創作論……らしきもの。『誤用』あるあるのお話

 皆様、ごきげんよう。


 今回は『誤用』について、考えてみます。

 『誤用』されやすい熟語と言えば、良く知られているのが『役不足』ですね。

 本来の意味ではない方で使う人が圧倒的に多く、一般的な会話での『誤用』もないとは言えない気がします。

 役が不足しているをどう捉えるかでがらっと意味が変わってしまいますしね(´・ω・`)

 この『役不足』はWeb小説でもそれなりの確率で見かけると思います。


 『役不足』

 恐らく、もっとも間違われた使い方がコレ。

 「あの人では役不足だよね」ではないでしょうか?

 そうです。

 対象とされる人の力が不足しているので妥当ではないの意味で捉えている方が意外と多いこの熟語。

 実は意味が全く、逆なのです。

 対象とされる人の力ではあの程度の役では足りないが正しいのです。

 役が不足しているの意味の捉え方次第とはそういうこと(´・ω・`)

 だから、「あの人では役不足だよね」を『誤用』の意味で書くのなら、「あの人では力不足だよね」が正しいということになります。

 ただ、日本語の難しいところは間違った意味でも使われ続けているとそれが正しい意味になってしまう場合があるということですね🌿


 『聖人君子』

 最近、なぜかよく見かけるのが「あの人は聖人だ」という用法です。

 聖人と君主をくっつけた新しい四字熟語が誕生したとしか言えません。

 正しくは『聖人』です。

 君子、危うきに近寄らずなどの中国の故事成語で出てくるあの君子が正しい用法となりますが、かなりの確率で見かけるので聞き間違いなどから広まったのではないかと思っています。

 こむら返りのコブラ返り(´・ω・`)

 蛇のコブラと聞き間違いたのと同じ可能性ですね。


 『確信犯』

 これはつい間違って使うことが多いと思います。

 「あの子はまたずる休みしたの? 確信犯だよね」みたいな使い方をしがちではないでしょうか?

 軽い感じで使ってしまうとも言います。

 本来は政治的だったり、宗教的な思想が絡んだ思想犯などの犯行を指した法律用語だったそうです。

 思想に沿って、確信したうえで行われる義務感や使命感を伴う犯行を行うことが『確信犯』ということになります。

 ただ、この用法で使っている方がレアなケースな気もします(´・ω・`)


 同様のタイプの『誤用』として『愉快犯』も挙げられるかもしれません。

 犯罪行為に走ること自体を楽しんでいる者が『愉快犯』ではありません。

 『愉快犯』は自分の犯行により、社会や世間が慌てふためいたり、混乱に陥る様を見て愉快と感じ、喜ぶことを指しているのです。

 ちょっと意味が違ってきますね。

 「俺は殺しが楽しいんだ、ヒャッハー」な殺人ピエロがいたとしましょう。

 殺し自体が楽しい殺人快楽者な『愉快犯』には入りそうもないですが、彼の殺人行為により社会はパニックに陥り、その状況もまた、彼を楽しませているとしたら……。

 これは『愉快犯』なのか?

 実に頭を悩ます問題になりそうです。


 日本語難しいアルネー(´・ω・`)

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