いあいあ! 吾輩はクトゥルフである!

アントロ

第1話・謎の襲撃者

「あーさん! ストックの血が無くなりました!」

「えっちょ、ニャル! 何で買わなかった!」

「あると思ってたんですよぉ!」


何ともおぞましい2人、に見える物体が見た目に反してとても日常的な会話を続ける。ここは宇宙...の筈なのだが、何故か地球のようなごく一般の家庭のような内装の家である。冷蔵庫には言葉の通り肉以外には何もなく、血液は見つからない。


「しゃーない、肉食べよう」

「えー! 嫌ですよ! もう私B型の血の口ですってばぁ」

「お前が買い忘れたんだろうが」

「あーさん買ってきてくださいよ」

「いやだからお前が」

「あーさん...」


ニャル、と呼ばれた物体、ニャルラトホテプは(多分)うるうるとした目で懇願した。


「...分かったよ...買ってくるって」

「わーいあーさん大好き!」

「はいはい」


あーさんことアザトースはその言葉を適当にあしらったにしては嬉しそうな顔をしていた。きっと。


「...ん?」


家のドアを開けると、猫のマークの付いた箱が置いてあった。


「あーさんこれ何ですか? あっプレゼント!?」

「あっこら馬鹿! 触るな...」


ニャルラトホテプがその箱に触れた瞬間、箱が核レベルの爆発を起こし、辺りは濃い煙幕で満たされた。


「グエーだから言わんこっちゃないだ...ろ...」

「あーさん、なんか...これ...」


2人は気を失った。


「ふへへ...これでこの2人を地球送りに...」


燃え盛る炎を持つ何かは、不敵に笑った。

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