第8話 番外編 陸から見た二人

俺の友達は最近、女嫌いを少し克服したようだ。

それは親友としてとても嬉しいことなのだが、一つ物申したいことがある。


それは俺の前でいちゃつきすぎなんだよ!


何だ、あの凪のデレた顔、いつもはしない顔で彼女のことを俺らの前で話して、

ついには自覚はないと思うが俺らとの話でも惚気てくる。


さらには、家での勉強会、

何かとあいつといると必ず彼女だから仕方ないのかもしれないけれど、

いつも、なんか気が付いたらいるのよ!


ちょっと最近そこにイラッとしてるんだよな〜


でもね、見てて楽しいところもあるのよ!



そう思いながらも、親友として見守ってきた甲斐があったと思っている


凪に彼女ができる前は一緒に登校していたのだが、彼女ができて

あいつは変わってしまったんだ。


始めは心の中で、凪女嫌いだし彼女作れないから男の友情が続いていくだろうと思っていた


しかし、凪は告白された。まあ、告白されて俺も後押ししたが、

普通、羨ましいだろ!俺だって健全な男子高校生だよ!


あ〜!俺だって彼女が欲しいよ、でもね、できない人にはできないのよ。


この、リア充にいつも見せつけられてみろ、誰もが一度は思うはずさ

(あ〜、一発、いや気が済むまで殴らせろ〜!)と

そんな中、俺には毎年、夏になるとやることがある。


俺も凪と同じ一人暮らしなため、年に何度かは実家に帰っている。


実家は、飲食店をやってるだから、手伝わないといけない。


その時に会えるのが俺の幼馴染である、有坂小春だ。


キッパリと言うが俺は小春のことが好きだ!


しかし、恐ろしいことに、小春はめっちゃ鈍感なのである。


ある話によると、アピールされても全く気づかず

多くの希望を抱いた男子が散っていったとか。


まあ、俺が実家に帰る理由はそれくらいだ。


もし小春がいなかったらほぼ帰っていなかったかもしれない。


そんな中、親からのメールで(

陸、今回の出店が海の家になったのよね、

せっかくだからお友達連れて遊びに帰っておいで、

今年も小春ちゃんもきてくれるみたいだしさ)


友達か〜誰、誘うかな〜


陸は顔が広く友人は多い方だったが、たくさんの人と連むのはちょっと嫌いだった。


「一番、仲が良くて、一緒にいて楽しくて、ついでに店の手伝いもしてくれる人か〜そう簡単に見つかるわけ、、、」


ここで思いついたのは凪しかいなかった。


しかし、呼ぶか呼ばないかを頭の中で盛大に争っていた。


一方は(せっかく海、なんだから日頃お世話になっている凪を連れて行ったら喜ぶだろうな)


もう一方は(でも絶対、森山も連れて行っていいとか言われて二人のイチャイチャを

帰ってきてまでも見せられるのか)


必死に考えたが


気づいたら凪にメールしていた


(夏休み最初の日曜予定空けとけ、海に連れて行ってやる。森山も連れて行っていいから)


(えっ!いいのか、陸。じゃあ楽しみにしてるね。

後、お礼として店の手伝いもさせてもらうから!あかりにも伝えておくね)


「あ〜あ結局、言っちまった」


結論 陸は友達思い





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