27話:新たな地

俺は眠りから目を覚まし、欠伸をしながら体を起こす。


結構寝たなぁ…こんだけ寝たらMPも満タンになってるだろ、まあ一応確認しとくか…。


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アルヴェイル

Lv 58/65

HP 586/586

MP 643/643

攻撃力 532

防御力 578

魔力 601

素早さ 535

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おし、ちゃんと回復してんな、これならもう旅立てるな。


とうとうこの時が来たな、この森から旅立つ時が、正直、ちょっと不安な部分はある、俺はこの森のモンスターとしか戦ったことがない、この森以外にはもっともっと強いモンスターはいるだろう。


だが、それでも俺はいく、強くなり、最強を目指すために、俺はこの森から出る!


そう決めた瞬間、俺は翼を開き、大空へ飛び立つ。


じゃあな!また戻ってくることなんてないだろうが!世話になったな!


俺は森に別れを告げ、まだ見ぬ地へと飛んでいった。






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「はぁ…あの森には何が起きているんだ…こんなことが起きた事は初めてだ…」


俺の名はグレオス・ムラバルズ、ギルドのマスターをしている、そんな俺は少々頭を抱えていた。


「ここ最近ずっとモルゾの森から魔物が出てきては街道で商人や一般市民を襲っている…なるべく依頼を貼ったりギルドの討伐隊を派遣させて処理してはいるが…何しろ魔物の数が多くて対処しきれてない部分もある…一体何なんだ…」


「流石にここまでになってくると森で何か異変が起きていると考える方が自然だ…一番よくあるのが突然変異か何かで強力な魔物が現れたせいで魔物が逃げてきてる…とかな」


「だからモンスターが逃げて街道に出てきた付近の探索を調査するよう命じたが…一体どんな異変が起きているのか…」


だが…森の異変を引き起こしているのが魔物だとすると…流石に無いとは思うが…この異変を引き起こしていると考えられる魔物がいる


その名は、災厄の化身、魔竜ウェルグレイグ、俺自身、実物を見た事はない…が、過去の文献にウェルグレイグの姿を写した物とどの様な魔物だったのかを記録した物が残っている、その姿はまさしく悪魔と形容するに相応しい、悍ましい姿をしていた


そして…過去の文献によれば、ウェルグレイグが現れた場所は魔物を含む生き物の影が消え失せるとのことだ…、ウェルグレイグが現れた場所の魔物はウェルグレイグから逃げるため普段出てこない場所や出現しない地域に現れる事がある。


またウェルグレイグはC+ランクのモンスターとしては別格の力を誇るそうだ、特に魔法の規模が非常に大きい、そして凶暴かつ残忍な性質を持つ非常に危険な魔物と記されている。


そしてモルゾの森のこの異変…過去にウェルグレイグが引き起こした異変と似ているのだ…これは…最悪を考えておいた方が良いかもしれんが…ウェルグレイグが過去に現れたのはどうやら700年前とかそれくらいだそうだ。


ウェルグレイグはフェブルドラゴンが突然変異を引き起こした際、ごく稀に生まれる魔物らしい、だから大丈夫であろう…、恐らく最近森で確認された特殊個体、ヴァルドの進化した魔物が引き起こしていると考えるほうが自然だ。


そう考えていた時、部屋の扉がコンコンと叩かれる。


「入れ」


そう言うと、扉が開かれ、ザイル達が入ってくる。


「ザイル達か、どうだ、何か情報は掴めたか?」


「まあ…はい、ステータスを鑑定などは出来ませんでしたが…異変を引き起こしていたであろう元凶の姿は掴めました」


「おお、そうか、鑑定出来なかったのは残念だが…まあ少しでも情報があるだけで十分だ、それで、どんな姿だったんだ?」


「確か…片方は悪魔の様な悍ましい姿をした竜でした…」


「おお、そうかそう……ん?まて、お前、悪魔の様な悍ましい姿をした竜と、そう言ったか?」


「はい、そうですが…」


…最悪だ、その特徴を持つ竜はウェルグレイグ以外に居やしない…!ヴァルドが進化した魔物が引き起こしていたわけではなかったのか…


もしウェルグレイグが森から出て国に攻めてきたらと考えると…冒険者達にも協力してもらい討伐隊を組んでなんとか討伐できるか…最悪の場合騎士団を動かす事態にもなるかもしれ…


その時、ザイルの言い方に俺は疑問を抱く。


「待てザイル、片方とはどういう事だ?一体だけではなかったのか?」


「はい、もう片方は灰色の体に紫の雷の様な模様を持つ竜でした」


特徴的にアルヴェイルか…?ウェルグレイグだけでなくアルヴェイルまで出現していたとは…これはギルドだけでは厳しいな…王に進言して騎士団の人達を動かしてもらうしかないか…。


そう考えていた時、ザイルがが口を開く。


「あ、ですが、悪魔の様な竜は灰色の竜にやられていましたよ」


その言葉に、俺は驚愕する。


「何だと…?それは本当か?」


「はい、この目でその瞬間を見ましたので間違いありません」


ウェルグレイグを…アルヴェイルが倒した…だと?そんな馬鹿な、アルヴェイルは確かに強い魔物だ、それは間違いないが。


ウェルグレイグのランクはC+だがBランクにも匹敵するほどの強さだと言われている、そんなモンスターをアルヴェイルが倒せるとは思えない…どういう事だ?


「…とりあえずわかった、これが調査の報酬だ、持っていけ」


「ありがとうございます、それでは…」


ザイルはそう言い、頭を下げたあと、退出していった。


「ウェルグレイグを倒すアルヴェイル…か、これは…警戒しといた方が良いかもしれんな…」


俺はそう呟き、仕事を再開した







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

…おいおい、この森が広いってのは知ってたけどよ…。


俺は森の上を飛びながら考える。


いくら何でも広すぎだろうが!!!!どんだけ飛んでると思ってんだ!!全然景色が変わんねえぞ!!


まあそんな文句を言ったところで何も変わんないんだけどな…はあ、意気込んで出発したのにテンション下がるな…。


そう思いながら森の上を飛んでいく、そして、飛び続けて1時間が経った頃、平原の様な景色が遠目に見える


おっ…?おい、あそこに見えるの明らかに森じゃねえよな…?開けてるし…平原?っぽいな!!よっしゃとっとと行くぞ!!


俺は興奮しながら平原の方へと全速力で飛んでいく、そして森を抜けると、目の前に平原が広がった。


おぉ…!初めて見た森以外の景色だ!この平原もなかなか広いな…!とりあえずどんな場所か確認するか。


俺はそう思いながら滞空し、どんな場所か確認する。


ふむふむ、見た感じ普通の平原っぽいな、ここにはどんなモンスターがいるんだろうな…。


てか…今気づいたけど、あそこになんかあるよな?ちょっと近づいてみるか。


俺は遠くに見える物の正体が何なのかを確かめるために近づく、するとその正体が分かった。


あれ…もしかして国か!?初めて見たな…漫画とかで見た事はあるが…実物見るのは初めてだな…はーすげえなぁ。


まあ何かわかったし…これ以上は近づかないでおこう、今の俺はドラゴンだからな、下手に人間と接触しちまったら戦うことになる可能性がある、また人間と戦うのは正直避けたいからな。


俺は国がある方と逆の方向へと飛んでいく、そのまま少し飛んでいく。


さーて、平原に着いたがこれからどうすっか、そういや俺、あと7Lvで進化できる様になるんだよな…うし、なら経験値稼ぎになんか倒しに行くか。


俺はそう考え、何か居ないかを探す。


んー、なんか良さそうなやつ居ねえかな…あと少しだからちょうど良い強さの奴がいたら良いんだが…。


そう考えていた時、何かが集まっているのが見える。


ん…?あれは…?何のモンスターだ?てか何にそんな集まってんだ?ちょっと見にいってみるか。


俺はモンスターが集まっている場所へと飛んでいくと、どんなモンスターが何に集まっているのかがわかった。


あれは…なんだ?狼?どれくらい強いんだ…?鑑定してみるか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ランドウルフ

Lv 20/30

HP 96/132

MP 62/73

攻撃力 89

防御力 61

魔力 52

素早さ 165

ランク E+

特殊スキル

【野生の勘Lv--】【雄叫びLv--】【気配感知Lv2】【砂かけLv2】【仲間呼びLv--】【クイックステップLv2】

耐性スキル

【毒耐性Lv1】

攻撃スキル

【引っ掻きLv3】【噛み付くLv4】

魔法スキル

【デューンショットLv2】

称号

【追跡者】【狩人】【群れ】

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そこまで強くない…がいかんせん数がかなり多いな…10体は居るか?


てか、狼共が群がってるのは馬車か…?っつうことは襲われてんのは人間か!?


見た感じ…護衛っぽいやつが4人いるが…数が多すぎて対処しきれてないな…。


…なんか、ここで見過ごして死なれたらなんかモヤモヤしそうだな…経験値稼ぎのついでに助けるか…。


でもあいつら数が多いよな…あのまま降りたら逃げられそうだよな…そうだ、ライトニングを試してみるか?人間に当たらない様に細めに…正確に…。


俺は魔力を込めて雷を生成し、ランドウルフ達目掛け放つ、ランドウルフ達が雷に打たれ一斉に倒れる。


【経験値を948得ました】

【アルヴェイルのLvが58から60へと上がりました】


一気にやれたな…まああのステータスだしそりゃそうか…とりあえずあいつらの死体食べたいから降りるが…大丈夫だよな…?


まあ俺はあいつらと戦う気も無いから大丈夫だと思うが…さっさと回収して退散するか…。


俺はランドウルフの死体がある場所へと降り、ランドウルフの死体を食べる。


うん…森で食べたオルウルフと似た感じでそこそこう美味い、10体も居るからな、存分に楽しもう…とも言ってられねえんだよな…。


俺は後ろに居る人間達を見る、人間達は俺の方を見ながら腰を抜かしている。


…うん、まあそうだよな、自分達が苦戦していたモンスターの群れを一瞬で葬った竜なんざ怖いに決まってる。


この場面を他の奴に見られたらまた討伐しに来るかも知れないし…死体持ってって離れながら食べるか。


俺はランドウルフの死体を腕で掴み、残りは口で咥えて人間から離れて飛んでいく。


ほんとは地上で食べたいが、こればっかりは仕方ねえな…、食いながら手頃な奴探すかぁ…。







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

みなさまどうも、作者の黒です、いつも読んでいただきありがとうございます、とても励みになっています。


この話で今年は最後の投稿となります、今年の9月から投稿し始めたこの作品ですが、思ったよりも色々な人に応援され、とても励みになりました、改めてありがとうございます。


来年から少し忙しくなるので投稿が遅くなるかと思われますが、宜しければ来年も応援よろしくお願いします!皆様!良いお年を!

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