束されるのは文化祭の初めの時間だけだったのであかりと回るには十分な時間があった。
たまたま、僕の配置場所は一年生の教室の近くだったので少し見てみるとことにした。
「ふ〜ん、一年生生はメイド、執事喫茶か、なかなかすごいものするな!」
そんなこと考えてると、あかりから声をかけられた。
「先輩!おはようございます!」
「ああ、おはよう!メイド喫茶やってるみたいだな」
「ええ、そうなんですよ、私はしませんけど、先輩その格好は?」
「ああ、クラスの人に代役を頼まれていて」
「そうなんですね、写真撮ってもいいですか?」
そう言うとスマホを取り出し、カメラを起動した。
「ああ、いいぞ、でも、俺なんかでいいのか?」
「いいんですよ、今の先輩すっごくかっこ良いんですから」
カメラで何枚も写真を撮り始めた。
それを見たのか迷路の参加者が僕を訪ねてきた。
「あの〜二年生の迷路の中間地点でしょうか」
僕は一回、あかりと離れ、仕事に移った。
「はい、そうですよ、では次の問題を言いますね」
「あと、その前に写真お願いしていいですか?」
「ああ、いいですよ!」
と、まあ、きた人来た人、写真を求めてくるので対応が大変になっていった。
そして交代の時間になって主催者に聞いてみると、写真を撮るようなクエストはないと言う
だったらなんで、取られているんだろうと思ってしまった。
「おっ凪終わったみたいだな」
「あ〜やっと終わったよ、人の仕事を押し付けるとか酷いやつだな」
「これで、やっと森山に会いに行ける〜って思ってるだろ」
図星だったので何も返せなかった。
「いや、俺らにもちょっとした、都合があってお願いしたんだよ」
「そうなのか」
「いや別のクラスの司会進行頼まれちゃってて出たくても出れなかったんだよね」
「そうなのか、じゃあ俺はあかりのこと行ってくるよ」
「あ〜それなんだけど、、」
「どうかした?」
「いや、いい知らせと悪い知らせがあって、まあ行ってみなよ」
と陸に言われたが何か分からず一年生の教室に向かった。
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