家庭の事情から一人暮らしをする高校生、大路真人。ある日、バイト先のスーパーで同級生の女子、姫白麻帆と偶然会う。真人が一人暮らしであることを知った姫白は、半ば強引に彼の家に押しかけ、その上なりゆきで頻繁に通うことに。二人の関係は一体どうなる?
「この関係って本当にただの友達なのかな」
いや絶対違うと思う。
まず最初から、姫白の真人への好感度は相当高く、ごく自然な感じで一緒に部屋にいるようになるし、部屋の合鍵も渡している。これはどっからどう見ても友達の枠に収まる関係じゃないでしょう。
そういうわけなので、早い段階で二人が部屋でイチャラブする内容の小説になってるのだが、先行きにはやや不穏な雰囲気も漂う。
姫白は目立つ容姿と成績学年一位という才媛だが、学校ではずっと寝てばかりいるということでクラスメイトとまともに話したことすらない。真人の部屋に来たがった理由も、なるべく家にいたくないという家庭の事情に由来しているようだ。
真人も両親が亡くなり、叔父夫婦に育てられた身という家庭の事情を抱えたもの同士、ある意味お似合いの組み合わせとも言えるが、家からの逃げ場所を求めるための関係は、果たしてこの先も続けていけるものか。
多分、少女漫画みたいな話が好みの方は気に入るであろう一編です。