18話:怒りの原因


さあ、ここからが問題だ、ここからオーラを纏ったアイスランスをロックドラゴンに撃ち込んで一撃で仕留めなきゃなんねぇ、1発勝負、確実に仕留めれる場所に叩き込まなきゃいけねぇ。


だが俺はどこに撃ち込むかは決めている、それは首だ、ロックドラゴンは体のほとんどが岩に覆われてるが、首だけは覆われてない、首まで岩で覆ってたら首を動かせねえからな、そこをぶち抜いてやる。


「ゴオオオオオオオオオオッ!!!」


ウォーターバレットでダメージを与えられたのが頭に来たのか、ロックドラゴンが叫びながら俺へと走ってくる。


来やがったな、接近戦に付き合ってやる気はねえ、避けながらアイスランスを撃つ隙を探してやる。


ロックドラゴンが俺に尻尾を振るう、俺は後ろに下がり避ける、がロックドラゴンはそれだけじゃ終わらず、ブレスを俺に発射してくる。


俺はブレスを横に飛んで避けたが、ロックドラゴンの猛攻はそこで終わらず。続けてブレスを連射してくる、俺は避けることに集中し、ギリギリでブレスを躱していく。


おいおいおい何発撃ってくるんだよ…!避けるので精一杯だぞおい!だが連射してちゃロックドラゴンのMPじゃすぐ切れるぞ、まあMP切れまで撃ってくるなら俺はそれまで耐えてやるだけだがな。


俺は飛んでくる炎の弾をひたすら飛んで避ける、ロックドラゴンの体格から放たれる巨大なブレス完全に避けきることは出来ず、炎が俺の体を掠る。


何とか避けちゃいるが完璧に避けれねえ、やっぱ炎がデカすぎる、だがあいつも馬鹿じゃない、俺にブレスが全然当たってないしそろそろブレスを撃つのをやめるはずだ。


そう思っていると俺の予想通りロックドラゴンもブレスが当たらず無駄だと思ったのかブレスが飛んでこなくなる。


ブレスが止んだな、どれくらい減ったか確認しておくか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ロックドラゴン

状態 激昂

Lv 30/60

HP 268/446

MP 38/213

攻撃力 392

防御力 479

魔力 197

素早さ 143

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

よし、案の定MPはだいぶ減ってやがる、これであいつも迂闊にファイヤブレスは使えないだろう、ただHPが少し回復してる、やっぱあんまり時間をかけたくねえな。


そう考えているとロックドラゴンが地響きを起こしながら俺に接近してくる。


やっぱ接近戦を仕掛けに来たな、だがそれは俺にとっちゃありがてえ、なぜなら俺は飛べる、飛べないロックドラゴンは俺に攻撃を当てること自体難しいはずだ。


ロックドラゴンが俺に腕を振り下ろす、俺は左に飛んで避けると、続けて尻尾を横に薙ぎ払ってくるが、俺は上に飛んで避ける。


思ったよりも隙がねえ、このままだとお互い不毛だな、どうにかあいつから隙を見せてくれるといいんだが…。


それから俺はロックドラゴンの噛みつきや尻尾をひたすら避ける、ロックドラゴンは俺に攻撃を避けられまくっているのが頭に来ているのか、俺に向かって叫ぶ。


「ゴオオオオオオオオオオッ!!!!!」


怒ってやがるな、だがこれで怒りに身を任せて隙を見せてくれりゃいいんだが、どうかね…。


「ゴオオオオオオオオオオッ!!!」


その瞬間ロックドラゴンが痺れを切らしたのか、地面を思いっきり叩き、俺の後ろに三日月型の岩の壁を隆起させる。


おっと岩の壁を作って来やがった、かなり高さがあるし三日月みてえに曲がってるから横にも避けれない、本気で勝負に決めに来やがった。


そんなことを考えている内にロックドラゴンが思いっきり腕を振り上げ、俺に振り下ろそうとしてくる。


このままじゃ潰されちまう、こうなりゃ迷ってる暇はない、やってやるしかねえ…!!


俺はロックドラゴンの下の方へと飛び、下に潜り込む、ロックドラゴンの攻撃が外れ、地面が割れる。


よっしゃ上手く行った!よし、この隙にアイスランスを…!


そう思った時、突如ロックドラゴンが振り向き、ブレスを発射してくる、俺の体が炎に包まれる。


ぐおっ!!ブレスだと!?まだMPが残ってやがったか…!!だがこれはチャンスじゃねえか?、炎で燃やされようが俺ならまだ耐えれる、今のうちにアイスランスを生成して首に撃ち込んでやる…!


俺はロックドラゴンの首の上の方にアイスランスを生成していく、体が燃えるのを気にせず大きく貫通力の高い形状にしていく、そしてその氷の槍にオーラを纏わせていく。


【アイスランスのLvが2から3へと上がりました】

【ドラゴンオーラのLvが2から3へと上がりました】

【オーラ操作のLvが1から2へと上がりました】


今ならあいつは警戒してねぇ…!行ける!!喰らいやがれ!!


俺は思いっきりアイスランスを発射する、氷の槍がロックドラゴンの首を貫いたと同時に炎が止み、ロックドラゴンの顔が落ちる。


【経験値を3481得ました】

【アルヴェイルのLvが15から36へと上がりました】

【魔法スキル、パワーLv2を獲得しました】

【魔法スキル、クイックLv2を獲得しました】

【魔法スキル、プロテクトLv2を獲得しました】


決まった、決めてやった、ぶち抜いてやった…!俺が勝った、正直魔法も効かなかった時はかなり焦ったが、アイスランスが予想以上の威力だったな!さて、ステータスがどれくらい伸びたか確認するか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルヴェイル

Lv 36/65

HP 132/454

MP 5/476

攻撃力 429

防御力 447

魔力 482

素早さ 403

ランク C+

特殊スキル

【鑑定Lv--】【野生の勘Lv--】【竜鱗Lv4】

【アナウンスLv--】【飛行Lv6】【硬鱗Lv4】

【火事場の馬鹿力Lv--】【気配感知Lv5】【ドラゴンオーラLv3】【オーラ操作Lv2】【不屈Lv--】

耐性スキル

【物理耐性Lv4】【魔法耐性Lv4】【酸耐性Lv3】【毒耐性Lv3】【麻痺耐性Lv3】【落下耐性Lv3】【炎耐性Lv1】

攻撃スキル

【ドラゴンファングLv5】【ファイヤブレスLv5】【ドラゴンクローLv5】【ドラゴンパンチLv5】【ドラゴンテイルLv5】【翼風刃Lv5】【スカイダイブLv3】【ウィングアタックLv4】

魔法スキル

【ファイアランスLv2】【アクアバレットLv4】【デューンバレットLv2】【アイスランスLv3】

【ヒーリングLv2】【マナシールドLv2】【パワーLv2】【クイックLv2】【プロテクトLv2】

称号

【転生者】【勇敢な者】【追跡者】【下剋上】【不屈の精神】【魔法使い】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ステータスがかなり伸びたな、魔力が400超えたのはいいな、てか補助魔法使えるようになったな、これ超でかいぞ!?これならあいつ、ウェルグレイグにも届くんじゃねえか…?


確かあいつのステータスは380くらいだったはずだ、流石に前よりかはLvも上がっちゃいるだろうが行けるんじゃねえか?…よし、決めた、俺はあいつにリベンジしにいく、このステータスなら行けるはずだ。


まあだが今の俺はHPもMPも殆どねえ、今日は休んで回復させてからリベンジしにいくとしようか…。


だが休む前に確認しておきたい事がある、それはこいつの怒りの原因だ。


ロックドラゴンが怒ってた理由が子供関連なのは間違いねえ、となると考えられんのは、卵でも破壊されたか…はたまた子供を殺されたのか、どっちにしろ死体かなんかはあるはずだ。


幸い俺のHPはまだ残ってる、ステータスも上がったし不意打ちじゃやられないだろう、気配感知も発動させてたら不意打ちも大丈夫なはずだ、うし、行くか。


俺は森を駆けてロックドラゴンが現れた周辺を探索する。


うーん、なかなか見当たらんな、まあそりゃそうか、この森かなり広いもんな…。


そう思いながら探索していると、ほんの微かに血の匂いを感じる。


血の匂い…?もしかしてロックドラゴンの血じゃねえか?血の匂いの方向にいけば見つかるかもしれねぇ、よっしゃいくぞ。


俺は血の匂いの方へと駆けていく、進むたび、血の匂いが強くなっていく、そしてかなり血の匂いが強くなった時、俺は目的の物を見つけたが、それは俺の予想とは違っていた。


そこには確かに爪で引き裂かれた子供のロックドラゴンの死体があった、だが、それだけじゃなかった。


子供の死体のすぐ横で血を口から吐き出しながら倒れる死体があった、それは紛れもなく、俺が戦った成体のロックドラゴンだった。


…おい、どういう事だ?子供はわかる、まだ成長途上で岩の甲殻も育ってねえから死にやすいからだ、だが親まで死んでいるだと…?ロックドラゴンを倒せる奴なんざ…この森じゃ俺が知る限りあいつ、ウェルグレイグくらいしかいねぇ…。


嘘だろ、あいつに親子諸共殺されたってのか?、んであいつはこの死体の番だった…ってとこか?でもあいつには番の称号がなかった…。


いや、よくよく考えりゃ、ロックドラゴンが怒るのは種族説明的に子供の事以外ないんだろう、子供を持っているのに番の称号がなかった理由…番が殺されたから…か。


これはあくまで俺の推測だが…あいつは餌の調達かなんかで巣を離れてた、んでこの死体の奴は巣で子供を守っていたところに、ウェルグレイグが現れた。


ロックドラゴンとウェルグレイグが戦った結果ロックドラゴンは殺されて…そして子供も後から殺された、んであいつはその現場を見てウェルグレイグを追いかけた…。


全く傷がついてなかったのはウェルグレイグといえども2体も相手する余裕なんざなかったんだろう、ウェルグレイグは逃げたんだ、だとするなら俺に対して離れていたのにも関わらず俺に攻撃して来たのも合点がいく。


あいつは激昂していた、だから俺をウェルグレイグだと勘違いしたんじゃねえか?恐らくあいつは怒りに支配されてまともな思考なんざ持ってなかったはずだ、だったら同じ竜である俺をウェルグレイグと勘違いしててもおかしくはねえ、だから俺を見て叫んで本気で殺そうとして来やがったんだ…。


これが合っているかはわかんねぇ、だがこの死体の奴があいつの番なのはほぼ確定だろう、とんでもねえ奴だ…こりゃ、尚更生かしとくわけにゃ行かねえな。


あいつは化け物だ、このまま生かしておいちゃあいつはどんどん進化していずれ誰にも止めれなくなっちまう、そうなる前に、俺が殺す、必ず、この手でぶち殺してやる、待ってやがれよ、ウェルグレイグ。

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