夏祭り編

少し甘めな夏祭りデートのお話です。

付き合い始めはマコトに敬語だったユリの敬語がなくなって

二人の距離がさらに近くなりました。


※10分ほどの台本です。

※一人読みはご遠慮ください。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


<登場人物>

・マコト

25歳。ユリの彼氏。


・ユリ

23歳。甘いものが大好き。


----お話はここから----


-夏の土曜日、十八時


ユリ:(M)駅からすごい人だったなあ…マコトさんと行く初めてのお祭り、楽しみだなあ

それにしても浴衣の着付け覚えてて良かった~


マコト:ユリ


ユリ:…!!


マコト:ん?どうしたのユリ?耳まで真っ赤にして


ユリ:(M)マコトさん浴衣だ!!どうしよう!……すっごくかっこいい!!


マコト:ユリ?


ユリ:マコトさん…


マコト:どうしたの?


ユリ:ゆ、浴衣…


マコト:ユリが浴衣で来てくれると思って、俺も浴衣にしたよ


ユリ:……(照)


マコト:浴衣もすっごく似合っててかわいいな


ユリ:…ま、…


マコト:ん?


ユリ:マコトさん……浴衣…似合いすぎ…


マコト:ありがとう、ユリ


ユリ:…かっこいい…ずるい…


マコト:ずるいのはユリの方だよ、浴衣姿もかわいすぎ


-マコト、ユリの頬にキス


ユリ:わ!!…マコトさん!


マコト:ユリ驚きすぎ、祭り会場まで少し歩くよ


ユリ:(ボソっと)マコトさん、今日もずるいんだから…


マコト:ユリ何か言った?足元気をつけて


ユリ:ううん、なにも言ってないよ

きゃっ!!(転びそうになる)


マコト:おっと、危ない


ユリ:マコトさん…!


マコト:ユリ、ケガはない?


ユリ:だ、大丈夫…大丈夫だから…


マコト:だから?


ユリ:その…このままぎゅっとされてたらお祭り会場まで…歩けないよ…


マコト:あ、そうだった…俺はしばらくこのままでも良かったんだけど


ユリ:マコトさん!


マコト:はいはい


ユリ:花火いい所で見れなくなっちゃうよ?


マコト:目的は花火だったね


ユリ:はい!


マコト:あれ?花火だけ?


ユリ:えーと…


マコト:俺の一番の目的はユリとデートすることなんだけど


ユリ:屋台の…いちご飴食べたい


マコト:あれ?俺とのデートは?


ユリ:デート中にいちご飴食べたい


マコト:わかりました、ユリ姫さま


ユリ:マコトさんはなにか食べたいものないの?


マコト:俺は屋台見て決めるよ


-屋台のある通り


マコト:ユリ、はぐれないようにね


ユリ:こんなにしっかり手を繋がれてたら、はぐれようがないかと…


マコト:ん?これ?


ユリ:でも…ちょっと恥ずかしいっていうか…


マコト:え?いつも二人で歩くとき手を繋いでるけど?


ユリ:そうだけど…


マコト:だけど?


ユリ:(ボソっと)…今日のマコトさんも…かっこいいんだもん…


マコト:よく聞こえないな


ユリ:!、…ひ、人がたくさんいるし聞こえづらいのは仕方ないかなー…


マコト:実は聞こえてた


ユリ:え!


マコト:今日のユリはいつもより少し大人っぽくてキレイだよ


ユリ:マコトさん…


マコト:また耳まで真っ赤にして、本当かわいいなユリは


ユリ:か、からかわないでください…!


マコト:俺は思ったことをそのまま言っただけなんだけど?


ユリ:…今日も私の反応見て遊んでる…


マコト:ユリ、いちご飴の屋台が近くにあるよ


ユリ:わぁ!甘くて良い香りがする!




マコト:…ユリ?


ユリ:何?


マコト:ユリくじ運良すぎ


ユリ:私もびっくりしたよ

いちご飴一本で引けるクジで、五本が二回当たるなんて…思わなかったよ!

買ったのも合わせて全部で十二本!!


マコト:近くにいた幼稚園児くらいの子達にあげてもまだ一人三本あるね


ユリ:いちご飴美味しいから、あっという間だよ!


マコト:ユリのお目当ての品だからね


ユリ:マコトさんは屋台で何買うの?


マコト:俺はベビーカステラ買うよ


ユリ:甘いもの同士だね


マコト:あ、たしかに


ユリ:飲み物買ったら花火が見やすい場所探そう


マコト:そうだね、あ、ベビーカステラの屋台あった!




マコト:……


ユリ:マコトさん(笑)


マコト:まさか店員さんが何個入れたか分からなくなるなんて…


ユリ:十五個入り買ったはずなのに、袋の上ギリギリまでベビーカステラ入ってるよ


マコト:食べ切れるか?…


ユリ:食べ切れるよ…私もベビーカステラ大好きだし


マコト:俺のことは?


ユリ:大す、……!!マコトさん!!


マコト:本当かわいい


ユリ:いつも私のことからかって~


マコト:俺は思ったことをそのまま言ってるだけだけど?


ユリ:今日もマコトさんはずるいんだから!


マコト:俺からしたら、ユリの方がずるいけど?


ユリ:え?


-マコト、ユリの持っているいちご飴を食べる


ユリ:あー!マコトさん!いちご飴!私まだ食べてないのにー!


マコト:油断してたのはユリだよ


ユリ:えい!


マコト:あ、ベビーカステラ…


ユリ:いちご飴のお返しです!


マコト:ベビーカステラはたくさんあるからいくらでもどうぞ


ユリ:むー(ふくれる)


-マコト、ユリの頭を撫でる


ユリ:わ!(照)


マコト:隣の屋台で飲み物を買ったら高台へ行くよ、ユリ


-高台へ移動


ユリ:マコトさん、予約席とっててくれてありがとう!


マコト:どういたしまして


ユリ:すごく見やすい!うまく写真撮れるかな


マコト:ユリ


ユリ:はい


-パシャ


ユリ:マコトさん!いきなり撮るなんて、もう!


マコト:かわいく撮れてるよ


ユリ:マコトさん


マコト:ユリ、もっと俺の方に寄って


-パシャ


マコト:今日まだ二人の写真撮ってなかったから


ユリ:はわわ…(照)


マコト:今の写真、ユリに送っておいたよ


ユリ:心臓に悪いなあ…だけど、ありがとうマコトさん


マコト:本当かわいい


ユリ:な!……っ(照)


マコト:はい


ユリ:!!…(ベビーカステラを口に入れられる)


マコト:ははは(笑)


ユリ:マコトさん、……んっ!!


-マコト、ユリにキスする


ユリ:……!


マコト:ユリ驚きすぎ

打ち上げが花火始まるよ


-次々に打ち上がる花火


マコト:本当ユリと来れて良かった


ユリ:…私もマコトさんと来れて、良かった


マコト:ユリと浴衣デートも出来たしね


ユリ:…まだ心臓がドキドキしてて……ちょっと深呼吸…


マコト:ユリが俺に敬語を使わないようになったから、

次はさん付けじゃなくてマコトって呼んでほしい


ユリ:えっ?…ちょっと…待って……

敬語使わないようにするのも大変だったのに…


マコト:ユリ、俺のこと呼んで


ユリ:…っと……マコトさん…


マコト:さん付け禁止


ユリ:うぅ…はい…(照)


マコト:もう一回呼んで


ユリ:…マコト…


マコト:はい、よく出来ました


-ユリ、マコトにキスする


マコト:…!


ユリ:いつも…マコト…からキスするから……私からしてもいいでしょ


マコト:……ユリ、かわいすぎ

この夏は二人でたくさん出かけようね、ユリ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る