第4話 想い

──朝、目を覚ますと湊路そうじは起きていた。

昨日の一悶着があったことで、幾分落ち着きを取り戻せたのは良かったが──


「おはよう、湊路そうじ

「おはよう、真由美さん」

「お母さんって呼んでくれないの?」

「俺は養子だから……」

「ソレがなんだって言うの!」

いつになく、真剣な声で真由美は話す。


「昨日も言ったはずよ、アナタは私の息子!私と健士けんじさんの息子なのよ!」

「……でも……」

「デモもナニもないわ!いい機会だから、話すわね!」

「学校があるから……」

湊路そうじが言い終わる前に真由美が電話の方に向かって行った。


「……もしもし、朝早くにすみません、実は~~」

電話をかけて数分後に戻って来て、湊路そうじの前の席に着いた。


「学校に連絡したから、今日は休みよ!」

有無を言わせぬその迫力に黙って頷くしかなかった。


「その前に、ご飯を作るから待ってて」

「……わかった……」

「おはよう、真由美さん湊路そうじ

タイミングよく父親が起きてきたことで、朝食の時間になったのだった。






湊路そうじそろそろ時間は大丈夫なのか?」

食事が終わったタイミングで健士けんじが尋ねた。

「それが……」

「今日は湊路そうじを休ませました!」

「……と、いうことなんだ……」

「……あ!、なるほどな……」

健士けんじさんもそろそろ時間ではないの?」


その言葉に時計をチラッと見て。

「そうだな、遅れてしまうところだな!」

「お気をつけて頑張って来てくださいね!」

「あぁ、行ってくる!」

「いってらっしゃい!」

そのやり取りを最後に健士けんじは玄関を出ていった。


「じゃあ、話し合いの時間にしましょうね!」

「話し合いって……」

「そうね、まずはアナタの産みの親……私の姉さんについてを話すわね!」

「……!」


               続く

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