第9話 買い物内容は秘密です

私はラインで先輩に夏休み海に行かないか?と誘われてしまいました。

私はすごく嬉しいんですけど、服選びのセンスが私には全くなかった。


一度友達と遊びに行った時に言われたのは「それって家着?」と聞かれたほどです。

かと言って親に聞くのもね〜と思っていたところ、

ちょうど先輩のお姉さん結菜さんラインが来ました。

(あかりちゃん、うちの弟とはデートのしたの?もし進んでるなら教えて欲しいな)

と、聞いてきて


(すみません、いつまで凪先輩の家にいますか)


(今週はずっとかな、何か私に用事あるの?)


(実は服選びと、水着を選んで欲しくて、いいでしょうか)


(全然いいよ!じゃあ今週、日曜日お昼ごろ駅前集合ね、)


(はい!楽しみにしてます)


結菜さんは一度あったけど服がとても似合ってて綺麗な人だと思ったので

服選びをしてもらうことにしました。


日曜日、結菜さんの待ち合わせ場所に行くと、お昼なのにナンパされている人がいた。


助けに入ろうと走って向かうとナンパされていたのは結菜さんだった。


結菜さんは私を見ると、こっちに来ないでと、しっしとてで追い払うような仕草をした。


こっそり影から見守っていると、そこに凪先輩も出てきた。


凪先輩がナンパしてきた人に何か言って結菜さんの手を取りすぐに離れて行った。


二人は離れる途中に私を見つけて、こっちに来てくれた。


「結菜さん!大丈夫でした?」


結菜さんはちょっとため息をついて


「全然、大丈夫じゃないけど、まあいつものことだからね〜」


呆れた表情で結菜さんは言っていた。


「先輩もよくここにいましたね」


「いや、姉さんがこっちにきた時ナンパに会いすぎて心配だから

途中まで見にくるようにしてるんだ」


「そうなんですね!」


確かに結菜さんは美人でスタイルも良くて服装も可愛いからよく目のついちゃうのかな。


「どうする、心配だから買い物着いて行こうか?」


凪先輩が心配そうに言ってきたのを結菜さんは


「いいわよ、ついてこなくても、もしまた、絡まれるなら

電話して対応してもらうつもりだから!

それに今日の買い物はあまり見られてくないもんね〜あかりちゃん!」


「そうですね、あんまり見られたくはないですかね」


「そ、、そうか、なら絡まれたら電話するんだぞ」


そう言って先輩は帰って行った。

「それじゃあ、あかりちゃん行きましょうか」


「はい!」

二人は水着やら可愛い服などがたくさん売っている

駅前のショッピングモールに入って行った。


「じゃあ、あかりちゃん、凪に会う時はどんな感じかがいいの?」


「あの〜私はあんまりファッションセンスがないので結菜さんが可愛いと思うものを選んでくれれば」


「いま私の判断に委ねたね?」


「は、はい」


結菜さんを見ると目がキラキラ光っていた。


「よーし!あかりちゃんを着せ替え人形にしちゃおー!」


と言って私の腕を引っ張ってあちこちアパレルショップを連れ回された。


「ねえ、これとか凪、好きそうだよ」


「結菜さんは凪先輩の好みばっかり推しますね」


「だって、凪の彼女だよ、それならあいつ好みにしてあげたいじゃない」


「そうですね、私も少し勉強します」


結菜さんにはワンピースを渡されたり、ボーイッシュ系ファッションをさせられたり

フリフリの服を着せられたりした。

どれも、見た感じ私にあってるような気がした。


「結菜さんはモデルみたいな人だから服はかわいいのを着られるんだろうな」

そうボソッと呟くと


「あかりちゃん、私の服装自分で言うのもアレだけどめっちゃ選ぶの苦労してんるんだよ」


「はい?」


私は結菜さんにの何かに火をつけたらしく服装のことを熱烈に語り始めた。


「まずね、私って胸が大きいのよ、これがめっちゃ服選ぶのをめんどくさくてね。

まずダボっとしてる服だと太って見えるし、

タイトな服だと体つきが強調されちゃうからとにかくめんどくさいのよ」


「は、はあ」

「だからね、あかりちゃん位の体型が一番いろんな服を着れるのよ」


そんな熱烈なファッション講座も聞きながら

似合って先輩も好きそうな服を選ぶことができた。


「さて、最後は水着だね♪」


「何で凪がどんな反応するかちょっと想像ついちゃって」


と言いながら顔を隠してクスクスと笑っている結菜さんの姿があった。


水着売り場に着くと

いろんなタイプの水着が売ってあり私には

どれが自分に似合いそうかとかも一切わからなかった。


「あかりちゃんはね〜、結構いい体型してるから、

ちょっと体の形を隠すようにしたフリルがついた水着がいいんじゃないかしら」


そうして水色の水着が差し出された。


「私も可愛いと思いますよ」


「じゃあ、きてみよっか」


「はい!」

来てみると、ちゃんと結菜さんが言った通りの見え方になっていた。

結菜さんに見せると

「あ〜あかりちゃん、すっごく可愛いよ〜」


「ありがとうございます!じゃあこれにします!」


そう言って水着も無事買うことができた。

駅に着いて、結菜さんは今日で帰るそうなのでそのまま駅に向かって行った。


「結菜さん!今日は本当に、ありがとうございました!」


「いいの、いいの!私もすっごく楽しかったから」


「そういえばもう帰るんですよね」


「ええ、そうね」


「凪先輩には会わなくていいんですか?」


「いや、もう駅にいると思うわよ。

あの子とっても気の利く弟だから、じゃあね、あかりちゃん!」


「はい!また」


私が手を振って見送ると、駅の中には凪先輩の姿が見えた。


何度か話して手を振って凪先輩も見送っていた。


先輩が出てくると私に気が付いて走ってきてくれた。


「あかり、いたのか、そうだった、姉さんうるさかったか?」


「いいえ、そんなことありませんでしたよ、とっても一緒にいて楽しい人でした」



「それはよかった、ちなみに何をしてきたんだ?」


「それは女子の秘密です!」


(先輩には夏休みに入って驚いてもらうんですから)


先輩と海にいける夏休みが待ちどうしくなっているあかりなのであった。

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