旅立ち 9話

シェリーは泣き疲れたのか、寝てしまう。

俺とマルコスはすごいと思いながら

「「ありがとうございました」」

と小声で挨拶したら、

「この子これからどうするの」

と聞いてきたので、俺はどうするか悩み

「この子に居場所が無いのなら俺が居場所をつくってあげたいと思っています」

と言うと女性は不思議そうな顔で

「どうして、この子にそこまでするの」

と聞かれたので、前世で独りで生きていたから分かる同情か、助けたからの責任感かどうしてかはハッキリと分からなかったが

「自分自身でも良く分からないのですが、自分で助けたからには責任持たないといけないと思うからですかね」

と言うと

「そうですか、私が言うのはおかしいと思いますがこの子の事をよろしく頼みますね」

と言った時ベットが動きシェリーが起き上がると、俺の顔を見て

「ごめんなさい」

と今度は泣かずに答えてくれたので

「いいよ、いいよ、最初から言っているけど、気にしてないから」

と言うとシェリーは首を振り

「それもだけど、違うの」

と答えたので俺が首を傾げているとシェリーは

「実は私、寝たふりをして全部聞いてたの、あの人達を捕まえるとか仲間にするって話を聞いて、この人たち良い人なのかと思って起きて言葉を伝えようとしたら、心の中グチャグチャで、泣いちゃって」

と少し言葉足らずだが言いたいことは分かったので俺は

「別に良いよ、それよりも心の中落ち着いた?」

と聞くとジェシカは頷いたので

「それなら良かった」

と言い会話が途切れ、何を喋ろうか悩んでいたら

「落ち着いたのならみんなでじゃ、自己紹介しましょう」

とジェシカを宥めていた女性が手助けをしてくれたので感謝しつつ自己紹介を始めた

「俺の名前はセイン、勇者になる漢だ」

と堂々と自己紹介をすると女性は疑惑の目を向け、シェリーは急に目を輝かせて

「勇者ってあの勇者」

と言って来たのでどの勇者かわからないが

「あの勇者だぜ」

と自信満々に言ったら、シェリーが喜んだので成功したと思いながら自己紹介を終えた。

次にマルコスが自己紹介を始める

「私はマルコスと申します、王国軍の軍団長をやっております」

といつものマルコスではなく堅苦しいマルコスで挨拶すると、シェリーは普通の顔で女性は驚いた顔で

「騎士だとは思っていましたが偉い人だったんですか、どうして軍のトップが此処に居るのですか?」

と質問をしてきたのでマルコスは堅苦しく

「此処に居る勇者セイン殿の護衛の任務を任されていますので」

と言うと女性は俺に向かって少し頭を下げてから

「私の自己紹介の番ね、私は此処の従業員をやっているイレーナです」

とレイラが自己紹介を終えたので次はシェリーの番だよな自己紹介させて大丈夫かなと思い

「そうだシェリー、俺がゴブリンと戦った話し聞きたい」

とシェリーに聞くと、シェリーは目を輝かせて

「うん、聞きたい」

と言って来たので、俺がゴブリンを倒したとか嘘や脚色をして説明したら、シェリーが目を輝かせて

「セインはすごい勇者なんだね」

と褒められたので若干の罪悪感を感じながら

「どうだ、すごいだろう、でも1人だと厳しくてね、仲間が欲しいって今思っているんだ、だからシェリーが仲間になってくれないかな」

と提案するとシェリーは不安そうに

「私には得意な事無いから無理だよ」

と言われたので、悩みながら

「俺も得意な事なんて無いよ」

と言うとシェリーはすぐに

「嘘だ」

と言ってきたので

「俺も昔ね得意な事無かったんだよ、でもね何か得意な事を見つけないといけないなと思って色んな事を練習していたんだ、最初は全然駄目だったけど、何回も何個も練習したら、得意な事が出来たんだ」

とつい前世の事を語ってしまったが、まあいっかと思いながらシェリーをみたら、シェリーが

「セイン、昔は得意な事無かったの」

と聞いてきたので

「そうだよ」

と返事したら、シェリーは不安ながらも

「私に勇者の仲間が出来るか分からないけどやってみたい」

と言ってきたので俺はシェリーに手を差し出して

「じゃ決まりだな、シェリーこれからよろしくね」

と言うと、シェリーは

「うん、よろしくねセイン」

と言って手を掴んできた。

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