転生皇帝〜のんびり過ごすために奮闘す〜

しょーちゃん

第1話 転生の間

 アルカディア帝国。


 いわゆる『異世界』のとある世界に存在する大国である。


 そんな大国に激震が走った。


 “皇帝の次の子どもは使徒である“と。


 話の出所は神の信託を受ける”聖女“なる人物が神からの信託を受け、公表したからにすぎない。


 この世界にはアルカディア帝国のほかに3つの国が存在するが、瞬く間にその話は広がった。


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side:通称『神の間』


 「……そんな訳でお主にはアルカディア帝国の次期皇帝として転生してもらうぞい」


 「はぁ」


 俺は今、神の間という場所で異世界に転生することを告られた。


 地球という惑星でダラダラ過ごしていたはずが、時期皇帝として転生しろといきなり言われたのである。


 「なに、そんな難しいことは言っておらん。地球で過ごして手に入れた知識を向こうの世界で存分に披露してもらいたのじゃ」


 この神様はいわゆる創造神らしく、地球で謎の死を遂げた俺をたまたま神の間に連れてきたらしい。


 しかも、俺が神の使徒として産まれることはもう伝わっているそうだ。


 バレないようにこっそりするとか、そんな話ならまだしも俺が産まれる異世界『カドウィン』の世界中にその話は広まっているみたいだ。


 「戦いとは無縁の日本人の俺が異世界に行ってもなんの役にも立たないと思うのですが……」


 俺は武道もやってないし、喧嘩も嫌いだ。そんな人が異世界、ましては次期皇帝としてやっていける自信もない。


 「安心するのじゃ。『武神の加護』と『魔神の加護』を其方に授ける。いきなり力を持っても仕方あるまい。努力して強くなるんじゃ」


 創造神が言うにはどちらの加護も努力すれば力が得られるらしい。いきなり強い力を持って産まれたら暴発して最悪死ぬらしいのだ。


 「なんも安心できませんけど……。ちなみに魔王とかっているんですか?」


 「魔王はおるぞ。しかしお主は勇者ではない。争いは特に起きておらぬしな。使命は民衆の生活を豊かにすることじゃ!」


 簡単に言ってくれるよな。まあダラダラ生きるより使命がある方がまだマシではある。


 しかも異世界と来た。ワクワクする。


 「それじゃ、そろそろお別れかの。わしと話をしたかったら神殿にきなさい」


 「わかりました」


 「ではいってくるのじゃ」


 眩い光と共に意識を失った。


 後に、カドウィンの革命児と呼ばれる神の使徒『アルベルト・シュタイン』がアルカディア帝国に産声をあげた。

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