31話:闇隠れ

俺はナルクレムへと接近する、ナルクレムが俺に尾を鞭のようにしならせ攻撃してくるが、俺はそれを腕で防ぎ、ブレスを放つ、ナルクレムが横へと跳んで避ける。


ナルクレムが俺の方へと接近し、オーラを纏わせ、翼の刃を振るう、俺は爪にオーラを纏わせ、ドラゴンクローで攻撃する、お互いの爪と刃が当たり弾け、お互い後ろへと下がる。


やっぱり素早いな…、全然隙がない…、徹底して隙を作らないように立ち回ってやがるな…、夜の王っていうだけの事はあるな…。


そう考えていると、ナルクレムが再び俺へと接近するのが見える、俺はナルクレムを迎撃するために構える。


ナルクレムが翼を広げ、羽ばたき、速度を増して俺へと接近してくる、俺は来る場所を予想し、そこにバーストを発動させるが、ナルクレムが空中へ飛び、バーストを躱す。


飛びやがった!飛び上がった今ならあいつは隙だらけ!ぶち抜いてやる!


俺はすぐさまナルクレムがいる場所に再びバーストを発動させる、だが、ナルクレムは片方の翼を使い、真横へ移動して回避する。


なんだあの動き!?翼があるとはいえいきなり真横へ移動!?いくらなんでもおかしいだろ…!空中軌道ってスキルが悪さしてやがんのか…?


そう考えているとナルクレムが口を開けると同時に俺へと飛び込んでくる、俺は咄嗟に左腕を構える、ナルクレムの牙が腕へと突き刺さり、腕に痛みが走る。


俺は腕に噛みついたナルクレムへとドラゴンパンチを放つ、炎を纏った拳がナルクレムの体へと炸裂し、ナルクレムが怯み俺の腕から牙が抜ける


流石に痛いが…ナルクレムに反撃出来たならそれでいい、攻撃を当てることが大事だ、

ナルクレムは回復がない、攻撃を当てていけば勝てるはずだ。


そう考えていると、ナルクレムが態勢を立て直し、再び俺へと駆けてくる、ナルクレムが俺目掛け翼の刃を振り下ろす、俺は後ろへ一歩下がり避ける。


俺は反撃するために右腕を構えるが、その瞬間ナルクレムが回転し尾を振るう、ナルクレムの尾が俺の右頬を殴打するが、俺は左腕を即座に動かし、ナルクレムの尾を掴む。


俺は掴んだ尾を思いっきり自分側へと引っ張り、ナルクレムを引き寄せ、ナルクレムへとドラゴンパンチをお見舞いする。


ナルクレムが怯んだ隙に尾を掴んだまま上空へと飛び上がり、一気に下へと下降し、尾を掴んでいる左腕を振るい、ナルクレムを叩きつける。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ナルクレム

Lv 27/75

HP 319/699

MP 647/671

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

決まった…!かなりダメージが入ったな…!!まだ尾は掴んでる!ここで一気に決めきって…。


そう思った時、ナルクレムの尾が動き、スルリと俺の拳から抜けていく。


っち!抜けられちまったか!だがあいつは叩きつけたばっかだ!つまり態勢を立て直せてないはず!そこを突いてや…る…?


俺はナルクレムを叩きつけた方を見るが、そこにナルクレムの姿はなかった。


ど、どういう事だ…!?いくらあいつの素早さが高いとはいえ叩きつけられてすぐに俺の視界から姿を消すなんて出来ない筈だ…!一体なんで…!


そう思った時、背中に痛みが走る、俺はすぐさまその場から離れ、ヒーリングで傷を癒しながら俺がいた場所を見るが、そこには何も居なかった。


…は?何も居ない…?ど、どういうことだ?攻撃された直後に俺の目が届かない所に移動した…?だとしても気配すらほんの少しも拾えないのはどういうことだ?


どう考えてもおかしい、さっき叩きつけた時もそうだが…明らかに何かしてやがる…、そういやあいつのスキルに闇隠れ…ってのがなかったか?


闇隠れ…今は夜、辺りは暗闇の状態…スキルの発動条件は揃ってそうだな…発動条件が限定的とはいえ強すぎるだろ…!


姿だけならまだしも…気配まで完全に遮断出来るのは厄介なんて次元じゃねぇ…、姿と気配、両方が消えちまったらあいつを捉える術がない…!


手当たり次第に攻撃なんてしても意味がない…どうするべきだ…!火で辺りを照らすか…?だがナルクレムは翼風刃を使えるから消される可能性が高い…。


だったら範囲攻撃か…?でも辺りを全て攻撃する技なんて持ってない…どうするべきだ…。


あいつの姿も気配も捉えれない状況じゃ絶対に攻撃を喰らっちまう…、おまけに反撃だって出来るか怪しい…。


それにさっきは背中だったから助かったが…首を狙われちまったら防げない…オーラを纏った状態で斬られちまったら最悪一撃でKOされかねない…どうすりゃいいんだ…。


何か良いのないか…!使えそうなスキルは………いや、もしかしたらあれが使えんじゃねえか…?


【ストーム】

【風を操り、竜巻を起こす魔法、込める魔力やLvによって規模が大きく変わる、高位のモンスターが使うストームは災害に匹敵すると言われている】


このストーム…使えるかもしれねぇ…、急所をオーラで纏って…攻撃された瞬間に一気に広範囲に発生させてやれば…反撃になるんじゃねえか?MP消費はでかいが…これしかねぇ…!


首の方にオーラを重点的に纏わせ、攻撃を受ける準備をする。


これで攻撃されても大丈夫なはずだ…準備は整った…、これが決まれば大幅に有利になる…!ここは決めておきたい…!


そう考えていた時、突如体に痛みが走る、俺はその瞬間に自分の周りに一気に風を吹かせる、竜巻が一気に横へと広がると共に、視界の隅に微かに血飛沫が飛ぶ。


そこか!明るくすると同時にぶっ飛ばしてやるよ!喰らいやがれ!ファイアバースト!!


【バーストのLvが4から5へと上がりました】


「ギイイイ!!」


俺はバーストの属性を炎へと変え、血飛沫が飛んだ場所へと炎の大爆発を起こし、ナルクレムが吹き飛ぶ。


よし…!闇隠れも解けたみてえだな…!姿が見えなきゃ意味ねえからな、炎のバーストをしてやったが…見事に決まったな…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

セフレール

Lv 10/80

HP 293/791

MP 356/905

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まあかなりMPも使っちまったが…、ここで反撃のチャンスを生み出せたのは大きい…!ここで一気に畳み掛けてやる…!


俺はヒーリングで傷を塞いで血を止め、ナルクレムへと駆ける、ナルクレムが俺の方見ると急いで態勢を立て直し、俺から逃げようとする


俺はグラウンドで地面を隆起させ、壁を作り、奴の足を止めようとするが、ナルクレムが壁を飛び越えひたすらに逃げる。


くっそあいつ捕まらねぇ!あいつ戦闘を放棄して逃げようとしてやがる…!俺の素早さじゃ追いつけねえし…!そっちがその気なら…!こっちも全ブッパしてやるよ!!


俺はナルクレムの前に巨大な竜巻を発生させると共に、ライトニングで雷をナルクレムへと発射する、ナルクレムが俺の発射した雷を避ける。


だが俺はそこに無数のファイアランスを生成し、ナルクレムがいた場所へと一気に発射する、着弾した場所に大爆発が起きる。


「ギイオオオオン!!」


ナルクレムの悲鳴じみた咆哮が聞こえる、俺は止めを刺すためにナルクレムがいる場所へと一気に近づき、腕を構える。


闇隠れで姿も気配も消された時はかなり焦ったが…!これで終わりだ!死にやがれ!


そして俺はナルクレムがいる場所へと腕を振り下ろそうとしたその時、ナルクレムが起き上がると共にオーラを纏った刃で俺の体を2回切り裂く。


俺はあまりの痛さに怯みそうになるが、耐えてドラゴンクローでナルクレムの体を引き裂く。


「ギイ…オオ…ッ」


【経験値を9216得ました】

【セフレールのLvが10から20へと上がりました】


ちくしょう…!最後の最後で2連撃かまして来やがった…!痛っってぇ…!かなり喰らったんじゃねえか…?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

セフレール

Lv 20/80

HP 146/867

MP 127/1004

攻撃力 741(+148)

防御力 796(+153)

魔力 909

素早さ 755(+74)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

かなり減ってるな…、プロテクトの強化がなかったらやられてたかもしれねぇ…とりあえず残ったMPで傷を回復しておこう…。


俺はヒーリングを使い、傷を癒す。


【ヒーリングのLvが5から6へと上がりました】


にしても…寝てる最中に襲われるなんて初めてだったし…流石に疲れたな…流石にこれ以上は襲われないはずだ…、今日はもう寝るとしよう…。


俺はそのままその場に倒れ、眠りについた。

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