第20話 新たな一日

あかりと無事に和解でき、今日から、一緒に登校する事になった。

家の場所では僕の方が近いのであかりが家に来てくれるそうだ。

そんな事考えながら時間になり玄関を出るとあかりがもう、待っていた。

「おはよう、あかり」

そう、声をかけるとパッと振り向いて笑顔でおはようございます!と返してくれた。

「じゃあ、行こうか?」

すると、あかりは急に近づいて曲がっていたネクタイきゅっと締めなおした。

「曲がっていましたよ」

「ああ、ありがとう」

そう言ってあかりの頭をポンポンと撫でると嬉しそうにまた笑った。

「なんか、このやりとり、夫婦みたいですね」

僕はちょっとそれを聞いて少しいいなと思ってしまった。

「さっ行きましょ!」

「ああ、行こう」

歩き始めてこっそり手を絡めてきた。

「せっかく、恋人になったんですから、手も繋ぎましょう」

「それも、そうだな」

そう言って僕も握る手を強くした。

学校に着くと陸と小春に会った。

「おはよう、凪、相変わらずデレデレだな〜」

「それはお前もだろ、陸」

言い争っていると周りから変な視線が集まってきていた。

「せっ先輩、、あの〜ちょっと休戦しませんか?周りの目がちょっと嫌で、、」

そう言われて回りを見るとクラスの男子などが憎そうにこっちを見てきた。

まるで、お前ら裏切って青春を謳歌しやがってと言う感情が浮き彫りになった視線だった。

「ああ、悪い!じゃあ、またな」

「はい、またお昼休みに」

と言ってひと足先に陸と小春と僕で教室へと向かった。

クラスの休み時間になるとやっぱり朝のことの話題で持ちきりだった。

「お前らさ〜もうちょっと節度を持っていちゃいちゃしてくれよ」

「そんなにいちゃついていたか?陸はどう思う?」

「俺から見てもいちゃついてたよね」

冷かした目で見てくるがすぐにつっこまれる。

「陸も人のこと言えないぞ」

「でも、自覚がないってのが一番怖いよな、特に凪」

「それな〜女子嫌いがなくなって結構いちゃつくよね〜」

「そうそう、元々のクラスメイトの接し方と雲泥の差があるもん」

「そうか、僕はそんなに差をつけてるってわけじゃ」

「出た、無自覚!」

そんなことをたくさん言われなが次から気を付けようと思った凪と陸だった。

しかしクラスの中には納得がいかない人もいるみたいで、、


昼休みいつものように教室にあかりが訪ねてきて僕が向かうと

うちのクラスの仲のいい男子がなんとなくあかりに質問した。

「ねえ、森山さんだっけ?なんで凪と付き合おうと思ったわけ、

別に凪じゃなくても同じような人結構いるでしょ?

でもなんで凪なのかな〜って」

それを聞いた瞬間、わかるようにあかりの目はハイライトを消し、

ちょっと怖い表情になった。

それを見ると僕はあかりの地雷を踏んだのだと確信した。

「なんで、逆にそんなことが聞けるのですか」

「いや、普通になんでかな〜って思っただけで」

「私が彼を好きな理由があって彼にしかないところもあります。

なのに同じような人?後輩が言うのもあれですが私の彼を貶すのも大概にしてください

確かに、彼よりいい人はいくらでもいるかもしれません。

でも私はそんな彼に惚れたんです。わかりましたか?」

言い終えると、聞いた男子はたじたじになってした。

「すみません、後輩のくせに言いすぎましたね」

「いいえ、こちらこそ彼氏にそんなこと言ってすみませんでした!」

そう言って男子はクラスメイトの中に逃げて行った。

「さっ!先輩!いきましょ」

「ああ、行こう」

そういて二人が教室から出て行った後クラス内ではあかりがかっこいいと

大変なくらい評判になっていた。

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