第2話 輪廻転生か異世界転生か乗っ取りか

精歴724年 5月2日


 アルバーン王国 東部 カルロ村


 村の周りを木の柵で囲いその中で畑を育て人々は生活していた。そんな村で村長の家の次に大きい家で、俺は主人公達が生まれる3年速く生まれた 。


 俺が自分の前世の記憶を思い出したのは生まれてから5年の月日が流れてからである。


 ステータスや魔法と言ったものや、どこか見たことがあるような光景など、いろいろな違和感が積み重なり最後には高熱を出し記憶が戻った。


 俺はこの世界に転生したと気づいた時はそれはもう落ち込んだものだ。当然だろう前世に未練ありまくりだし、両親もまだ健在で俺のほうが先に死んでしまって、悲しませてしまっているだろうから。


 まさか本当に転生するなんて、最初は余りにも現実感がなく、寝て起きたら元の生活に戻れるものだと思ってしまったほどだ。


 しかし、しばらく過ごしたことである程度は割り切れるようになった。というかそうしないとこの世界で生きて行けなくなってしまだろうから。そのため今世ではしっかり人生を全うしようと思った。


当たり前だがこの世界で5年を過ごした『僕』という記憶は存在している。俺も最初はこの子の体を乗っ取ったのかと思ったが、この5年間の生きてきた記憶はあるためどちらかというと同化に近いのかもしれない。しかし人格は数十年生きていた記憶がある前世の俺に近い形になっている。


これは乗っ取っりになるのだろうか? まぁ考えても仕方ないことなのでもういいだろう。


 そして今世での家族は4人で父と母に兄がいる。父さんはかなりごつい人で母さんはそこしだけふくよかだが魔法が使える人だ。


 僕の両親は元は冒険者らしく村の人からよく頼られているのを見る。しかもその働きぶりは凄まじくかなりステータスが高いのだろう。


畑仕事は普通の人たちの半分の時間で倍の働きをし、よく村の外に出ては仕留めた動物や低級の魔物を持ってきている。さらに、村に魔物が襲ってくると率先して倒しにいき村を守っている。


 家の中には当たり前だが、現代日本のような電化製品はないがその代わり魔石を使ったものがある。大体の家には照明の魔道具しかないが少し裕福な家庭は水や火を生み出す魔道具などもあるそうだ。


そんな感じで俺は今世を平和に生きいる。






 記憶が戻ってから3年が経ち8歳になった。3年も経てばこの世界での生き方というのも分かってきた。ゲームの頃は知らなかったがこの世界の人達は皆等しく魔力を持っているようだ。他の村や町は知らないが、この村では元冒険者で魔術師をしていた母さんがよく村の人達に教えているの見る。


そのためかこの村では魔術を使える人がかなり多いようで、生活をしていく中で当たり前のように魔術を使っている人を見る。この村では魔術は広く普及しているようだ。もちろん使えない人もいるが使える人の方が多い。


 最近の僕は子供でもできる仕事を手伝ってからは自由時間になるので家に帰ってきていた。今日はある程度この世界のことが分かってきたので僕はこれからどいう風に生きていくの考えてみようと思う。


 とりあえず、今の自分を再確認するために頭の中でその存在を意識して言葉を口にする。


「ステータス」


 ————————————

 名前:ナル

 年齢:8歳

 種族:人間

 LV:1


 筋力:4

 魔力:5

 敏捷性:6

 器用:8

 耐久力:3


 称号スキル

 なし

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 やはりこの世界はゲームなのだろうと現れたステータスを見て思う。俺のステータスはまだレベルupしたことがないため、これは俺の初期能力値と言える。ステータスは成長と共に上昇し、他にはレベルが上がることでステータスが上がる。


 しかし現実というのは世知辛い。俺のステータスは同じ年齢の子と殆ど変わりないが、ゲームキャラのような特別な人達は、初期ステータスがそもそもからして高く、さらにレベルup時のステータスの上がり方も一般人とは比べるまでもなくなく高いのだ。


 つまりいくら転生者であっても、その能力の差を埋めるのはとても難しいため、俺は物語に関わるのは諦め彼らに任せることにした。逆に俺が物語に関わることで、何かバクのようなことが起きてしまうかもしれないので大人しくこの世界を生きるしかない。


 ちなみに、ダンジョンオブアルカディアには邪神カノリアスを復活させようとする、邪神集団が存在していたり、そのトップが魔王だったりするが、星天教会と呼ばれるところが主人公達を勇者として世界を救う戦いに行かせて、何だかんだありつつ世界を救ってくれるはずなので、俺はこの村でのんびりと過ごしていこうと思う。


 でも少しは魔術を使ってみたいとは思っているので、今度母さんに魔術を教えて貰えるように頼んでみようかなと思いつつ俺は眠たくなってきたので昼寝をしに行った。


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