19

少女が指差した方向を向くとそこにはゴブリンが一匹いた。

なんだ一匹かしかも武器無しかそれくらいならいけるなと安心しながらもゴブリンの動きを伺う。

しばらく睨み合いをした後、ゴブリンが動き出したので様子を見てから動こうと考えていると

「化け物、くらえ」

と少女がボロボロの剣を持ってゴブリンに突進して行く

「馬鹿、やめろ」

と咄嗟に言うが少女に聞こえなかったのか少女はそのままゴブリンに突っ込んで行き、ボロボロの剣を振るう。

だが、剣が当たる前にゴブリンに避けられてしまう、避けたゴブリンは剣を振るった後の無防備な少女に蹴りを入れる。

蹴りを入れられた少女は軽く吹っ飛ばされ倒れてしまった、このままじゃやられるのではと思い俺は少女の元へ駆け寄ろうとする。

しかしゴブリンは少女には目も暮れずこちらに向かってきた、少し予想外の行動に焦ったが俺は練習の日々を思い出し、心を落ち着かせる。

ゴブリンはそのまま俺に向かってきて飛び掛かってきた。

あの時みたいだなでもあの時とは違うと気合いを入れて剣をゴブリンの腹に突き刺す。

すると剣は貫通し、ゴブリンは苦しそうに少しジタバタして動かなくなってしまう、やったかとゴブリンを観察していると体に違和感を感じる、一瞬焦ったが王様が魔物を倒したら、強くなるような事を言っていた事を思い出し、これは倒して強くなったのかなぁと思いながら刺さっているゴブリンを地面に捨てた後、少女の元へ駆け寄る。


少女の元へいくと

「ごめん」

とうわ言のように呟いていたので命はあるなと安心しつつ、少女をおぶり、村へと戻る事にした。

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