第15話

 眩しさに目が眩む。


 さっきまで歩いていた洞窟とは打って変わり、ここは光で満ちている。


「止まれ」


 さっきまでの声とは違う。後ろで刃物を突きつけているヤツとは違う誰かが声をかけてきた。


 足を止める。目の前には仮面を被った十数人の武装集団が待ち構えていた。


『流石にまずいよ。何とかして』


 自分自身だけならこの数でも何てことないだろうが今は子供を連れている。この仮面集団はなかなかの実力者達と考えると庇いながら戦うのは厳しいかもしれない。


「どうやってここのことを知った?ここのことを知る外部の人間はいない」


(いるだろう。1人だけ)


 この教会は本来バレてはいけない。バレれば即刻解散。下手したら皆殺しだってあり得る。そんな団体なのだ。


 それゆえ関わる人間を減らして情報を遮断し、万が一に備えて少数精鋭の部隊を作り上げた。


 この教会の名前はストリア。勇者と共に魔王討伐の人についた聖職者の名を冠し、彼女が作った教会だ。


(フードをとってくれ)


 この反応を見るに俺の死は既に発表されているのであろう。正直ストリアには優れた諜報機関は無い。


 それなのに、数日前の情報を持っていることを考えると、俺が出発した直後には、死亡の情報が出回っていたと考えるのが自然だろう。


 フードを外す。首が落ちないようにゆっくり。


 顔の下側から光が当たっていく。その様子はスローモーションのように見えた。


 俺の顔がすべて見えるようになった時、仮面の集団は皆膝をついていた。


「サッドマイン様、よくぞご無事で」


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