第11話 水着は刺激が強いです

次の日、窓から海を見ると人が昨日の数倍はいた。


「お昼前なのにこんなにも人がいるのか?!」


「そうみたいだね、これは店が大変なことになるよ」


そう言いながら店を開ける準備をする僕らは目の前に広がる昨日とは全く違う光景を前にし

て言った。


「じゃあ、みんな一緒に店をしてくれるみたいだから安心だわ〜」


「お〜し、じゃあやりますか」


店を開けるとすぐにお昼になったのでお店はすぐに繁盛した。


陸のお店は軽食からちょっとしたアイスまで置いているので人が次から次へとくる。

「凪、ペース大丈夫そう?」


「ああ、大丈夫だけど、そっちは?」


「こっちもギリギリ、まあ、いつもよりは楽だけど」


と言って洗い物と料理を両立させている陸はすごいと思った。


俺も急いで料理をしながら次々とくる注文をこなしていった。


一方でカウンターの方はあかりと小春でうまく回されていた。

小春は普段通りテキパキと注文を取っているし初めての森山も意外にも上手くやっていた。


こうして全員が上手く回して人が多いお昼ごろを切り抜けた。


お昼が過ぎて四人はぐったりしていた。


「やっと終わった〜」


「なっ大変だろ」


「そうだな、でも案外楽しかったかも、あかりはどうだった?」


「私も結構面白かったですよ、ただ面倒臭いところもありましたけど」


そう言うと小春は苦笑いして


「確かに、なんかチャラい人から声かけられてたよね」


「そうですけど、全て断りましたよ」


「そうだったんだ、大丈夫だった?」


「ええ」


「小春はそんなことなかったのか?」


陸が興味本位で聞くと小春はむすっとして。


「いいことに一回もなかったですよ」


陸にはふんっと顔を背けてしまった。


「じゃあ、仕事も終わったし海に行こうか」


「そうですね」


「ああ、行こう」


「うん、行きましょう!」


と店を出ようとするとそこに陸の母が飛び込んできた。


「陸、小春ちゃん、ちょっと待って!」


慌ててきた母親に驚きながらもすぐに何があったのか聞いてみた。


「母さん、どうしたんだ?」


「大変なの、バイトの子が遅れてくるらしくて後、


三十分くらい二人でて手伝ってくれない?」


「どうする、俺はいいけど小春は」


「私もいいですよ、お二人は遊んできていいですよ」


「いや、手伝うよ」


「凪、俺らがいないうちにたくさんいちゃついとけ、

その代わり俺らの前でいちゃつくなよ」


そう陸は言うとしっしと手で払いのけるように海へ行かせた。


陸に追いやられて、海にあかりと着替えていった。


「ねえ、先輩、この水着どうですか?」


と言ってあかりはラッシュガードを脱いで水着をあらわにした。

一瞬目を逸らそうとしたがやっぱり見てしまった。


「可愛いと思うよ、、ただ、もう少し露出を抑えることは出来なかったのか?」


「これでも抑えてる方ですよ」


と言って少し近くに寄ってきた。

しかし、あまり気持ち悪いだとかは思わなかった。


「先輩もやっと女性に慣れてきましたね」


「ああ、そうだと自分でも感じてる」


そい言うとあかりはぎゅっと手を握ってきた。


「行きましょうか、先輩!」


そう言うと手を引っ張って海に走り出して入った。


「気持ち〜ですね」


「海なんていつぶりだろ、やっぱり気持ちいな」


そう言っているとあかりはパシャパシャと水をかけてきた。


「やったな」


そう言ってあかりにも水かける

何とも青春してるって言う状態だろう。

その後、陸達も合流してみんなで海を楽しんだ。


岩場に行き海辺の生き物などを見ていた


「なんか、凪と森山が流されてイチャイチャな展開ってないのかね〜」


「ないよ、そんなことはないよ」


「じゃあ、俺らはこっち行くからまた後でな。


こうしてまた、俺とあかりは陸達と別れた。


ちょっと歩いて人があまりいない砂浜にやってきた


「あかりじゃあ、何し、、うわっ!」


凪は足を滑らせて、体勢を崩した。


その時に横を歩いていたあかりに捕まってしまい、

あかりの上に被さる形になってしまった。


またその時に凪はあかりの水着をずらしてしまい


あかりは大事なところを手で隠す羽目になっていた。


「ごめん!あかり!」


「だ、大丈夫ですけど、その、、見ましたか?」


俺は本当に見てないのでぶんぶんと首を振って否定した。

「ならよかったです」


俺も立ち上がり、あかりは後ろを向いて水着を直し始めた。


「ごめんな、あかり」


「いえ、あれは事故です。先輩が悪いわけじゃないですから、でも先輩でよかったです」


「あれをしたのかが」


「ええ、あれを陸先輩にされていたら、わざとじゃないとはいえ急所を蹴っていましたよ」


「へ〜」


あかりは怖い部分も持ち合わせているのがわかった。


その後、俺の叫び声が聞こえたのか陸達が駆けつけてきて気まずい二人を見て何かを感じ取ったらしい。


そのあと、ずっと二人は小春と陸から何があったか問い詰められてしまった


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る