お見舞い編
ユリがデート前日に風邪をひいたら
その翌日、マコトが風邪をひいたのでお見舞いに行きます。
日常のワンシーンを切り取ったお話です。
※目安は10分強です。
※一人読みはご遠慮下さい。
※演者様の性別不問。役の性別変更不可。
<登場人物>
・マコト
25歳。ユリの彼氏。
・ユリ
23歳。マコトの彼女。
----お話はここから----
-会社の午後休憩
マコト:ユリ、どうしたの?なんか顔赤いよ
ユリ:(咳が出る)え?顔、赤いかな?
マコト:うん
-マコト、ユリの額に自分の額をあてる
ユリ:(照れる)わっ!わわわ!マコト!近い、顔が近いよ!
マコト:…熱いな
ユリ:ちょっと…恥ずかしいよ…
マコト:顔もさっきより真っ赤だし
ユリ:マコト、聞いてる?
マコト:明日のデートはやめた方が良いかな
ユリ:えっ?
マコト:これ以上熱上がって風邪引いたら大変だから、明日は家でしっかり休むように
ユリ:うぅぅ…明日のデートがなくなるのは残念だけど
マコトに風邪うつしたくないから、我慢しなくちゃね
マコト:それと、今日もちゃんと定時で帰るように
ユリ:マコト、先生みたい(笑)…(くしゃみをする)
マコト:ユリ、急ぎの仕事ある?
ユリ:今のところ無いよ
マコト:じゃあもう帰ろう
ユリ:え?!
マコト:ユリ、朝は何ともなかったのに熱上がって咳もして、くしゃみまで出てるし
ユリ:う、うん……
マコト:それと今年の風邪、長引くみたいだからね
ユリ:…そ、そうなんだぁ…(くしゃみをする)
マコト:またくしゃみしてるし
ユリ:うぅぅ…このままだと職場のみんなにうつしちゃいそうだから、私帰るね
マコト:うん、家に着いたらしっかり暖かくして休むように
ユリ:わかりました、マコト先生
-ユリ、家に着く
ユリ:暖かくして寝ないと…あ、ラインライン
「マコト、家に着いたよ!それじゃあ…おやすみなさい」
-翌朝
ユリ:ん〜っ、…昨日のだるさは…なし
熱は…っと…下がってる、良かった〜
風邪治ったからデート行きたいって言っても…
きっとマコトは「まだ大人しく寝てなさい」って言いそう、ふふ(笑)
ユリ:あ、ライン送らなくちゃ、えーっと…「熱下がったよ」
マコト:ユリ、熱下がったみたいで…良かった〜(咳込む)
ユリ:「マコト、私の風邪うつってない?」
マコト:………
ユリ:「昨日の私、だいぶ咳き込んでたから」
マコト:………言えない、俺が風邪引いたなんて
ユリ:「本当はデート行きたいけど、念のため今日は大人しくしてるね」
マコト:そうだね、昨日の今日じゃあまだ風邪が完治してないと思うから大人しく寝ましょう
…(咳込む)…ラインも返したから寝るか……
ユリ:……私が寝たと思ってライン送らないでくれてるのかな?
既読はついてるけど…
マコト:…?着信、ユリから……(咳込む)
ユリ:マコト、今何かしてた?
マコト:とくに何もしてないよ
ユリ:そっか、今日デートの予定無くなったから
マコトに会えなくて寂しいから…
…二人で一緒にいるって感じにならないかな〜と思って電話したの
マコト:そっか
ユリ:う、うん…これ、めんどくさい?
マコト:そんなことないよ
素直でかわいい
ユリ:(照れる)え?!え?!…もう!
マコト、朝ご飯は食べた?
マコト:まだ食べてな…(咳込む)
ユリ:マコト、大丈夫?
マコト:ちょっとむせただけだから…(咳込む)
ユリ:お水飲んで、お水!
マコト:あ、(くしゃみをする)
ユリ:あれ?…マコト?もしかして…
マコト:風邪だと思ってる?
ユリ:…私の風邪うつしちゃった?
マコト:風邪なんてひいてないよ
ユリ:本当に?
マコト:ひいてな…(くしゃみをする)
ユリ:…マコト嘘ついた
マコト:大丈夫だよ、ユリ
ユリ:大丈夫じゃない人ほど大丈夫って言うから、そういうときって!
マコト:…(咳込む)
-電話が切れる
ユリ:え?マコト?!昨日の私より咳き込んで苦しそうだったなあ…
風邪に効くものと、薬と、飲み物……駅前のスーパーで買おう、うん!
-電話から約2時間後
マコト:…あれ?電話が切れてる……それにもう昼…0時半…
電話してたのが朝だから…俺、だいぶ寝てたのか…
-インターホンが鳴る
マコト:ん?宅配便?…それなら宅配ボックスがあるし………
なんだろう……(モニターを見て)え?ユリ?
-インターホン越しに会話する
ユリ:マコトが咳込んでたから、心配で……来ちゃった
ご飯まだ食べてないよね、マコトの家で作って良い?
-ドアを開ける
マコト:ユリ…
ユリ:顔真っ赤だよ、マコト
マコト:…昨日のユリよりは赤くないと思うけど
ユリ:熱測るね、はい体温計
マコト:…あれ?ユリは手とかで測ってくれないの?
ユリ:…え?!
マコト:はい、お願いします
ユリ:もう、ちゃんと体温計でも熱測るからね
-ユリを抱き寄せる
ユリ:わ、マコト!(照れる)
マコト:俺、ユリから風邪もらったから責任とってくれる?
ユリ:ちょ、ちょっと、この距離感って…!
-マコト、ユリの額にキスをする
ユリ:(照れる)わわわ……あ、熱い!
マコト:また、耳まで真っ赤にして…本当にかわいいな、ユリは
ユリ:いま真っ赤なのはマコトだから、
病人は大人しく寝てないとダメだよ!
マコト:嫌だった?
ユリ:え?…別に、嫌じゃないけど…
マコト:けど?
ユリ:心配だよ!(ふくれる)
マコト:ははは(笑)
ユリ:もう、私本当に心配してるのにー!
マコト:からかい過ぎた(笑)だって、
ユリ:?だって?
マコト:ユリが俺のことを心配してくれて看病しに来てくれたから
(ボソッと)…嬉しくていま浮かれてる
ユリ:え?
マコト:ん?なんでもない(咳が出る)
ユリ:病人は大人しくしてね
マコト:大人しくしてるけど?
ユリ:全然大人しくしてない!
マコト:そう?
ユリ:うん
マコト:ユリが来てくれたから元気になっただけ
ユリ:もう、マコトはいつもずるいんだから
マコト:どういたしまして
ユリ:褒めてないです(ふくれる)お粥作るから、お昼ごはん少し待っててね
マコト:へぇー、「つや姫」って初めて食べるな
ユリ:お母さんが送ってくれた地元のお米だよ
マコト:この「つや姫」ってユリのこと?
ユリ:私のことってどういうこと?(笑)
マコト:ユリはいつも髪も頬もつやつやしてるから
ユリ:マコト〜(照れる)
マコト:本当のことなのに
ユリ:なんか恥ずかしい(笑)
マコト:(笑う)
ユリ:笑いすぎ!
マコト:ははは、耳まで真っ赤にして(笑)
ユリ:というかお粥まだ出来てないからおとなしくしててね、マコト
マコト:はいはい
-少しして、お粥完成
ユリ:よし、出来た♪お粥持ってくよ〜
マコト:……
ユリ:マコト?…寝てるのかな…?
-ユリ、マコトの寝顔を覗き込む
ユリ:……無理に起こすのは悪いよね
ふふふ(笑)…マコトの寝顔、なんかかわいい(笑)
付き合ってからお互い風邪引いたのって今回が初めてかも
初めてのお家デートを思い出すなあ…
(照れる)…あの頃、マコトと付き合ってることがまだ夢みたいって思ってたんだよね
いまこうして看病してるのも、とっても不思議な感じ(笑)
-マコトの寝顔を見ながらつぶやく
ユリ:…私のことこんなに好きにさせて
マコトは本当にずるいんだから(笑)
-マコト、ユリの手を掴む
ユリ:わっ!え?!マコト?!
マコト:ユリ、本当に寝てると思った?
ユリ:起きてたの?
マコト:ずっと起きてたよ
ユリ:…さっきのひとりごとも全部聞いてたの?
マコト:うん、全部聞いてた
ユリ:(照れる)恥ずかしい!
マコト:本当にずるいのは…
俺にユリのことをこんなに好きにさせたユリだから
ユリ:…マコト
マコト:顔真っ赤にして、本当にかわいい
ユリ:また私のことからかって…
マコト:俺が思ったことをはっきり言うのはいつものことだけど?
ユリ:(照れながら)…もう、もっと熱上がっちゃえ!
マコト:(笑)ユリ、それはひどいよ(咳込む)
ユリ:あ、今日のマコトは病人だった
マコト:ユリから風邪もらったからね
ユリ:うう…それに関しては何も言い返せない…
マコト:まあ、ユリの風邪が治って良かったし俺は看病してもらえるから
たまには風邪ひくのも悪くないかも
ユリ:本当にずるい
マコト:どういたしまして
ユリ:まずはお粥食べて、お薬飲んでたくさん寝て風邪治してね
マコト:じゃあ、お粥食べさせてくれる?
-何口かやり取りを繰り返しても良いです。
ユリ:しょうがないなぁ…はい、あーん
マコト:(ひと口食べる)
美味しい、今日はお見舞いに来てくれてありがとう
次の休みはどこかに出掛けようね、ユリ
甘いものはなんでもお好きですか? ネコ山 @nekoyama0312
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