第13話

「毎度ありがとうございました♪」


 店の店員は上機嫌で俺達を見送った。


『いやー買った買った。よく似合っているぞ』


 子供は恥ずかしそうに目線を逸らした。俺達と会って初めて見せた子供らしい行動だった。


 あの後、俺達は適当なモンスターを狩りながら隣町へと向かった。俺達には着替えが必要だったからだ。


 服従の呪いが解呪されている以上、奴隷の所有権は証明することができない。だから、主人やその傭兵に見つかって何も問題ないのだ。


 でも妨害されるのは面倒くさい。服を変えておく必要があった。


 モンスターを狩ったのはお金を確保するため。服を買うのにもこれから旅をするのにもお金は必要だ。


 幸い勇者にかかればどんなモンスターも圧勝できるので、時間はそこまでかからなかった。


 街の服屋で買ったのは外套とチョーカー、そして大量の子供服。子供服を入れるためにマジックバックも買った。


 かなりの値段がしたが金を稼いだのは俺じゃないし。特に不満はない。


 それに子供の警戒心も薄れたから一概に不要な支出とは言えないだろう。


『それで次はどこにいくんだ?』


 服を買ってご機嫌な声で尋ねてくる。


(教会に行くぞ)

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