第6話 それは新たなる人生の始まり
あれから1人で家に帰ってきた俺はレベルupしたステータスを見ていた。まず、この7年で変わったレベルup前のステータスがこれだ。
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名前:ナル
年齢:13歳
種族:人間
LV:1
筋力:10
魔力:8
敏捷性:11
器用:15
耐久力:6
称号スキル
剣術LV.2 双剣術LV.1 槍術LV.1 体術LV.1 弓術LV.1 隠密LV.1 農業LV.1 火.水.風.土.光.闇属性魔術LV.1
スキル
なし
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この世界の平均ステータスは、20歳のレベル1で総合で60を超えるぐらいが平均だと言われている。武術の鍛錬などで体作りをして平均よりステータスは上がっているがそれで主人公組と雲泥の差だ。
そして5年かけてようやく全ての初級の属性魔術を習得することが出来た。まぁ、魔術だけを教わっていたわけではないので、このくらいかかるのも当然なのかもしれない。それにこれからはレベル上げのために積極的的に使っていくし、レベルupの時にスキルレベルも一緒に上がることもあるので今までよりは早いと思われる。
せっかく全ての属性の初級属性魔術が使えるようになっなたので、この手数を生かした戦闘をできるようにしていきたい。俺の場合は魔力量では才能のある魔術師に比べて低いので、1つか2つの属性魔術に特化した魔術師相手には、恐らく魔術の威力の差で敵わないので違う道を模索するしかない。それもレベルが上がれば変わるかもしれないが。
少し手当り次第にやり過ぎた感はあるが、まあ楽しかったのでいいだろう。
魔兎を倒す際に使った命中の矢は武技だ。弓を父さんに習った時に教えてもらい、練習をして出来るようになった。
今の考えとしては、前世ではアルカディア以外のゲームもしていたので、色んな武器や戦い方を知っている。その経験を活かして剣や魔術、体術を使った手数を活かした戦いをしていきたい。
そしてこれがレベルupした時のステータスだ。
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名前:ナル
年齢:13歳
種族:人間
LV:2
筋力:10
魔力:8→13
敏捷性:11
器用:15
耐久力:5
スキルポイント5→0
称号スキル
剣術LV.2 双剣術LV.1 槍術LV.1 体術LV.1 弓術LV.1 隠密LV.1 農業LV.1 火.水.風.土.光.闇属性魔術LV.1
スキル
なし
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魔術の練習をするにも僕の魔力では1日に練習出来る量も限られているため、今回のステータスポイントは全て魔力に振った。流石にまだスキルのレベルは上がらないようで、ゲームキャラ達のようにはいかないなとため息をつく。
「しかしやっぱりゲームキャラ達のような能力値上昇はしないか」
これがゲームキャラ達なら貰えるステータスポイントは10である。単純に考えてゲームキャラ達と同じ土俵に立つには、2倍のレベル差がないと話にならないのである。
「全く、ゲームをしていた頃は特に何も思わなかったけど、こう思うとかなり反則じみているな」
まあでも、それでこそ目指すべき目標になるし、僕が主人公たちより速くアルカディアまで行くためにも明日からレベル上げをしていこう。
そう、僕の今の目的はアルカディアに行くことである。元々はこの世界で安全に過ごし人生を全うしようとしていたのに、えらい変わりようである。それほどまでに初めのレベルupは凄まじいものがあった。自分という存在が根底から覆るようなそんな感覚が。
モブとしてこの世界に転生したとき、僕だって1度は考えた。この世界がゲームの世界だと知りその知識も持っている俺が、世界を救うことが出来るんじゃないかと、でもすぐに考え直したんだ、自分は主人公に転生したわけでもないし、特別な力があるわけでないのだからと。自分は前世と同じ、ただの一般人であるモブに転生したんだとそう思い、普通に生きようとしたんだ、どうせただ生きていても主人公達がいずれ来る厄災から世界を守ってくれると、そう知っているから。
でもレベルが上がって世界の見方が変わった。何故かはわからないけど、自分にも出来ると思ったんだ。もちろん主人公達よりもより過酷だと思うけどゲーマーとしては難易度が高いのは逆にワクワクするってものだ。それに1番の理由は楽しそうだと思ったからなんだ。前世の自分が死ぬ前にハマったゲームなのだ、それをもう一度、今度はゲームの世界の主人公アルノアではなく自分自身でプレイするなんて、そんなの楽しいに決まっている。
前世では先を見ることが叶わなかった、ダンジョンの最奥に存在するアルカディア。それをこの目で見てみたいと思うのだ。
もちろん、ここはもうゲームの世界ではなく、現実だとはわかっている。だからこそ僕はこの先の人生を、自分が楽しめる方に進むのだ。
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