秋デート編

秋の土曜日、銀座デートのエピソードです。


※1人読みはご遠慮下さい。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


<登場人物>

・マコト

25歳。ユリの彼氏。

落ち着きのある紳士的な男性。


・ユリ

23歳。マコトの彼女。

可愛いもの、キレイなものが好き。

思っていることがすぐ顔に出る。


----お話はここから----


-土曜日、銀座



ユリ:(M)今日はマコトのあんな姿が見れるなんて…何だか得した気分になっちゃった



マコト:はい、ユリの分


ユリ:ありがとう、マコトさん


マコト:ユリ


ユリ:あ、…


マコト:本日二回目です、改めて「さん」付け禁止


ユリ:はい…(照)


-マコト、ユリの頭を撫でる


ユリ:マコトさ…、マコトったら…(照)


マコト:(笑う)


ユリ:なに?


マコト:また顔真っ赤にして


ユリ:え?!


マコト:ほんと、かわいい


ユリ:もう、からかわないでー!


マコト:俺は思ったことを言ってるだけだけど


-マコト、ユリの頬にキスをする


ユリ:わ!本当、いきなりだなぁ…


マコト:油断してたの、ユリだよ


ユリ:う〜…映画観る前からこれじゃあ、映画の内容頭に入ってこないよー


マコト:そのときは俺が映画の内容ユリに話すよ


ユリ:なにそれ(笑)


マコト:二人して観たいって言ってた映画でしょ


ユリ:そうだけど…


マコト:俺は二人で感想言い合うのも好きだよ


ユリ:私もそっちの方が好き


マコト:では、真ん中の席とったので

上映中は作品にしーっかり集中してください


ユリ:はい


マコト:上映開始まで時間があるから、お茶にしようか


ユリ:お茶も良いけど、少し見たいものがあるの


マコト:何を見たいの?


ユリ:隣の百貨店の最上階で開催中の…




-隣の百貨店の最上階に到着




ユリ:拳法ネコ写真展!!


マコト:これはこれは…


ユリ:(微笑む)今日は銀座だし、何か素敵なイベントやってるかな?と思ってたら、このイベント発見したの♪


マコト:格闘家みたいなポーズや表情のネコか


ユリ:かわいいなぁ


マコト:ユリ、この写真展の情報どこで知ったの?


ユリ:トゥイッターだよ、検索に「拳法ネコ」って入れると出てくるの


マコト:へぇー、タイムラインにもいろんなネコの画像が…


ユリ:この子良い顔してるね~


マコト:ん?どれどれ?


ユリ:上の写真の子


マコト:ほんとだ、今にもネコパンチしてきそうな顔してる


ユリ:ネコパンチも肉球ぷにぷに押し付けてきそうで…いいなあ、ネコちゃん


マコト:実家にいるネコがそうだな


ユリ:そういえばご実家にネコちゃんが二匹いるって言ってたよね


マコト:実家にいる二匹、性格が真逆でさ


ユリ:どんな子なの?


マコト:二匹ともオスネコなんだけど

全然かまってくれないのがベンガルの「ツバサ」で、べたべたに甘えてくるのがスコティッシュフォールドの「フウタ」


ユリ:「ツバサ」くんと「フウタ」くん、会ってみたいなあ


マコト:そろそろ俺の実家に行ってみる?


ユリ:ご実家…!!(あわあわ)


マコト:ユリ、いつまで「ご実家」って言うの?


ユリ:近々ご挨拶に…と思ってるけど、恥ずかしくて


マコト:恥ずかしい?


ユリ:うん


マコト:俺、盆休みに実家へ帰ったとき親と姉さんにユリの話、したよ


ユリ:え!どんなお話をしたの?!


マコト:いま、お付き合いしてる人がいて…


ユリ:(食い気味に)わわわわわ!!


マコト:どうしたの?


ユリ:なんか聞くの怖い!


マコト:そんな、大袈裟な(笑)


ユリ:マコトがご実家で私のこと、

どういうお話をしたか想像出来ないから、内容は気になるけど…


マコト:けど?


ユリ:ご実家へご挨拶に行ったあとで聞くね


マコト:前、姉さんにユリの話をした時は…


ユリ:(食い気味に)マコト!


マコト:冗談だよ(笑)


ユリ:マコトはいつもずるいんだから


マコト:どういたしまして


ユリ:ずるい


マコト:ユリ、すねた?


ユリ:すねてないよ


マコト:映画観るときにキャラメルポップコーン買うから


ユリ:キャラメルポップコーン!


マコト:(笑う)


ユリ:ちょっと、笑いすぎ!


マコト:ユリがこの写真のネコみたいに目を輝かせるから


ユリ:えっ、というかこのネコちゃんかわいい!お目目まん丸だよ!何に驚いたのかな


マコト:隣の写真と一緒に見てみて


ユリ:(笑う)、この写真の並びはずるい


マコト:よく撮れたよね


ユリ:マコトのお家にいる「ツバサ」くんと「フウタ」くんもこういう顔するかな?


マコト:「フウタ」の方がいろんな顔するかも


ユリ:写真ある?


マコト:前も言ったけど、ネコの写真はユリが俺の実家に行って自分で撮ってくれる?


ユリ:は…はーい


マコト:上映時間が近づいてきたから、そろそろ映画館へ行こうか



-映画館へ移動



ユリ:キャラメルポップコーンと…


マコト:俺はレモネードにしようかな


ユリ:カフェモカと迷うなあ


マコト:カフェモカと何で迷ってるの?


ユリ:レモネード


マコト:俺はレモネードにするから、ユリはカフェモカにしてシェアすれば良いと思うけど


ユリ:じゃあ、そうしようかな


マコト:それにしても、少し早めに映画館へ戻ってきて良かったね


ユリ:ね、後ろすごく並んでる


マコト:そうだ、映画のパンフレットはどうする?


ユリ:見終わってから買おうかな、今日の記念に


マコト:今日の記念?


ユリ:うん、マコトと一緒に行った所の思い出に


マコト:今まで一緒に行った所の全部とってあるの?


ユリ:そうだよ、入場券の半券は日時が書いてあるからとってあるの


マコト:いつも俺ユリに半券渡しちゃってるね


ユリ:たしかに


マコト:ユリ、思い出とっておいてくれてありがとう


ユリ:どういたしまして


-館内の指定席へ移動


ユリ:…なんかドキドキするなぁ


マコト:この映画、上映日まで待ったしね


ユリ:久しぶりに前売り券買っちゃったし


マコト:前売り券にこだわってたけど、何か特典あった?


ユリ:実は前売り券にこれが付いてきたの


マコト:そういえばコラボしてたね


ユリ:そう、この映画のヒロインと同じお洋服のうさズキンちゃんのキーホルダー


マコト:俺のは主人公の衣装をきたバージョンだね


ユリ:あ、暗くなってきた


マコト:始まるね


ユリ:うん、楽しみだなあ



-映画後半



ユリ:(M)涙が止まらないよ……

犯人の動機が悲しすぎる…(泣く)

…………?ハンカチ

……ありがとう、マコト…

あれ?…マコト、目が潤んでる

…マコトの彼女特権ということで、

私の胸の内にしまっておこう




-上映終了




マコト:ユリ、目も鼻も真っ赤だよ


ユリ:うぅぅ…(泣)


マコト:あのシーン周りの人たちも泣いてたけど、まだ泣いてるのユリだけだよ?


ユリ:……マコト…ごめん


マコト:少しロビーで休もうか



-ロビーで少し休む



マコト:落ち着いた?


ユリ:うん、ありがとう


マコト:まさかヒロインが犯人で動機があれじゃあね


ユリ:ヒロインの子、あんなに良い子だったのに…


マコト:ヒロインが犯人って主人公が気付いたきっかけもまた凄かったよね


ユリ:ね、まさかあんなタイミングで気付いてるなんて…さすが、名探偵の三代目!


マコト:自分の幼なじみが犯人なのに、眉ひとつ動かさずに謎を紐解いていくところ…かっこよかったな


ユリ:もし私が主人公の立場だったら動揺しちゃって、何も出来ないなあ


マコト:ユリが探偵か…思ってることがすぐ顔に出るから向いてないだろうなあ(笑)


ユリ:マコト!(ふくれる)


マコト:今も顔に出てる


ユリ:あ!


マコト:ほらね


ユリ:私、探偵じゃなくて良かったー


マコト:そっちなんだ(笑)


ユリ:うん(笑)…って言ってる間に外暗くなったね


マコト:ユリ、次の目的地へ行くよ




-日比谷公園




ユリ:わぁ~!紅葉!きれいだね!!


マコト:この時季はライトアップされてて夜もキレイだから、ユリと二人で来たかったんだ


ユリ:ありがとうマコト、…嬉しいな


マコト:イチョウの近くにベンチがあるから

そこから眺めようか


ユリ:そうだね、あったかい飲み物も買ってきからゆっくり見よう


-ベンチへ移動


マコト:ユリ、ずっと顔が緩んでる


ユリ:…だって、マコトとこんなにキレイな景色見に来れたんだよ?…顔緩んじゃうよ(照)


マコト:緩みっぱなしだよ


ユリ:しょうがないよー、マコトと二人なんだもん……ちょっと寒いね


マコト:…風が吹くと冷えるね、ユリ大丈夫?


-マコト、ユリを抱き寄せる


ユリ:……あったかい…


マコト:「さん」付け、やっとしなくなった


ユリ:あ、そういえば…


マコト:「さん」がとれるまで長かったね


ユリ:あはは…


マコト:ユリ、よく出来ました


-マコト、ユリにキスをする


ユリ:…こんなにキレイな景色の中で…

…キスは……ずるいよ(照)


マコト:ユリ、かわいすぎ


ユリ:…私がどれだけマコトのこと好きかわかる?


マコト:俺がユリのこと好きな気持ちと同じくらい?


ユリ:…きっと、マコトが私のことを思ってくれてる以上に私の方がマコトのこと好きだよ


マコト:そう?俺の方がユリのこと好きだよ


ユリ:本当、マコトはずるい


マコト:どういたしまして


ユリ:ほめてないのに~


マコト:こうすれば許してくれる?


-マコト、ユリを抱き寄せる


ユリ:わ…!……寒いからこのままでいさせてね、マコト


マコト:わかりました、ユリ姫さま


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